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2016.01.27

「舞音ーMANONー」を見る

宝塚星組公演
Musical「舞音ーMANONー」
脚本・演出 植田景子
作曲 Joy Son
グランドカーニバル「GOLDEN JAZZ」
作・演出 稲葉太地
観劇日 2016年1月26日(火曜日)午後6時30分開演
劇場 東京宝塚劇場 1階11列67番
料金 8300円
上演時間 3時間(30分の休憩あり)

 職場の友人に誘って(そしてチケットの手配までして)いただいて、初めて宝塚の月組公演を見に行った。
 宝塚だけは何故か数えているので書いておくと、生涯9回目である。

 ネタバレありの感想は以下に。

 宝塚歌劇の公式Webサイトはこちら。

 「舞音ーMANONー」というミュージカルは、元々が「マノン・レスコー」というオペラや映画にもなった小説を元にしているということもあって、かなり凝った筋立てになっている。
 見始めた頃はそれがピンと来ていなくて、どうもシーンが飛び飛びで、登場人物も多くて、どんな物語なのかさっぱり見当がつかないなぁと思って見ていた。
 2回目の観劇だったという友人は、見終わって「こんなに伏線がちゃんと張ってあったのねと驚いた」と言っていたから、この感想はあながち間違いではないと思う。

 その友人から「見終わったら誰が良かったか言ってね」とも言われ、それが気になりつつ見ていたけれど、これまで何回か見た星組がワンアンドオンリーのトップである柚希礼音をフューチャーした演目が多かった印象であることに比べると、群像劇というイメージである。
 何というか、良くも悪くも誰かが目立つというのではなく、全員で一つのミュージカル、一つのショーをいいものに作り上げて行きましょうという気概を感じる。
 ただ、女性の登場人物が少ない分、群像劇と言いつつ、マノンを演じていた愛希れいかの存在感が際立っていたと思う。

 ベトナムを舞台に、マノンと呼ばれている女性(芝居の中では「娼婦」と揶揄されることもある)と、赴任してきたフランス海軍の大尉との恋物語がベースになっている。
 そこに、フランス海軍から横流しした阿片で儲けようというマノンの兄や、その兄と組んでいるベトナム独立運動の指導者たち、ベトナム独立運動を潰そうという総督は大尉の婚約者の父親と、人間関係は少し入り組んでいる。
 そうした設定の上で、ある意味、社交界で有名な存在だったマノンは、見せしめとして全く関与していないベトナム独立運動のためのスパイだったとして処刑されようとし、そのことに反発した大尉は(そもそもお金のために大麻の横流しに手を貸したりした訳だけれど)軍を辞めてしまう。
 最後は、独立運動の若者たちが、牢獄に捕らわれた自分たちのリーダーを奪い返そうとし、その場にいたマノンは撃たれ、逃れられたものの死んでしまう。
 レ・ミゼラブルの展開も思わせつつ、「上手く」作ってあると思う。

 かなり充実した「悲劇」のミュージカルの後で、グランドカーニバル「GOLDEN JAZZ」と銘打って明るいショーのコーナーを持ってきた構成も上手いと思う。
 これまで見たショーはオリジナルの曲を歌っていることが多かった記憶だけれど、今回は何しろ「JAZZ」だし、知っている曲も多い。
 客席には小さなタンバリンを持っている方も多く、あんまり揃っていない感じでそのタンバリンが鳴らされているのも何だか楽しい感じがする。
 カンカンがあって、大階段を羽を背負って降りてくるときも華やかで、私の思う「ザ・宝塚」が一杯詰まっていた。

 そしてまた、気のせいか、ショーの出演者が多いように感じた。
 これまで見たショーも、こんなに舞台一杯に出演者がいて、見事に揃った踊りを披露していたかしらと思う。あれだけ広い舞台なのに、「みっしり」感があるのが凄い。客席降りてくる演出も、サービス精神旺盛である。
 ミュージカルでは男役お二方の聴き応えのある二重唱が2曲あって、ショーではトップお二方の聴き応えのある二重唱が何曲かあって、そういうところも「総力戦」な感じがある。
 ショーではさらに、男役が揃っている感と、愛希れいかをフューチャーする感じが強まっていたと思う。

 行く前に「私はどこに何を見に行くんだっけ?」と聞いて呆れられたくらいだったけれど、行ってみたら、今までで一番充実した公演だったわという感じだ。
 友人曰く「比較的チケットが取りやすい公演だった」ということだし、宝塚を見たことがないという人がこの公演を見たら、結構はまるんじゃないかしらと思った。

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