2024年の観劇は40本だった。
今年は「あまり芝居を見なかった1年だったな」という印象を持っていたので、昨年よりも5本も増えていたことが意外だった。
今年は体調不良もあって、チケットを取ったのに観に行くことができなかった芝居があった。申し訳ないし残念だし無念だ。
来年こそは健康を取り戻して集中して舞台を見たいと思う。
意外と迷わなかった「2024年の5本」は以下のとおりである。
私的に「王道」の5本になった。
「S高原から」@こまばアゴラ劇場 2024.4.19
これまで、2024年5月15日に閉館したアゴラ劇場で青年団のお芝居を見たことがなく、代表作のひとつとも言える「S高原から」が本場とも本拠地とも言えるこの劇場で上演されると知り、見に行った。
整理券が配布され、その順番で入場する自由席のお芝居を観たのは本当に久しぶりだ。そして、舞台がとてもとても近い。
静かな、そして舞台のあちらとこちらで会話が重なる、青年団らしいお芝居だったと思う。堪能した。
「虹のかけら~もうひとりのジュディ」@よみうりホール 2023.7.14
三谷幸喜作、戸田恵子の一人舞台である。ニューヨークではコンサートホールで上演されたそうで、ミュージカルと言うかどうかは少し迷う。
ジュディとは、ジュディ・ガーランドのことであり、彼女の付き人そして親友であり続けたジュディ・シルバーマンのことである。
という設定すら最後にひっくり返される、いかにも三谷幸喜らしいどんでん返しアリ、戸田恵子の突出した技術と魅力が光る舞台だった。
「朝日のような夕日をつれて2024」@紀伊國屋ホール 2024.8.17
大高さんと小須田さんの出演しない朝日なんて! と思っていたけれど、とんでもない。
出演者全員が30代、前回10年前の「朝日」から続投しているのは玉置玲央ただ一人という何もかもが新しい「朝日」は、やっぱり「朝日」だった。
最前列で観劇し、ウィスパーで舞台の幕が上がったときも、役者さんたちの飛び散る汗を見ているときも、「生」を存分に感じた。
「バサラオ」@明治座 2024.9.1
とにかくド派手で、外連味たっぷり。
久々の「いのうえ歌舞伎」だったと思う。生田斗真と中村倫也という組み合わせが、それぞれ本当に役に合っていて、これぞ当て書き、二人を始めとする出演者陣の得意技が炸裂していた。
楽しんだもの勝ちの舞台、がっつりどっぷり嵌まってきた。
「太鼓たたいて笛ふいて」@紀伊國屋サザンシアター 2024.11.23
井上ひさし作、こまつ座の、林芙美子の評伝劇の再演である。
林芙美子を演じた大竹しのぶと、戦後の林芙美子の鬼気迫る姿が重なった。
彼女たちの言う「物語」が、果たしてそのまま描いていいものなのか、そのストーリーを追うだけでいいものなのか、いいことなのか、常に顧みないといけないのだと役者さんたちの全身から、舞台全体から伝わって来た。
来年もまたいい舞台に出会えますように!
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