「フェルメール展」に行く
2018年10月、上野の森美術館で2019年2月3日まで開催されているフェルメール展に行って来た。
ここしばらくフェルメールの絵が日本に来ていないなぁと思っていたら、一気に10作品である。
途中で1作品の入替(「赤い帽子の娘」が12月20日まで、「取り持ち女」が1月9日から)が予定されており、また、大阪にしか来ない作品(「恋文」)もあるので、今回見られたのは8作品である。
それにしても破格だ。
大混雑が予想されたからだと思うけれど、今回の上野の森美術館でのフェルメール展は運営に色々と工夫がされていた。
判りやすいところで、時間指定チケットの導入、絵画作品の隣に説明板を置くことはせずに全員に冊子を配付、希望者全員に無料の音声ガイド貸し出しなどである。
当日券はないのかなぁと思っていたら、販売されていた。ただ、私が行った時点ではすぐに入れるチケットは売り切れていて、少し後の時間を指定したチケットしかない模様だった。
また、時間指定チケットで指定されている時間は90分間で、その間だったらいつ入ってもOKである。見ていた感じでは、指定された時間の早いうち30分ほどの間だと待ち時間20分、30分を過ぎた頃から待ち時間が減り始め、1時間後だとほとんど待たずに入場可能という辺りのようだった。
私は13時からのチケットを持っていて、13時45分に行ったら10分待ちの表示だったけれど、もう少し早く入れたと思う。
入場して驚いたのは、その人の多さである。
時間指定チケットなのに!そして、入ってすぐのお部屋にはフェルメールはいないのに、絵の周りを三重四重となって人が連なっている。
まともに見ていったらフェルメールにたどり着く頃には私の体力は尽きていると思い、聖ルカ組合の会員たちを描いた絵と、「手紙を書く男」と「手紙を読む女」がセットになっている絵だけ見て(画家の名前もチェックしていない体たらくで申し訳ない限りだ)、フェルメール・ルームに直行した。
フェルメールの絵だけ8点を集めた部屋がある。
実は、こういう展示は珍しいような気がする。そして、確かにフェルメール自身だって、自分の絵だけが飾られた部屋というのは見たことがなかっただろうなと思う。
壁の色は紺である。フェルメールの絵のように、白い壁に飾ってある方が当時の絵の飾り方に近いんじゃないかしらと思う。実際に画家たちだって、白い壁に飾られるものと思って絵を描いたのではなかろうか。
横長の部屋の短辺の向かい合う壁に入って右側は「マルタとマリアの家のキリスト」があり、左側には「牛乳を注ぐ女」がある。
入口側の壁には絵は飾られておらず、入った正面に向かって右(「マルタとマリアの家のキリスト」に近い方から)、「ワイングラス」「リュートを調弦する女」「真珠の首飾りの女」「手紙を書く女」「手紙を書く婦人と召使い」「赤い帽子の娘」の順に並んでいる。
贅沢だなぁと思いつつ、このフェルメールの部屋で1時間ばかりうろうろした。
最初は、「マルタとマリアの家のキリスト」から順番に最前列でじりじりと進みながら見る。
これが実は意外とライトが反射して見にくかったりする。
そして、気のせいか、絵に向かって右側から見るよりも、左側から見た方が落ち着いて見えるように感じられた。理由はよく分からない。
その後は、人垣の後ろからもう一度順番に見て行った。
今回のフェルメール展では、通常よりも高い位置に絵が展示されているそうだ。人垣ができることを想定してのことらしい。
実際、私は身長が高いこともあって、少しじっとしていると絵の全体が人の頭などなどに隠れずに見える時間が割とすぐにやってくる感じだった。
やはり「牛乳を注ぐ女」は別格という感じだった。
鮮やかさが違う。
フェルメール・ルームでフェルメールを1時間余り堪能し、満足してフェルメール・ルームを後にした。
あと2作品を見に大阪にも行きたいものだと思っている。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント