「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」に行く
2025年2月、東京都庭園美術館で2024年11月30日から2025年2月16日まで開催されている「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」に行って来た。
お二方ともこれまで全く存じ上げなくて申し訳ない。友人に紹介いただき、チケットを譲っていただいて、行くことができた。有り難い。
門から庭園美術館の建物に向かって歩いている途中、見終わったらしい小学生くらいの女の子とお母さんのお二人とすれ違ったとき、「綺麗だったね〜」と言い合っていらして、これは楽しみだ、と思った。
フライヤーによると「本展は、現代美術の第一線で活躍を続ける二人の作家、青木野枝と三嶋りつ惠が、当館の各所に作品を配置し、新たな視点でアール・デコの装飾空間を照らし出す企画です。」ということだった。
旧朝香宮邸という立地と建物、内装を活かし切った企画である。
元々、旧朝香宮邸には、ルネ・ラリックの作品が玄関に飾られていたり、各部屋の暖炉や照明などに鉄が使われていたりする。
主に鉄で作品製作をする青木野枝氏と、無色透明のベネチアングラスの作品を製作する三島りつ惠氏のお二方の美術展を開催するに最適の場所なんじゃないかとさえ思った。
実際、東京都庭園美術館ならでは、東京都庭園美術館だからこその作品、展示で、この場所を含めての作品だったと思う。
とにかく、素敵だ。
「鉄は透明な金属」というのはよく分からないけれど、鉄の黒さとそこに嵌められた赤いガラスの組み合わせが素敵である。
「可愛い!」と声が上がっている一角があって何だろうと思って覗いたら、浴室に鉄と石鹸で製作された作品が展示されており、本当に可愛らしい設えになっていた。
お二人のインタビューや製作風景の動画も上映されており、興味深い。
また、「製作ノート」や、完成した作品をご自身がスケッチしたものなども展示されていて、「この向きが正面だったのね!」等と思って楽しく見た。
新館の庭園への扉には「作品を探してみましょう」といった内容の貼り紙があり、「いや、こんな広いところで見つからないでしょ」と思って見回したら、3人くらいの方が木を見上げていて、私にも見つけることができた。
お庭に誰もいなかったら見つけられなかったと思う。
曇り空になっていたのが惜しい。
美しく華やかで静謐な美術展であり、空間だった。
行く機会(チケットも)をくれた友人に大感謝である。
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