「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」を見る
ミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」
脚本・歌詞 リー・ホール
演出 スティーヴン・ダルドリー
音楽 エルトン・ジョン
振付 ピーター・ダーリング
出演 未来和樹/吉田鋼太郎/柚希礼音/根岸季衣
中河内雅貴/小林正寛/大貫勇輔/古賀瑠 ほか
観劇日 2017年8月5日(土曜日)午後5時開演
劇場 赤坂ACTシアター
上演時間 2時間50分(20分の休憩あり)
料金 13500円
ロビーではパンフレットや、Tシャツ・トートバッグ等のグッズが販売されていた。
リピーターチケットの販売もあった。
この公演は半館貸切公演で、カーテンコール後に出演者の挨拶と子供キャストの写真撮影タイムが設けられていた。
ネタバレありの感想は以下に。
映画の「リトル・ダンサー」も見たことがなくて、ほぼ予備知識ゼロで見に行った。
主役のビリーは小学校高学年の少年達4人のクワトロキャストで、彼らはまずオーディションで10人に絞られ、そこからレッスンを兼ねたオーディションが続き、2年がかりで選ばれレッスンしてきたそうだ。
そのドキュメンタリーを見たという一緒に行ったお姉様は、もう見る前から「泣けてくる」と言っていた。
大人キャストも全員がオーディションで選ばれたという。
少年の成長物語であることは、全く予習をしていない私にも想像がついていたし、主役の少年が「踊る」ことも判っていたけれど、まず、少年のタップダンスに驚いた。
バレエには何故か自分でも食いつかなかったけれど、タップダンスのシーンでは食い入るように見入った。
少年の成長物語であると同時に、その背景にイギリスの炭鉱不況、マーガレット・サッチャー首相とその政策への反感、長引くストライキなどが描かれている。
「フラガールみたいだ」と見ながら思っていたけれど、よく考えれば、「リトル・ダンサー」の方が公開が早い一方、フラガールは実話が元になっているし、恐らくこの2作品の間に特段の関係はないと思う。
でも、だとすると、炭鉱とダンスという組み合わせで、イギリスと日本で別々に、映画となったということには何か意味があるんだろうなという気がする。
舞台では、炭鉱でのストライキや、ビリーの兄がストのリーダーとなっていること、ビリーをロイヤルバレエのオーディションに参加させるためにビリーの父がスト破りの列に加わったことなど、あまり上手くストーリーに取り込めていなかったようにも思う。
少し「とってつけたように」という感じを受けてしまったのが勿体ない。
こちらの受け止め方の問題でもあると思いつつ、やっぱり、何だか勿体ないなぁという気がとてもした。
ビリーを演じた未来和樹くんはもちろんのこと、ビリーの友人マイケルを演じた古賀瑠くんも上手かった。
女装が趣味で、ビリーにキスするマイケルは役としてもかなりインパクトがあるし、ビリーよりも印象に残ったくらいだった。
ビリーとマイケルが「ショータイム!」と叫んでタップダンスを踊るシーンは可愛らしく、格好良く、二人がとても楽しそうに踊っているのが何より幸せな気持ちになれた。
一緒に行ったお姉さんによると、ビリー役の少年達はそれぞれ得意分野が違っていて、演出もそれぞれの個性を生かすように変えているそうだ。
今回の未来和樹くんは歌が特に得意なのだと教えてもらい、お母さん、ウィルキンソン先生と3人で歌うシーンなどを思い出して納得した。
細やかな演技力も高かったと思う。
そして、ビリー役の演技や演出に合わせる、周りの大人キャストの実力が高いということなんだろうと思う。
その大人キャストも、吉田鋼太郎と益岡徹、島田歌穂と柚木礼音だったら、相当に雰囲気が変わるだろうということは容易に想像がつく。
何回でも組み合わせを変えて見てみたいと思う気持ちも判るなぁと思う。
ただ、何回も組み合わせを変えて見るには、如何せん、チケット代が高くて、ちょっと手が出ない。うーん。このミュージカル、DVDになるかしら、なるとしたらどの組み合わせになるのかしらと思う。
席が1階席の後ろから3列目で、舞台が遠いだろうなと思っていたけれど、逆に、舞台全体を見るには却って良かったなと思う。
舞台を遠く、淡々としているように感じたのは、物理的に席から舞台までの距離があったからかも知れない。
しかし、バレエやタップ、ダンスのシーンも、舞台一杯を使って、舞台一杯にぎゅっと詰まった感じで展開されていて楽しんだ。
お姉様方は「アニーみたいに、毎年上演されるようになるといい」と切望していた。
それは難しいんじゃないかしらと思いつつ、「アニー」とは言わずとも、「レ・ミゼラブル」みたいな形で上演し続けられたら1公演に1回は見に行っちゃうなぁと思った。
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