東京都交響楽団 第869回定期演奏会
指揮 アラン・ギルバート
チェロ ターニャ・テツラフ
ヴィオラ 鈴木学
曲目 R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》op.35
ビゼー:『カルメン』組曲より
(アラン・ギルバート・セレクション)
前奏曲(闘牛士)/第1幕への序奏
アラゴネーズ/間奏曲/ハバネラ/闘牛士の歌
密輸入者の行進/ジプシーの踊り
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
公演日 2018年12月18日(火曜日)午後2時開演
場所 東京芸術劇場コンサートホール
公演時間 1時間50分(20分の休憩あり)
コンサートを聴きに行ったのは本当に久しぶりだったらしい。
実はあまり音楽を聴くことがないので、知っている曲も少ない。
今回の曲目でいうと、カルメン組曲は知っていたけれど、あとの2曲はどちらも多分初めて聴いた曲だったと思う。
やっぱり知っている曲の方が楽しく聴けるけれど、演奏しているオーケストラとしてはやはりポピュラーな曲しか演奏しない(できない)というのは喜ばしいことではないんだろうなという気がした。
交響詩 ドン・キホーテは、チェロとヴィオラのソリストがいて、その掛け合いが楽しい。
しかしながら、ドン・キホーテというタイトルは知っているけれど、読んだこともなければ大まかなストーリーも知らないので、実は「ここがあのシーンを表しているんだな」というような感想も浮かばないのがかなり残念である。
ドン・キホーテといえば風車につり上げられるシーンが思い浮かぶけれど、曲を聴いているときはうっかり忘れていた。曲目解説を読んだら、やはりこのシーンをイメージした箇所があったみたいで、ちゃんと意識して聴きたかった! と思う。
今回のスパニッシュ・プログラムの中では、多分、一番スペインっぽくない曲調だったんじゃないかと思う。
カルメンは、とにかく指揮のアラン・ギルバートが楽しそうに振っていたのが楽しかった。
とにかく楽しそうに振っていて、釣られるようにしてオーケストラも楽しそうに演奏していたような気がする。指揮者もオーケストラも、うっかりスイングしちゃいそうな感じすらあった。
そして、聴いている私としても、唯一「知っている!」お馴染みのフレーズがこれでもかと続いた時間で、やっぱりこっちの方が楽しい! と思う。
恐らくは、組曲の中でも特にポピュラリティのある曲を選んでいたのだと思う。
終演後、ついつい口ずさんでしまったくらいだ。
最後のスペイン奇想曲も、それなら印象が薄かったのかというとそんなことはない。
こちらもスペイン風の舞曲・民謡・舞曲・民謡・舞曲という構成になっていて、初めて聴いたのに不思議と懐かしい、近しい感じがした。
私が「スペインっぽい」と思うのは、「哀愁漂う」曲調のときらしい。
この曲が楽しいのは、1曲目と3曲目の舞曲が同じ曲で、でも3曲目の方が半音高くなっていて、演奏する楽器の構成も異なっているというところだと思う。
私の耳では「1曲目と3曲目では半音違う」ということは判らないけれど、何となく3曲目の方が明るく軽い感じがした。
5曲目の舞曲が盛り上がり切って終わるのもいい感じである。
特に2曲目と3曲目のときに感じたのだけれど、アラン・ギルバートさんという指揮者は、演奏の始めにためというものがほとんどない。
スタスタと現れ、指揮台に立って客席に一礼し、振り向いてすぐタクトを振り始める、くらいのためのなさだ。
何となく、コンマスと目を合わせ、最初の一音を出す楽器奏者と目を合わせ、息を合わせて始めるという感じだと思っていたので、その素早い始まりに「おぉ!」と思った。
音楽もオーケストラもいいなぁと思った。
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