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2021.06.27

「マトリョーシカ」のDVDを見る

「マトリョーシカ」
作・演出 三谷幸喜
出演 松本幸四郎/市川染五郎/松本紀保
2002年収録

 若い。
 松本幸四郎(現・松本白鸚)も、市川染五郎(現・松本幸四郎)も若い。
 松本紀保は最近見ていないけれど、女性の方が「いつまでも若い」「若い頃と変わらない」という感じを受ける人が多いと思う。
 もう20年くらい前の作品だ。若くて当たり前である。

 ワンシチュエーションでどんでん返しの連続である。
 舞台も見ていて、もちろんストーリーも覚えていて、でも楽しい。面白い。可笑しい。
 松本幸四郎がチャーミングである。

 ベテラン俳優が新進の俳優に対し、私的オーディションを行っている。
 彼が長年演じてきた役を演じられる後継者を探しているらしい。
 彼のキャスティング権がある訳ではないけれど、キャスティングに彼の意見が尊重されることもまた確かである。

 さて、ベテラン俳優はどうやって、新進俳優の「資質」をみようというのか。
 オーディションを行っている劇場の隣にある花屋の店員はどんな役割を果たすのか。
 新進俳優は果たして役を掴むことができるのか。

 タイトルの「マトリョーシカ」の通り、何重にも入れ子の構造になっていて、それを活かしたり見せたりするために、あちこちで小技を効かせている。DVDではその「小技」をアップにして見せてくれてしまうところが勿体ない。
 ここは全部引きで見て自分で見つけてくすっとしたかったなぁと思う。

 自分大好きだけれど自分よりも芝居が好きそうなベテラン俳優と、まだまだ若いでもその若さで何ごとにも正面からぶつかって行く新進俳優と、様々な「鋭さ」を朴訥さの中に上手に隠し持った若い女と、誰が一番の「くせ者」なのか。
 役者がいて、その場が劇場だからできる「仕掛け」がてんこ盛りで、どこまでも客席を引っ張って行く。
 これだよ! と思う。

 シアターナインス、また上演してくれないかなぁと改めて思った。

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