「長い長い恋の物語」を見る
玉造小劇店配給芝居 Vol.32 「長い長い恋の物語」
作・演出・出演 わかぎゑふ
出演 コング桑田/野田晋市/うえだひろし
長橋遼也/松井千尋/吉實祥汰
澤田紗菜/みやなおこ/美津乃あわ
笑福亭銀瓶/みょんふぁ(SORIFA)/カン・ソンヒョ
観劇日 2023年2月18日(土曜日)午後2時開演
劇場 ザ・スズナリ
上演時間 2時間
料金 4500円
ロビーではパンフレットやDVDなどが販売されていた。
ネタバレありの感想は以下に。
昭和の初め頃に、先に来日していた兄を頼って韓国から日本にやってきたパク・ソジンが、兄に土木会社に放り込まれ、進学する筈だった大学を諦めてそのまま働き続けることになる。
周りから殴る蹴るの暴力を受けた傷を社長令嬢の桜子に手当てされ、恋をし、しかし社長によって一人娘の桜子は遠方に嫁がされるというところから始まる、「長い長い恋の物語」だった。
ソジンの受ける仕打ちがあまりにも理不尽で、最初は観ているのも辛かったし、今ここで感想を書くのも辛い。辛いというか、難しい。
何を書いていいか分からない。
桜子が「今のままでは何も変わらない」と理不尽と戦うことを求め、ソジンが「変わるべきなのは日本人だ」と言い切る。どちらも正しいけれど、両方を通すことは難しいことは分かる。
やっぱり感想を書くのは難しい。自分が無知すぎてどう書いていいのか分からない。
でも、芝居を見ている間中、1ヶ月ぶりの観劇が嬉しく、やっぱり劇場っていいなぁ、芝居っていいなぁと思っていた。
目の前にいる人たちで作り上げられる、目の前にはない世界を、見ることができ、感じることができ、考えることができる。
有り難くも嬉しい。
「長い長い恋の物語」で、ソジンと桜子は、4回(5回か?)しか出会わない。
社長令嬢と社員として何回か、再会は同級生の娘たちの親としてだった。そこでもやはり「戦う」ことを語っている。桜子が「変わったのね」と言うのに対し、ソジンが「娘を多勢に無勢で戦わせられない」「戦い方を変えたと思っている」と答える。
社長(当時は会長になっている)の葬儀で、ソジンが会長から託されていた、桜子の娘である孫の名義に書き換えられた財産を渡す。
最後は、それぞれが老境に入り、入院先の病院で出会う。ここで、桜子が傷の手当に使ったハンカチが、ソジンから桜子に返される。
「長い長い恋の物語」がここで完結する。
「長い長い恋の物語」でもあり、二人の長い長い人生の生き方みたいなものを綴った物語でもあり、彼らを取り巻く人々の戦いの物語でもある。
見て良かった。
作・演出のわかぎゑふにも、出演した役者さんたちにも、舞台を作り上げたスタッフのみなさんにも、御礼を言いたい気持ちになった。
カーテンコールで写真撮影タイムがあった。スマホではなくiPadをかざして写真を撮る勇気がなかった(ついでに書くとバッグから取り出したりする余裕がなかった)のをちょっと残念に思っている。
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