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「ふたり」
原作 赤川次郎
監督 大林宣彦
出演 石田ひかり/中嶋朋子/尾美としのり/芝山智加
中江有里/島崎和歌子/吉行和子/竹中直人
ベンガル/増田惠子/岸部一徳/富司純子
日本映画
1991年製作
小説を読んだら映画も見たくなってしまい、DVDで「ふたり」を見た。
懐かしい。
そして、1991年当時、この映像は相当に新しいものだったんじゃないかしら、と思う。
石田ひかりと中嶋朋子のアップ連発で、何とも贅沢な感じだ。
小説は時系列で語られている一方、映画は姉を事故で亡くした実加の様子から描かれている。
姉の千鶴子が好きだった大学生と、実加の恋の相手を同一人物にしたところも違っている。映画では、その分、千鶴子の感情の揺れがより繊細になっていたように思う。
ピアノの先生の家に行く途中、男に首を絞められて殺されそうになったところに千鶴子が救いの手を差し伸べる。
それから、幽霊である千鶴子は実加のよき導き手であり話し相手であり相変わらず姉であり続ける。
姉と一緒に過ごす実加の成長物語である。
もっとも、今回見返してみて、幽霊であるところの千鶴子の感情がこんなにも細やかに描かれていたことにびっくりした。
そりゃ複雑だよねとかそりゃ哀しいよねとか、幽霊って哀しいよねとか。
中嶋朋子の表情の演技が秀逸だと思う。
「尾美としのりがこんな”格好いい”役をやっているよ」とか、「岸部一徳が若いよ」とか、「竹中直人だってエンドロールまで気がつかなかったよ」とか、富司純子が変わらなさすぎるよ」とか、色々な感想が浮かぶ。
感想と言うよりも、野次馬だ。
石田ひかりがほんわかした女の子を気持ち良く演じていて、可愛かったなぁと改めて思う。
何度も繰り返される、実加言うところの「お姉ちゃんのテーマソング」である「草の想い」を最後に大林監督が歌っているのもいい感じだ。
しばらく、ついつい口ずさんだ。久石譲、流石だよと想う。
思っていたよりも長い2時間半、贅沢な映画を贅沢に楽しんだ。
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