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2019.09.08

「FREE TIME, SHOW TIME『君の輝く夜に』」を見る

「FREE TIME, SHOW TIME『君の輝く夜に』」
作・演出 鈴木聡 
音楽 佐山雅弘
出演 稲垣吾郎/安寿ミラ/北村岳子/中島亜梨沙
演奏 佐山こうた(pf.) /高橋香織(vln.) /バカボン鈴木(b.)
    三好“3吉”功郎(g.) /仙波清彦(perc.)
観劇日 2019年9月7日(土曜日)午後6時開演
劇場 日本青年館ホール
上演時間 2時間
料金 10000円

 パンフレットやグッズの販売には長い列が出来ていた。

 ネタバレありの感想は以下に。

 「FREE TIME, SHOW TIME『君の輝く夜に』」の公式Webサイトはこちら。

 白と黒のチェックの床からして、アメリカっぽい感じのダイナーが舞台である。
 海沿いにあって、部屋が3室あってホテルも兼ねているらしい。
 普段はトラックの運転手達のたまり場っぽくなっているようだ。
 北村岳子演じるライザがその女主人で、そこに稲垣吾郎演じるジョージがやってくる。

 ちなみに、舞台は日本だし、登場人物は日本人である。
 ジョージは、「10年後にこの店で会う」と約束した昔の恋人に会うためにやってきたらしい。そういうことを聞き出す力は、流石「中高年(本人弁)」の力である。
 中島亜梨沙演じるダイナーに1週間も泊まっているニーナ、安寿ミラ演じるふらりと立ち寄ったらしい女社長のビビアン(繰り返すけれど、登場人物は全員日本人である)が揃い、ジョージとビビアンも泊まることになる。

 当然のことながら、日暮れまでずっと待ち続けてもジョージの待ち人は現れず、それなら楽しくやけ酒を飲みましょう! というところまでが一幕だ。
 「謎が謎を呼ぶ」という惹句だけれど、謎が謎を呼ぶというよりは、登場人物たちそれぞれが謎(というか秘密だったり事情だったり)を抱えている、という感じだ。

 ジョージの「10年前の約束」は本当なのか、ライザにかかってくる電話の相手は誰でどんな話をしているのか、若くて可愛い女の子であるニーナがどうしてこんな宿に1週間も逗留しているのか、やっぱりこんな宿は似合わない感じのビビアンは何故「泊まる」なんて酔狂なことを言い出したのか、といった辺りが舞台上に並べられた「謎」である。

 ビビアンの貫禄、ジョージのチャラさ、ライザの海千山千の雰囲気にニーナの元気いっぱいさと、それぞれ、登場人物と演じている役者さんたちが上手くオーバーラップされていて「適役」という感じがする。
 こういう配役の舞台には安心感というか、安定感があると思う。

 一幕の後にショータイムが入り、そこではいわゆるスタンダードナンバーが歌って踊られる。
 4人とも真っ白な衣装で、タップも入ったりして、かなり華やかだ。
 舞台上には生バンドが入っているし、(私はよく判らないけれども)そのバンドメンバーも贅沢な面々なのだと思う。
 ショータイムだけじゃ勿体ないし、一幕と二幕の中でも歌って踊るシーンはふんだんに盛り込まれている。

 この「歌」のシーンで、私の席が2階席だったからか、とにかく歌詞が聴き取りづらい。初めて聴く曲だし私の耳には全く信用がおけないところだけれど、稲垣吾郎の高音がときどき不安定だったようにも思う。
 もしかすると、今、物語のカギを握る重要なことが歌詞で語られたのかも知れないと思うのは、結構ストレスだ。

 日本青年館ホールに行ったのはもの凄く久しぶりで(10年とかそれくらいの間隔で行っていないと思う)、記憶にあったよりもずっと綺麗になっていた。私が行かなかったどこかで改装か改築かをしているのだと思う。
 最初にたどり着いたときには、そこかどうか自信がなかったくらいだ。

 1200人収容のホールだし、2階席は結構な高さだと感じたし、舞台が遠いのは仕方がない。
 やはり「遠くのどこかで、こちらとは関係なく起きている出来事」という感じがかなり強くした。もう少し2階席のことを思い出してください、と上演中にちょっと思ったりもした。

 二幕目は「種明かし」の時間である。
 ビビアンが実はジョージの昔の恋人に頼まれて様子を探りに来ていたのだと明かされ、酔っ払ったせいなのかニーナはこれまで3人の男に合計1000万円を貢いで借金を抱えているのだと涙ながらにジョージに語り、ライザのところにはトラック運転手の恋人から「やっぱり戻る」と電話がかかってくる。

 ビビアンとジョージは「どちらがより”彼女”のことを理解しているか」で争っていたけれど、結局、ジョージは「ありのままを伝えて欲しい」とビビアンに頼み、ついでに「東京で食事をしよう」と誘って断られる。
 ニーナは借金返済のために働くのだと意気揚々と出発し、ライザも恋人を迎えに出て、ダイナーにはジョージが一人残される。
 一人スポットを浴び、ふっと舞台が真っ暗になる。

 カーテンコールがあり、稲垣吾郎が一人出てきて感謝の言葉を述べるくだりあり、2時間ちょっとの舞台の幕が閉じた。
 もう少しこじんまりと気軽に楽しめる感じになるともっといいのになと思った。

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