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2019.12.07

「劇団朱雀 復活公演」を見る

「劇団朱雀 復活公演」
総合プロデュース・演出 早乙女太一
脚本 中島かずき/横内謙介/中屋敷法仁/早乙女太一
出演 早乙女太一/早乙女友貴/富岡晃一郎/久保田創
    安田桃太郎/小川智之/岩崎祐也/藤原儀輝
    関根アヤノ/高畠麻奈/重咲なお/鈴花あゆみ
    鈴花奈々/千葉さなえ/蓮城まこと/葵陽之介
    木村了 ほか
観劇日 2019年12月6日(金曜日)午後6時30分開演
劇場 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
上演時間 3時間(15分、15分くらい?の休憩あり)
料金 6500円

 なるほど、これが大衆演劇か、と思った。
 グッズの販売に力が入っていて、ロビーではもちろん、幕間に座長自ら出てきてグッズ販売を行っていた。

 ネタバレありの感想は以下に。

 「劇団朱雀 復活公演」の公式Webサイトはこちら。

 一幕は、女形の舞踊ショーと銘打って、着物を着て日舞の舞台(でも、時々音楽はJ-POP)が披露される。
 初っぱなが花魁道中であるところがそれっぽい。
 いわゆる「大衆演劇」を私は見たことがなくて、私の持つ大衆演劇のイメージは「化粧」に尽きるのだけれど、イメージとしてはその通り、という感じがする。
 何というか、伝統芸能的な大衆演劇、という感じがした。

 女優さんも踊っていたので余計に「女形」が踊るということの異様さが際立つ。
 その異様さは綺麗さに迫力にも色気にも通じているから凄い。
 打ち掛けっぽいものを羽織るのは、踊りを綺麗に見せるためということもあり、姿を美しく見せるためということもあるんだなと思った。端的にいうと「着痩せ」する。

 一幕は「艶」の世界といっていいと思う。
 指先や打ち掛けの動きにまで気を配り、どこまでも「艶」を追及しているという感じがする。
 ここで、ファンを「キャー!!」といわせてなんぼ、というところなのだと思う。

 二幕のお芝居が3作品用意され、どの作品が上演されるかは劇場に来てのお楽しみ、という上演形態からしても、何度も足を運ぶリピーターに支えられている世界なのだなと思う。
 3作品全部を見るために、何度も足を運ぶお客さんがいるに違いない。

 一幕で休憩があり、休憩明けに「本日の演目は、遠州森の石松〜」とアナウンスが入って「キャー!!」という声が上がったときに特にそう思った。
 何故ここで歓声? と思ったら、恐らくは遠州森の石松の作が座長の早乙女太一だったからだと思われる。
 「待ってました」というお客さんがいらっしゃったのだろう。

 その「遠州森の石松」は、「馬鹿は死ななきゃ治らない」というサブタイトルが付いていて、森の石松の最期を描いた芝居だった。
 清水次郎長とか名前は知っているけれど、実態とか伝説とかどういう人だったのかよく知らない。
 森の石松は「しらふの時は大人しいが、酒を飲むと一転して暴れん坊」で「清水次郎長親分に心底惚れている」という人物に描かれている。

 早乙女太一は、劇団新感線の舞台でしか見たことがなくて、そこではひたすらに「艶」で「シリアス」な役柄を演じていたから、この森の石松のように大人しい感じ、ちゃらけた感じ、気弱そうな感じを見るのは初めてで、かなり新鮮だった。
 随分と可愛らしく演じていて、一幕の舞踊とのギャップも大きい。
 「化粧」の世界そのままに義理人情の世界を体現して、見事な殺陣の見せ場もあって、てっきりハッピーエンドだと思っていたら死んじゃって終わりだったのにはびっくりしたけど、様式美ありアドリブありで楽しかった。

 ここで物販が入り、三幕は出演者全員登場の舞踊ショーである。
 こちらは一幕とは違って、「若い」というか「今っぽい」。踊りや舞踊というより「ダンス」というイメージだ。
 いきなり客席がオールスタンディングになって、一緒になって踊ったり舞台上と掛け合いを始めたりしたので驚いた。やっぱり、常連さんがたくさんいらしてお約束の世界に放り込まれる感じだ。
 一幕と三幕の舞踊ショーでも、何曲か日替わりで変えているという。

 トータル3時間、芝居を変え曲を変えているから「最大3時間」という上演時間情報になるんだなと納得した。
 この一幕と三幕のバランスを上手く取って行くことが、大衆演劇が生き残って行くかどうかを左右するのかしらと思う。三幕では持参のペンライトを振るお客さんもいらして、がっちり固定ファンを掴んでいる感じがする。
 「記念に持って帰って」とティッシュを客席に投げ込んだり、チェキでの写真撮影があったり(事前の抽選のようだ)、座長と握手できる物販に長蛇の列が出来たり、少しばかりびっくりしつつ、色々と堪能できて楽しかった。

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コメント

 アンソニー様、お久しぶりです&コメントありがとうございます。

 ホント、今年もあと少しですね。
 仕事がギチギチに詰まっていて、むしろもう少し12月が伸びてもらいたいと思っているところです。

 それはさておき、復活公演、盛りだくさんでしたね〜。だいぶ楽しんで来ました。
 客席の女性率が常にも増して高かったように思います。それもむべなるかなという美しさと格好良さでした。

 中島かずきさんの作品をご覧になったのですね。それは羨ましい。
 私も「3作品を全て見るまで通い詰めてやる!」というところまでは辿り着けそうにないので、また次の機会を待ちたいと思います。

 またどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

投稿: 姫林檎 | 2019.12.09 23:23

お久しぶりです、姫林檎様
お元気ですか?
気づけば今年もあと少しですね。

私も先日観てきました!
花魁の美しさに圧倒され、兄弟殺陣の
速さに目を奪われっぱなし。
扇子さばきも見事で、歌謡ショーなど
盛り沢山な内容、とても堪能しました。

私の時は中島かずきさんの作品で
随所に笑いがありとても楽しかったです。
ほんと三作観てみたいですが
どうしても時間がなく残念な感じです。
でも少し別の話の内容がここで読めて
良かったです(^-^)

投稿: アンソニー | 2019.12.09 10:39

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