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2016.10.30

シネマ歌舞伎「ワンピース」を見る

「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」
原作 尾田栄一郎
脚本・演出 横内謙介
演出 市川猿之助
スーパーバイザー 市川猿翁
主題歌『TETOTE』楽曲提供 北川悠仁(ゆず)

 オフィシャルサイトはこちら。

 私自身は新橋歌舞伎状で上演されたお芝居を観ている。
 「見そびれてしまった」という方に声をかけていただいて、シネマ歌舞伎になった「ワンピース」を見に行った。

 ネタバレありの感想は以下に。

 「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」自体の感想は、舞台を見たときに書いたこちらに譲ることにする。
 「シネマ歌舞伎」としての「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」の感想に絞って書くことにすると、やっぱり舞台は生で見た方がずっと楽しいし面白い、ということに尽きる。
 やっぱり舞台で生で見られて幸せだったなというのが、映画を見て一番最初に浮かんだ感想だ。
 ご一緒したお二方は舞台を見ていなくて、「映画を見て良かった」「絶対に来年舞台を見に行こう」と言い合っていたから、シネマ歌舞伎として公開されることの意味はもちろんあると思う。それでも、ということだ。

 

 合計55分の休憩時間を除いても3時間半かかっていた舞台を2時間少しに縮めている訳だから、転換の時間を端折ったりするだけではもちろん足らず、シーンのいくつかを大胆にカットし、代わりに字幕で「**があった」というような形で、そのシーンがあったことを伝えている。
 やはり上映時間3時間半の映画を見るというのはかなり覚悟がいることだと思うので、カットするしかないだろうと思うし、カットしてより多くのお客さんに見てもらえるならそれは成功だし必要なカットだと思う。
 そして、舞台の脚本・演出を手がけた横内謙介の名前が監修としてクレジットされていたし、上手に、そして細心の注意を払ってその作り替えがなされていたと思う。

 

 例えばNHKで放映されている「劇場中継」などでは、割とカメラは引いて全体を映し、アップがそこに挿入されるというイメージだけれど、シネマ歌舞伎の場合は、「翻案」と言いたいくらい、映像化するに当たって、映像だからできるあれこれを加えていたように思う。
 私の定かでない記憶によれば、例えば、エースが炎を使って攻撃するようなシーンなどがそうだったと思う。
 アップも多用されていて、ルフィを演じた市川猿之助のアップなど、どんだけ表情で多くを語ってくれるのだろうと思った。舞台で見ているときには、オペラグラスを使ったとしてもここまで鮮明に表情を見ることはできない。
 それに、必ずこちらを向いてくれているとは限らないというものだ。

 

 アップが多用されている分、もの凄い汗だよ、ということもよく判った。
 本当にアップになる誰も彼もがどのシーンでも大汗だ。これだけ汗をかいて、よくもまぁ化粧が落ちないものだと感心してしまった。これは余計な感想なのかも知れない。
 舞台のDVDも何本も持っていて何回も見ているけれど、それを大スクリーンで見るのとはやはり違うというものだ。
 それから、カメラは結構上から俯瞰するように舞台を撮っていることも多くて、なるほど、2階席や3階席からはこんな風に見えていたんだなぁと思ったりした。

 

 売店に寄らなかったので判らないけれど、「シネマ歌舞伎のワンピース」にもパンフレット等が用意されていたんだろうか。
 映画だから最後にクレジットが流れたけれど、ご一緒したお二方は「配役をきちんと知りたい」と口々におっしゃっていた。特にこの「ワンピースは」一人何役も演じている役者さんが多かったし、素顔が判らないくらいのメイクをする役も多かったから、余計にそういう気持ちになったのだろうと思う。
 実は私にはそういう発想がなかったので、歌舞伎を見慣れ、筋書きを購入することに慣れているからこその感想なのかも知れない。

 

 とか何とか言いつつ書きつつ、ストーリーもちゃんと覚えていたし、展開だって判っていたのに、ラスト近くのシーンではやはり泣いてしまった。
 シネマ歌舞伎、侮り難しというのが率直な感想である。
 面白かった。
 でも、やっぱり舞台が好きだし、舞台で見たいしという思いも強くした。

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