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「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」
作 中島かずき
演出 いのうえひでのり
出演者 天海祐希/福士誠治/竜星涼/清水くるみ
三宅弘城/山本亨/梶原善/古田新太 他
観劇日 2018年5月19日(土曜日)午後0時30分開演
劇場 IHIステージアラウンド東京
上演時間 3時間45分(20分間の休憩あり)
料金 13000円
場内アナウンスを聞いて「Season 極」が「シーズン ごく」と発音することを初めて知った。
(実は、「きわみ」と読むのだと信じ込んでいた。)
ロビーではもちろん、たくさんのグッズが販売されていた。
ポスターを撮影する人が多いのもこの芝居の特徴だと思う。
ネタバレありの感想は以下に。
意外と「髑髏城の七人」だったな、というのが感想だ。
オープニングのシーンから、沙霧が髑髏城の鉄騎兵達に襲われるという、一番古いパターンの始まり方だった。
「全く違う物語」と聞いていたので、この始まりは意外だった。物語の時間軸や進行は踏襲し、しかし登場人物やその「動機」、関わり方を変えたということだったらしい。
捨之介のキャラと極楽太夫の名前を天海祐希がかっさらったからそこはどうするんだろうと思っていたら、無界の里は、竜星涼演じる若衆太夫の夢三郎が仕切っていた。
何だかもうほとんどパズルのようだなという感じもする。
「髑髏城の七人」を構成していた捨之介と極楽を一人が兼ねちゃったよと思っていたら、家康が極楽の護衛につけた忍びの男がそこに加わり、合わせ技で極楽が髑髏城に戻る動機の一つにもなっている。
蘭兵衛がいないよと思っていたら、そこは夢三郎が天魔王の息子だという設定が加わっている。
物語とは何の関係もないけれど、物語の一部として「流石だよ」と思いながら見ていた。
古田新太を始めとする歴代の捨之介は、みな、広い舞台にタイトルバックを背負って一人立って見得を切って来ている。
当然、「修羅天魔」では、天海祐希が極楽としてやってのける。
それがまた、格好いい。
一人で舞台を背負って立つのも、立ち尽くすのも、見得を切るのも、吹っ切った笑顔を見せるのも、何て似合う女優なんだろうと思う。ここまでてらいなくやってのけてしまう女優さんもなかなかいないと思う。
一方の古田新太は、14年ぶりの天魔王として悪役そのものの顔と風情で鉄騎兵を率い、息子と相対する。「極楽太夫」と今は名乗っているお蘭とも、山本亨演じる家康とも渡り合う。
悪役を演じているときの古田新太は色っぽいし艶っぽいよなぁと思う。
そしてまた、何だかんだ言っても、古田新太の殺陣は格好いいし綺麗だと思う。今回、極楽がスナイパーという設定から殺陣のシーンは少なめだったんじゃないかという印象で、天魔王が戦うシーンもあまり多くなかったものの、でも、やっぱり格好いいし切れがある。
意外なことに新感線初登場という福士誠治が何故か見得を切ってみたり、同じく初登場で実は和服での芝居もほとんどなかったらしい竜星涼が太夫になりきっていたりするところが、奥の深さと層の厚さだよなと思う。
そしてこの二人の殺陣がまた違和感なく舞台に溶け込んでいて、その場で「格好いい」とため息をつくというよりは、流れに綺麗に乗って流れを切らないところが、実は凄いことなんじゃないかという気がする。
「髑髏城の七人」の全公演を通じて、メインキャストの女優陣がもっと「強い」設定でもいいのになぁと思っていて、それは今回も同じだ。
沙霧や極楽は、実は意外と戦っていないし、里が襲われるシーンではひたすらあわあわとしている。沙霧なんて、登場シーンでは結構戦っているし、鉄騎兵を煙に巻いたりしているのに、何故か無界の里が襲われるシーンや、髑髏城に入り込んだ後のシーンではひたすら守られている感がある。
そこだけは、今回の極楽太夫も同様で、どうしてなのかやはり疑問に思った。
沙霧と捨之介の「恋愛」モードがない分、極楽と信長・極楽と天魔王の微妙な三角関係もどきがあったり、ラストシーンでも極楽を挟んで清十郎と兵庫がにらみ合ったり(というよりも、兵庫が一方的に清十郎に絡んだり)、少しばかり無理しているんじゃないかという気もしつつ、ラストが、極楽太夫も含めて「もう一回、本物の無界の里を作ろう」で終わるところが今まで一番前向きなラストシーンで良かったなぁと思う。
ラストシーンといえば、花鳥風月では、それぞれのキャラがそれぞれにふさわしい場所に立って次々と客席が回りながら挨拶していたけれど、今回は、お話の流れを遡るように各シーンを回りながら見せて行っていた。
これも格好良かった。
「修羅天魔」は、「髑髏城の七人とは違う別の物語」と断りを入れつつ、それでもかなり「縛り」を自らかけて上演した芝居、という感じがする。
パズルが上手く嵌まったところと、うーん無理しなくてもいいのにと思ったところと両方ありつつ、それにしても「髑髏城の七人」という芝居の持つ、骨格の強さと太さにしみじみ脱帽した。
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