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「NINAGAWA・マクベス」
作 W・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
演出 蜷川幸雄
出演 市村正親/田中裕子/辻萬長/大石継太
瑳川哲朗/石井愃一/中村京蔵/青山達三
竪山隼太/清家栄一/間宮啓行/手塚秀彰
飯田邦博/塚本幸男/神山大和/景山仁美
堀文明/羽子田洋子/加藤弓美子/堀源起
周本絵梨香/手打隆盛/秋元龍太朗/市川理矩
白川大/續木淳平/鈴木真之介/高橋英希
後田真欧/五味良介/西村聡/岡本大地
牧純矢(Wキャスト)/山崎光(Wキャスト)
観劇日 2017年7月29日(土曜日)午後1時開演(千秋楽)
劇場 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
上演時間 3時間10分(20分の休憩あり)
料金 12000円
舞台を見る今日になって2年前の公演を見ていることを確認し、見終わってから千秋楽だったことを確認した。
我ながらマヌケである。
ロビーではパンフレットやTシャツ、トートバッグ等が販売されていた。
劇場の1階通路には、蜷川幸雄演出作品の写真パネルが飾られていて、見逃しが舞台の多さにちょっとガックリきた。やはりお芝居は観たいときに観なくてはと思う。
ネタバレありの感想は以下に。
蜷川幸雄一周忌追悼公演として上演されたこの公演は、この後はロンドン公演が予定されているそうだ。
演出として蜷川幸雄がクレジットされているけれど、果たしてどうなんだろうと思う。
2015年の公演を見た自分の感想を読んでみると、私が抱いた感想はほぼ同じだ。
敢えて言うと、今回は”でも、「マクベス」という舞台は強烈で興味深い。”ではなく、”この「マクベス」は退屈しない。」と思ったところが違う。
演出は恐らく大きく変わったところはないと思われる。
2015年の公演に出演していなかった辻萬長や大石継太が出演しているけれど、特に大石継太は蜷川幸雄演出の舞台では常連だし、全く違和感はなかった。
市村正親のマクベス、田中裕子のマクベス夫人というキャストがそのままだし、恐らく、2015年の公演よりも若干「端正」になっていたのではないかと推測するけれど、それはあくまで私の推測だ。
「NINAGAWA・マクベス」の舞台セットが仏壇を模していて、登場人物の衣裳も和装、マクベスは「陛下」ではなく「殿」と呼ばれることは知っていたにも関わらず、何故か今回の私の印象は「お雛様?」だった。
緋毛氈が敷かれている訳ではないし、ぼんぼりや菱餅がある訳でもない。
ただ、マクベス夫妻がお内裏様とお雛様、三人の魔女が三人官女、ダンカン王達男性陣は五人囃子かしらとかってに思っただけだ。
多分、幕開けに登場する三人の魔女から、勝手に巫女さんのイメージを作り上げてしまったためだと思う。
カーテンコールで、蜷川幸雄の写真が舞台上に吊られた。
格子の背後に真っ赤な満月が浮かんでいたから、この「NINAGAWA・マクベス」の舞台セットの前で撮られた写真なのだと思う。
その写真を見て、「この写真が撮られたときのマクベスは、背後の月が満月だったんだな」と思った。途中は自信がないけれど、今回の公演で最初に出て来たときの月には雲がかかっていた。
しかし、演劇の演出はやはり「変えない」ことによって変わってしまうんじゃないかと思う。
仮に蜷川幸雄が今回の公演を演出していたとしたら、2015年と同じにしようとはしなかっただろうと思う。
同じにしようとしたところで同じにならないのが演劇だとも思いつつ、やはり、何だか芝居のあり方としてどうなんだろうと勝手なことを考えてしまった。
いずれにしても、不在の存在感の大きさときたら半端ない。大きすぎる。
もう、新しい蜷川幸雄演出の舞台を見ることはできないのだということを思い知った。
千秋楽公演だったこともあって、カーテンコールが何回もあり、最後はスタンディングオーベイションになった。
ずっと険しい表情しかしていなかった市村正親の笑顔と、茶目っ気たっぷりの仕草が可笑しい。演出家のいない伝説の舞台のプレッシャーは大きかったんだろうなと思った。
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