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「ジパングパンク 五右衛門ロックⅢ」
作 中島かずき
演出 井上ひでのり
作詞 森雪之丞
出演 古田新太/三浦春馬/蒼井優/浦井健治
高橋由美子/橋本じゅん/高田笙子
粟根まこと/村井國夫/麿赤兒 ほか
2013年収録
えいやっと一気に購入した「五右衛門ロック」のシリーズ3本の最後の1本である。
まだそれぞれのコメンタリー編や特典映像は見ていないので、これからもしばらくは楽しめそうだ。
また、シリーズとしては轟天とのコラボともいうべき1本があるけれど、あれは「祭」がメインなので、ここでは置いておく。
7年前に劇場で見たときも思ったとおり、やはり三浦春馬さんが格好いい。
歌って踊れて殺陣もできて見得も切れる。大活躍である。
もう映像でしか拝見できないと思うと寂しい。
ご冥福をお祈り申し上げます。
7年前に劇場で見ていて、感想をここに書いている。
そのさらに3年前に見ている「薔薇とサムライ」は割とストーリーも覚えていたにも関わらず、「ジパングパンク」の方はすっかり展開を忘れ果てていて、我ながら愕然とした。
お陰でもの凄く新鮮な気持ちでDVDを見た。
ダメダメな私の記憶力万歳である。
五右衛門ロックのシリーズ3本を短期間で見て、舞台での映像の使い方がどんどん進化しているなぁという感想を持った。
この後、さらにIHIの髑髏城の七人などを見たらさらに傲然とすると思う。
そしてジパングパンクでは、さらに、DVDとしての編集も凝っているように思う。特に舞台上で使った映像とDVD編集で差し込んだ映像と両方使っているところが手が込んでいると思う。
舞台上での映像の多用は、新感線に限らず、最近の舞台のもはや「流行」ではなく「常識」にすら感じられる。
時は戦国時代の終焉間近、津雲寺に伝わる弘法大師空海が中国から持ち帰ったと言われる「黄金」を目指して、五右衛門一家に、同じく泥棒稼業の猫の目お銀、「薔薇とサムライ」で大暴れしたマローネご一行までが集結し、マローネの悪事を止めるべくアンヌ女王が派遣したシャルル王太子も来日しているし、そこに五右衛門を捕縛すべく登場した明智心九郎も絡んで大騒動、全てを知っているかのように怪しく振る舞う津雲寺の春来尼もいる。
さらには、実は心九郎は父親の仇討ちを企てている明智光秀の忘れ形見で、その目的のために堺の大商人やマローネ達と手を結んで豊臣秀吉に対抗しようというのだから、よくここまで絡めたものである。
豊臣秀吉の朝鮮出兵を「愚策」とみて、それを「天下統一後に目的を見失った天下人秀吉の”遊び”」と看破する五右衛門はもちろんのこと、その秀吉に「最後の最後まで付き合う」と宣言する石田三成も前田利家も逆方向から格好いい。
この辺りの史実との絡め方が、中島かずきの真骨頂という感じがする。
歌と踊りもたっぷり、殺陣もお腹いっぱい、謎が謎を呼ぶ展開も楽しいし、その謎や思惑やあれやこれやの伏線を鮮やかに回収し、五右衛門が海に出て行くところもお約束でありつつカタルシスがある。
心九郎が晴れやかに笑って五右衛門とともに西洋目指して出航するラストシーンもいい。
183分を堪能した。
また見よう。
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