「LOVE LETTERS ラヴ・レターズ」を見る
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「LOVE LETTERS ラヴ・レターズ」
作 A.R.ガーニー
訳 青井陽治
演出 藤田俊太郎
出演 山中崇/小林聡美
観劇日 2023年1月12日(木曜日)午後3時開演
劇場 パルコ劇場
上演時間 2時間5分(15分の休憩あり)
料金 7700円
ほぼ3年ぶりの「LOVE LETTERS ラヴ・レターズ」を見た。
これまで見たカップルは、「長野里美 上杉祥三」「中嶋朋子 佐々木蔵之介」「大竹しのぶ 松尾スズキ」「永作博美 ユースケ・サンタマリア」「大竹しのぶ 松重豊」の4組である。
劇場入口が「志の輔落語」になっていて、本当に入っていいのか、だいぶ戸惑った。
ネタバレありの感想は以下に。
山中崇は上着はなしで白のベスト、小林聡美は黒い別珍っぽいワンピースに白い襟、白いタイツにストラップのついた黒の(多分)エナメルの靴という姿で登場した。
二人の男女の手紙のやりとりをひたすら朗読するこの舞台では、二人は前を向いた椅子に座り、間にはお水が乗ったテーブルがあるのみ、「動き」はほとんどないというよりもできない。
「声」が最大の武器である。
山中崇の声は改めて集中して聞いたように思う。いい声である。
小林聡美も滑舌がいいし、二人とも、時々噛むこともありつつ、「安定」という感じだ。
小林聡美は小さな女の子を演じているときから淡々と、山中崇の方は芝居っ気たっぷりに読み進めて行く。
女性の「はい、はい、いいえ、はい」(だったと思う)という台詞がある意味「見せ場」だと思う。小林聡美はここも淡々と、「別に笑いも狙っていません」という感じで読んでいた。
間に20分(だったと思うけど15分だったかも知れない)の休憩があり、後半は「大人のアンディとメリッサ」の手紙のやりとりが続く。
大人になったためか、山中崇は黒っぽい色のスーツになり、小林聡美は恐らくワンピースは同じで襟を付け替え、靴は同じでタイツを白から黒に変えていた。
衣装も多分、役者さん達が決めているか、役者さん達の意見が大きく反映されているのではないかと思う。素敵だ。
大人になってからも、ひたすら生真面目なアンディと、奔放なメリッサという役回りは変わらない。
小林聡美が元々持っているイメージは「奔放」ではないと思うし、特に奔放さを演じようとはしていないように思うのに、メリッサっぽさが出ているところが不思議である。
幼なじみという設定の二人なので役の年齢はほぼ一緒の筈だ。出演のお二人は小林聡美の方が10歳以上年上だと思うけれど、そういった違和感を感じさせないところも凄いし、ありだと思う。
ずっとアンディとメリッサがそれぞれ書いた手紙を読み合って舞台は進む。
どちらかが怒ったり拗ねたりすると手紙の返事を書かなかったりして、「私の手紙は届いていますか?」という手紙が時々挟まれる。それでも往復書簡が途切れなかったところが、やはり、アンディとメリッサの関係のポイントだ。
最後の1通は、メリッサが亡くなったことを悼む、アンディがメリッサの母親に当てた手紙である。
ここで初めて、小林聡美演じるメリッサが、椅子の上で姿勢を直し、アンディの方を向く。
亡くなって初めて、というところが切ない。
ずっと、2脚の椅子とテーブルを四角く照らすだけだった照明が落とされて行き、手紙の読了とともに暗くなって幕である。
最後は二人並んで礼をし、腕を組んで退場して行くのは定番だったろうか。
腕を差し出された女優さんたちが少し恥ずかしそうに組むところがいいなぁと毎回感じているように思う。
次の機会、次のカップルも楽しみである。
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