「初春大歌舞伎」夜の部を見る
歌舞伎座百三十年 壽 初春大歌舞伎 夜の部
双蝶々曲輪日記 芝翫/七之助/宗之助/錦吾/愛之助
襲名披露 口上 二代目松本白鸚/十代目松本幸四郎/八代目市川染五郎
歌舞伎十八番の内 勧進帳 幸四郎/染五郎/鴈治郎/芝翫
愛之助/歌六/吉右衛門
相生獅子 扇雀/孝太郎
三人形 雀右衛門/鴈治郎/又五郎
観劇日 2018年1月21日(日曜日)午後4時30分開演
劇場 歌舞伎座
上演時間 4時間20分(25分、30分、15分の休憩あり)
料金 20000円
知り合いのお姉様に声をかけていただいて、高麗屋三代同時襲名の口上を見ることができた。
「高麗屋の37年ぶりの3代同時襲名公演」と思っていて、すべての演目に3人のうち誰かは出るだろうと思っていたので、若干物足りない感じもあったけれど、自分の勘違いに笑ってしまった。全くのこちらの勘違いだから、これはもう仕方がない。
例えば、夜の部には口上にはもちろん3人が登場して口上を述べるけれど、歌舞伎にも踊りにも新白鸚は登場しない。
口上の仕組みもよく分からないのだけれど、これってアドリブなのかしら、毎日変わっているのかしら、それとも毎日同じことを話しているのかしらと不思議に思った。
端正に紹介する人あり、感謝を述べる人あり、笑いを取りに行く人ありで、なかなか楽しい。
毎日アドリブだったら、後から口上を述べる人ほど辛い。
一番最後に口上を述べる新染五郎は余計なことは言わない端正な口上で、却って清々しく品のいい感じがした。
ただ、やはり、「3代同時襲名」というインパクトは大きいようで、新幸四郎が弁慶を、新染五郎が義経を演じる勧進帳が終わった後、1階席からごっそりと帰るお客さんがいたのは、何ともやりきれない感じがした。
そこを目当てに来たお客さんが多かったんだろうな、全体で4時間を超える公演時間はやっぱり長丁場だしとは思うけれど、寂しい感じがしてしまう。
実際のところは、やはり「勧進帳」が印象深い。
あまりにも有名なストーリーの、あまりにも有名なシーンだし、歌舞伎では初めて見たと思うけれど、NHKの大河ドラマで義経をやったときや、中村吉右衛門が主演したやはりNHKの「武蔵坊弁慶」等々で、このシーンは見たことがある。
「棒で打ち付けるシーンですよね」と言って、歌舞伎にも造詣の深いお姉様方に笑われてしまったけれど、一般人はそんなものであると開き直りたい。
三味線や鼓、謡を唄う方達がずらりと並び、よく分からないけれど文楽っぽい感じなんだろうか。
演じている様子が人形振りということではなく、お芝居はお芝居として進んで行っていた、と思う。
新幸四郎の弁慶が、びっくりするほど弁慶だった。もうちょっと線の細いイメージだったけれどもとんでもない。重厚な感じがよく出ていたと思う。
新染五郎の義経は初々しい。そして、これまたびっくりするくらい色っぽい美少年だった。
この勧進帳で富樫を演じていたのが吉右衛門である。
私にとっては、武蔵坊弁慶といえば吉右衛門なので(多分、歌舞伎で拝見したことはないけれども)、とても嬉しい。
その富樫に負けない迫力を新幸四郎の弁慶は醸し出していたと思う。
何故だか集中できなくて、何とも申し訳ないことだってけれども、華やかな雰囲気と新しく始まる場に居合わせる喜びとを味わわせてもらった。
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