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2018.08.05

「年中無休!」を見る

「年中無休!」
作 中村育二
脚色 登米裕一
演出 ウォーリー木下
出演 ふぉ~ゆ~/大高洋夫/八十田勇一
観劇日 2018年8月4日(土曜日)午後1時開演
劇場 シアター1010
上演時間 2時間10分
料金 9000円
 
 ロビーではパンフレット等が販売されていた、と思う。

 ネタバレありの感想は以下に。

 「年中無休!」の公式Webサイトはこちら。

 客席はほぼ全員女性という感じでほぼ満席だった。
 最近の(というよりも昔から)アイドル事情やジャニーズ事情に疎いので、ほとんど忘れていたけれど、この舞台の主演はジャニーズのアイドル4人組である。
 この客席構成もむべなるかなという感じだ。
 この中に、「カクスコ」の舞台を見たことのある人がどれくらいいるんだろう、大高さんと八十田さんを見たくてきた人がどれくらいいるんだろう、と思う。
 とりあえず、私がいるので、両方とも一人は確保だ。

 カクスコは2002年に開催しているので、このブログを始める前のことだ。
 「年中無休!」は見た記憶があるけれど、いつ見たのかははっきりとしない。カクスコでも何回か上演されているようで、トップスで見たように覚えているから、恐らく1992年の初演を見ているのだと思う。
 メンバーが6人いて、中村さんがギターを弾き、井之上さんがそのへんのガラクタを叩き、6人全員でぎゅっと詰まった空間で歌を歌っていたことを覚えている。
 それしか覚えていないともいう。

 そんな訳でストーリーは覚えていなかったし、古道具屋が舞台であることも忘れ果てていた。
 脚色が入っているから、多分、構成とか登場人物達の人間関係とか、かなり変わっているのだと思う。それに、カクスコの時代にダンスシーンがなかったことだけは確かだ。
 ストーリーとはいっても、「古道具屋を営む男6人の日常」を描いたオムニバス形式なので、これといった事件が起こる訳ではない。ストーリーを見せる芝居ではなく、登場人物達の関係性を見せる芝居である。
多分、どんなことが起こったのかとか、場所がどこだとか、そういうことはどうでもいいのだと思う。

 カクスコの芝居を見ているときには、役者としてのカクスコの面々と、舞台上の登場人物達とがその人間関係も含めてオーバーラップしていたけれど、このお芝居ではどうだったんだろう。
 ふぉーゆーの普段の人柄を生かした配役や設定だったのか、それとも全く違っていたのか、その辺りは見当もつなかい。
 何にせよ、彼ら4人がかなり「可愛らしく」見えたから、成功だったんだと思う。
 アカペラの歌唱で音程が若干不安定だったように聴こえたのはご愛敬だ。

 大高さんのギターは色々な舞台で見ていたし、歌うところも聴いていたし、今回ももちろん文句なしの安定感である。
 八十田さんの歌を聴いたのは初めてかも知れない。低音を響かせていたのでちょっと驚いた。格好いい。バケツを並べてのドラムも見事だった。井之上さんを思い出す。

 ピタゴラスイッチもどきで幕を開け、店の裏手で細長いテーブルを持ち出してカウンターに見立てた「エア居酒屋」や、昔取った杵柄の「柔道」「ボクシング」「ボーイスカウト」をお互いに見せ合うシーン、どーでも良さそうなことで喧嘩を始めたり、プロジェクションマッピングで魚を泳がしたり捕まえたりしてみたり、各シーンはそれぞれ工夫が凝らされていてバラエティに富んでいる。
 そして、最後は、ひたすらマイムで「重い鉄骨」を持ち上げて運ぶ、運び去って幕である。

 楽しかった。
 そして、カクスコは偉大だったし、一つの世界だったし、あのぎゅっと詰まっているのに緩い感じをもう見られないのが本当に残念だと思った。

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コメント

 みずえ様、コメントありがとうございます。

 みずえさんもカクスコの舞台をご覧になっているんですね。
 劇場にそういう年代の観客が本当に少なかったので、同好の士がいらっしゃって嬉しいです。
 そして、哀しくなってしまうだろうなというお気持ちも判るような気がします。

 おっしゃるとおり、何というか、ダメっぽさが全然違いましたね(笑)。
 カクスコの場合、筋金入りって感じでしたもん。
 ダメなんだから、筋も金もない訳ですが。

 またどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

投稿: 姫林檎 | 2018.08.11 14:03

これのカクスコ版は観ました。
この舞台も、迷ったんですが、きっとカクスコをまた観たくなったり、井之上さんを思い出して哀しくなってしまう気がして、申し込みませんでした。
おそらく全然カラーが違う仕上がりだったのでしょうね。

カクスコの舞台は、内容はどれも大して違わないというか、男六人が共同生活的なことをしていて、小競り合いがあったり揉めたり仲直りしたりして、いつの間にかみんなで歌うことになっている、といった感じでしたよね。
それぞれの個性が出ていて、まるであてがきのようなセリフの応酬が、本当に楽しかった。
あんな劇団は、もう出ないんでしょうね。
そして再結成も不可能なんだと思うと、やはり寂しいです。

投稿: みずえ | 2018.08.06 13:58

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