「昭和から騒ぎ」を見る
シス・カンパニー公演 「昭和から騒ぎ」
原作 ウィリアム・シェイクスピア
翻案・演出 三谷幸喜
出演 大泉洋/宮沢りえ/竜星涼/松本穂香
松島庄汰/峯村リエ/高橋克実/山崎一
観劇日 2025年6月14日(土曜日)午後1時開演
劇場 世田谷パブリックシアター
料金 9000円
上演時間 1時間45分
感想を書く気力が不足しているので、簡単かつネタバレありの感想を以下に。
シェイクスピアの「から騒ぎ」は見たことがある。
と思ってこのブログを検索したところ、2008年に蜷川幸雄演出の「から騒ぎ」を見たっきりだった。もう何回か見たことがあってもいいんじゃないかと思う。
傑作とは言わないまでも「良作」というイメージのある「から騒ぎ」なのに、意外と日本での上演は少ないんだろうか。
20年近く前に見た芝居のあらすじはすっかり忘れていて、もちろん「どこをどう"昭和"に翻案したのかしら」などとは全く思わずに見ていた。
旅の一座が鎌倉に来て、大学教授の家で歓迎の宴が開かれる、という設定は、さてどのくらいシェイクスピアのままなんだろうと思う。そもそも、シェイクスピアの「から騒ぎ」の舞台はどこなんだろう。
大泉洋と宮沢りえ、竜星涼と松本穂香という二組が、紆余曲折ありつつ、山崎一演じる駐在さんにかき回されつつ、松島庄汰演じる一座の後輩に悪意を持って邪魔されつつ、何とかまとまるまでのノンストップ一夜の物語である。
真夏の夜の夢っぽい。
そして場所の移動がなく時間が飛ばないシェイクスピア劇は割と珍しいのではなかろうか。
宮沢りえと松本穂香は姉妹役だったけれど、実年齢はいくつ違って、いくつ違う設定なんだろうと気になる。
とはいえ、演じる役者さんたちの実年齢がほぼほぼ気にならないし、どういう風にも見せられるし見えるのが舞台の特権である。
二人は姉妹だったし、大泉洋と宮沢りえ、竜星涼と松本穂香がちゃんとお似合いに見えているのだから、そこに「おぉ!」と思っていれば良いような気もする。
これはもう芸達者な方々の大げさといえば大げさな、速射砲みたいといえば速射砲みたいなやりとりを楽しんでなんぼ、というお芝居である。
あとは、「シェイクスピアなら許されるわざとらしさ」「シェイクスピアなら許されるご都合主義」との戦い、のような舞台だと思う。シェイクスピアが許されているのに、同じことをやってどうしてダメなのか、みたいな主張を感じた。
終演後のカーテンコールで大泉洋が「今日の舞台はグダグダだった」っぽいことを言っていて、9日に収録したという動画配信と見比べて欲しいと強力にお勧めしていた。
高橋克実がやらかして、竜星涼と松本穂香が素で笑いをこらえ切れていなかったのはもの凄く分かったけれど、他にもあったんだろうか。
あと、開演前と終演後のアナウンスが、聞いたことがあるような声だけど誰だっけ? と思っていたら、安住紳一郎だった。
そう思って聞いても分からなかった。
今さらながら、アナウンサーって声のプロ! と思った。
さすが三谷幸喜、流石エンターテイメント、なお芝居だった。
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コメント
みずえ様
コメントありがとうございます&返信遅くなりまして失礼いたしました。
みずえさんは「から騒ぎ」をお読みになったのですね・・・。
と言いますか、私はシェイクスピアを読んだことがありません・・・。
何なら、「戯曲」を読んだことがないかも・・・。あったっけ・・・。という体たらくでございます。お恥ずかしい。
大泉洋が可笑しかったですね。
やっぱり上手いわ、と思いました。
あと、松本穂香も割と好みのタイプでした(笑)。
そして、山崎一さんを拝見すると未だにNOVAのCMを思い出す私です。
またどうぞ遊びにいらしてくださいませ。
投稿: 姫林檎 | 2025.06.21 20:47
姫林檎様
私も観ました。
私はから騒ぎを観たことも読んだこともなく、チケットを取ってから、慌てて読みました。
シェイクスピア喜劇の王道の展開ですね。
確かに真夏の夜の夢に似ているかも。
とにかく大泉洋がはまり役でずっと笑いっぱなしでした。
原作からやや変えてましたが(そこまでの悪人はいませんでしたね)、それも良かったし、三谷っぽさもちゃんとありましたね。
楽しかったです。
そう、アナウンス!
私も名乗られるまで誰かわからず、安住紳一郎と聞いて、へえ!と思いました。
三谷の舞台は毎回アナウンスもすごい人がやっているので楽しみです。
投稿: みずえ | 2025.06.16 09:30