「怪獣たちの宴」を見る
コント集団カジャラ 第4回公演「怪獣たちの宴」
作・演出 小林賢太郎
出演 なだぎ武/竹井亮介/小林健一
加藤啓/辻本耕志/小林賢太郎
観劇日 2019年4月6日(土曜日)午後6時開演
劇場 世田谷パブリックシアター
料金 7500円
上演時間 2時間
ロビーでは著作本などが販売されていた。
そういえば、パンフレットが販売されていたかどうかはチェックしそびれた。
ネタバレありの感想は以下に。
小林賢太郎テレビは何回か見たことがあり、ラーメンズのライブDVDを友人に見せてもらったことはある。
それくらいの予備知識で「コント集団カジャラ」の第4回公演を見に行った。
小林賢太郎のサイトを見てみると、「コント集団カジャラ」という特定のメンバーがいるのではなく、作演出を小林賢太郎が担当し、公演の都度、出演者を集めているようだ。
これだけの文章で「小林賢太郎」という名前が3回も出てくるくらい、この舞台は彼のものなんだと思う。
客席も、何というか「常連」の方が多いような印象を受ける。毎年見に来ていて(もしかすると、この公演も2回目や3回目だったりして)、舞台の雰囲気や劇場の空気を作る側に含まれている感じの観客が多いような印象だ。
初めて見に行った私からすると、少しばかり温度の違いを感じる。
もちろん、これまで画面でしか見たことのなかった「コント」を舞台で見る、生で見ることを私も楽しみにして出かけた訳だけれど、その「楽しみにしている」質が違うように思う。
それも理由の一つなのか、2階席から(少し遠い位置から)見ていたせいか、なかなか周りと同じ温度で笑ったりウケたりできなかった。
面白いと思っているのに何故?! と焦ったり、同じように笑えなくてすみませんと両隣の人に心の中で謝ったりしてしまった。
もう一つは、「どこまでが台本通りでどこからがアドリブなんだろう」という境目が今ひとつ判らなかったのも落ち着かなかった理由のような気がする。
これは「演劇は見るけどコントはほとんど見たことがない」私の慣れの問題だと思う。
出演者が笑ったりウケていたりすると「内輪受け」と思ってしまうので、それはこのコントを楽しむ邪魔になってしまっていたと思う。自分のことながら勿体ないことこの上ない。
コントを次々と演じていく感じで、コントとコントの間は照明を薄暗くしてセット転換も出演者達がこなし、その様子も見せてくれる。
正直にいうと、この場面転換が一番面白かった。
思わず吹き出すということではなく、流れている音楽に歩調が合っていたり、場面転換している人同士の動きが合っていたり、元々の衣装が黒ずくめな感じだったこともあり、いかにもスタイリッシュという感じがする。
黒子がいつつ、全員が黒子にもなる。格好いい。
「かごめかごめ」の替え歌を使って、ついでにその遊びはボールも使うらしく、その「地方色豊か」な様々なバージョンと統一ルールを決めるまでのあれこれ(割とよくあることだと思う)を見せるコントから始まり、(多分)怪獣たちの宴で「**ってことってあったよね」で始まる子供時代の思い出を次々と語って行く(そしてそこには常に怪獣の気配がある)コントで終わる。
全員参加で始まり、全員参加で終わる。衣装も多分同じだ。美しい。
私が一番面白いと思ったのは、多重人格をテーマとしたプレゼンテーションのコントだ。
プレゼンの稽古をしているところから始まって、「多重人格は物語の中の出来事でもなければ他人事でもない」というプレゼンの内容が、いつしかプレゼンテーター自身の問題となり、人格Bが実体化して動き回り、人格Aと入れ替わり、人格Bが駆逐されたところで人格Aが「という感じで」とコントロールを取り戻す。
身につまされ、そして可笑しい。
一つ気になったことといえば、プレゼンテーターが三面鏡に向かって己をチェックしながらリハーサルをしているという設定で、その三面鏡が3つの枠で現されている。
この枠が、2階席から見ていると、ちょうどプレゼンテーターの顔と重なる場面が多い。
気になる。
本当にちょうど枠と目が重なる位置に立っていることが多かったので(こちらが姿勢を変えれば済む話ではあるけれど)気になってしまった。これだけ気配りの行き届いた舞台なのに勿体ないと思う。
カジャラのコントは、多分、「考えさせる」コントなんだと思う。
「考える」ことが苦手かつダメな私には高度過ぎたのかも知れない。それはそれで、己が情けない。
何だか文句ばかり書いているような気がするけれど、なんだかんだ、2時間、ぎゅっと集中して楽しんだ。
次回公演のチケットが取れたら、ちょっとだけ勝手や雰囲気が判ったし、今度はもうちょっとリラックスして見られると思う。
終演後、これだけ多くのお客さんがアンケートを記入している様子を初めて見た。
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コメント
アンソニーさま、コメントありがとうございます。
実のところ、4月から職場が替わりまして、その替わった先の職場がとんでもなく、疲労困憊しております・・・。私としたことが、芝居を見に行く気力も失われがちです・・・。
そんなことはともかく、アンソニーさんもカジャラをご覧になったんですね。
そして、一緒に置いてけぼり感を感じてくださったとお聞きして安堵いたしました。
今思うと、あのときの劇場は本物の閉鎖空間だったのかなぁという気がいたします。
またどうぞ遊びにいらしてくださいませ。
投稿: 姫林檎 | 2019.04.19 18:51
姫林檎様、お久しぶりです!
お元気ですか?
私も観ました。カジャラ2から続けてみてます。そして姫林檎さんと全く同じ感想すぎて共感しまくりでした(笑)
いつも置いていかれてますが、今回は特にそう感じました。
なんなんでしょうね。
それとアンケートについても、毎回びっくりします。どちらかというと、みんな何書いてるか読んでみたいです(^^)
投稿: アンソニー | 2019.04.16 15:02