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2005.05.06

オーロラ(フィンランド)旅行記1日目

2005年3月9日(水曜日)

 友人とは成田空港で待ち合わせだ。
 JR成田駅で総武本線の快速エアポート成田に乗り換えるつもりだった。しかし、次の電車まで30分近く時間がある。後で友人からは「そういうことは荷物を持ってないときに試しなよ。」と言われてしまったけれど、京成成田駅まで歩いてみようと思い立ち、スーツケース(タテ50cmヨコ35cm)をごろごろと引きずって改札を出た。

 改札を出れば判るだろうと思い込んでいたけれど、JR成田駅前から京成成田駅は全く見えない。かつ、案内表示もほとんど出ていない。
 途方に暮れて案内地図を眺めていたら、タクシーに乗り込もうとしていた方から「成田空港までですか。ご一緒にどうですか。」と声をかけていただいた。少し迷ったけれど有り難く乗せていただく。
 ぽつぽつとお話ししたところ、お仕事でバンコクに行かれるそうで、頻繁に海外出張されているらしい。「成田駅からが成田空港までが不便なんですよね。」とおっしゃる。
 第二ターミナルビルまで連れて行っていただき、連絡バスがあるよと教えてもらう。また少し迷ったけれど、トランクからスーツケースを取り出すのも面倒で、そのままタクシーで第一ターミナルビルまで行ってもらった。

 9時55分集合のところをかなり早めに到着し、友人とも10分くらいで合流することができた。
 旅行会社のカウンターで搭乗券をもらい(事前に席のリクエストを出したら「チェックインの際に言ってください。」と言われたのに、実際はすでに搭乗券は発券済みだった)、フィンエアのカウンターでチェックインして荷物を預ける。

 時間的にかなり余裕があったので、ユーロに両替する。
 とりあえず目に付いた限りの銀行でチェックしたところ、1ユーロが142.90円(三井住友銀行)〜144.96円(忘れた)まで幅がある。2円以上も差があるとは思わなかった。レートの悪いところでもそこそこの行列ができているし、良いところはかなりの行列である。並ぶのもあまり気が進まない。
 結局、駅改札のフロアにあるATMのレートが1ユーロ142.90円だったので、そこで400ユーロ分をパックで購入した。

 卒業旅行のシーズンで出国審査も混んでいるという話を聞いていたので、早めに出国する。
 意外なことに、セキュリティも3人くらいしか並んでいなかったし、出国審査はがらがらで全く並ばずに済み、10時45分には指定されたゲートを確認できた。
 機内用にお茶のペットボトルを探したりしつつ(あまり種類がないことが判明、出国審査前に買っておく方がいいみたいだ)、11時15分の搭乗開始までにゲートに戻った。搭乗開始の合図としてカウンターにムーミンのぬいぐるみが置かれるのが可愛い。
 フィンエアAY0074便は、11時55分の定刻通りに離陸した。

 13時30分くらいに昼食が出た。選択の余地はないらしい。メニューもない。
 チキンカレー、サラダ、日本そば、コンビニおにぎり(鮭)、パン、キットカットという献立である。二人で「どうしてこんなに炭水化物ばっかりなの?」と顔を見合わせた。
 ヨーロッパ系の航空会社はアルコールが無料なので、白ワインをもらう。

 お腹がいっぱいになってアルコールも入れたのに、全く眠くならない。
 「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の12ヶ月」を見た。原作も読んでいないし、映画化第1作も見ていないけれど、かなり笑った。楽しい映画である。
 続いて「釣りバカ日誌」が始まった。友人は西田敏行が好きではないそうで睡眠態勢に突入している。何となく眺めていたら、時々英語字幕の訳がおかしいのが可笑しく、筧利夫が出演しているのも嬉しくて、かなり真剣に見入った。

 映画を観ている間に、トイレが1つ故障したらしい。「故障」ときっぱりと漢字で書かれた紙がドアに貼ってある。乗っている飛行機のトイレが故障するなんて事態に初めて遭遇した。

 夕食のメニューは、海鮮焼きそば、ロールパン、フルーツサラダだった。またもや選択の余地なしで炭水化物ばかりのメニューだ。
 「フィンエアの評判が良い」という噂はガセネタなんじゃないかと思ってしまう。少なくとも、機内食のメニューはどうかと思う。

 ヘルシンキのヴァンター空港に15時20分(以下、現地時間)の定刻通りに到着した。
 入国審査手前に「トランジットの人はこちらへ」の看板があった。まっすぐ行けば入国審査、右に行けば乗り継ぎのためのセキュリティチェックである。
 国内線に乗り継ぐにはどちらに行けばいいのか迷い、その場にいたフィンエアの日本人係員の方に尋ねると、「どちらでも同じですよ。今は入国審査の方が空いていますから、そちらにどうぞ。」という答えだった。
 教えてもらったとおり、入国審査に向かう。

 しかし、国際線でも国内線でもヴァンター空港で乗り継ぐ場合には、入国審査には向かわずに「乗り継ぎ」の表示に従ってセキュリティチェックを受けるのが正解だと思う。
 何故かと言えば、ヴァンター空港では国際線から国内線に乗り継ぐ場合、20分くらいは歩くことになる。その間も含めて、入国してしまうと時間を潰す場所がほとんどないのだ。
 試しに外に出てみてその寒さを味わったりするくらいしかやることがない。
 絵はがきと切手を買って友人に手紙を書いたりしたけれど、その絵はがきもバリエーションに乏しい。ただ、青い丸のマークがついた黄色いポストが可愛いデザインだった。

 夕方になるにつれてどんどん寒くなって来た。シャツとセーターとダウンのコートを重ね着しても震えてしまう。風邪のひきかけだったのかもしれない。
 しかも、あまりにもやることがないので、17時半過ぎにセキュリティチェックを受けて中に入ることにした。
 入ってしまえば、免税店、お土産物屋、カフェ等々があり、時間をつぶす場所に事欠かない。少しぶらぶらしてからProntというお店に入り、サーモンのクリームスープとライ麦パンのセットメニューを頼んだ。塩気が濃くてなかなか美味しい。

 19時40分に搭乗が始まった国内線は自由席だった。左側2席、右側3席の小さな飛行機だ。かなり最後の方に乗り込んで、何とか二つ並びの席を確保する。
 20時ちょうどに離陸だ。ダウンのコートを着ていても寒気が酷くて体調最悪だったので、チーズサンドの軽食もパスしてひたすら寝た。一応窓の外を覗いたりもしたけれど、ちょうど翼の上の席に座ったようで、ライトの点滅もまぶしく、オーロラが出ているかどうかはよく判らなかった。

 サーリセルカに近いイヴァロ空港ではタラップで降りた。いきなり22時近い時刻の外気は強烈に寒い。寒いというよりは痛い。
 空港ビルの外に待機していたサーリセルカ行きのバスにとっとと乗り込む。バスはかなり混雑している。立っている人をかきわけてドライバーのおじさんがチケットを集めてすぐに出発だ。
 サーリセルカまで30分くらい走っただろうか。
 ヘルシンキでは快晴だったけれど、こちらは雲がかなり厚いようで星は見えない。

 リエコンリンナ・ホテルで降りた10人くらいはみな日本人のようだ。
 フロントで名乗ると部屋のキーと滞在中の説明資料などが渡された。お部屋は、フィンランドらしいマリメッコのカーテンがかけられ、可愛いデザインだ。
 バルコニーがついていて、バルコニーに出て空を見上げたらわずかばかり星が見えた。
 機内食で出てきたおにぎりを食べて腹ごしらえをし、さらにシャツを2枚着込み、靴下にカイロを貼る。毛糸の帽子とマフラーをして花粉症用のマスクもつける。手袋は綿とナイロンの二重にする。
 カメラを三脚にセットしてフリース生地で即席に作ったカバーをかける。準備が整ったところでコタに向かった。

 教会の角を折れて少し入った左側にコタがある。しかし、その教会のライトアップの照明がまぶしくてしょうがない。こんなに明るくてオーロラが見られるのだろうか?
 コタでは数日前から来ているというカップルが、がんがん薪ストーブをたいていた。鉈でストーブ用の薪を次々と割っている。
 話を聞くと、昨日は空一面のオーロラが出現し、それが何時間も続いたそうだ。デジカメの写真を見せてもらったら、本当に大きく激しいオーロラが出ているのが判る。カーテン状に空一面に揺れている。緑の光りが多いようだけれど、赤い光りも見えている。羨ましい!

 ちなみにコタとは、薪ストーブが据え付けられているオーロラ観測小屋のことである。
 元々はラップランドの伝統的なテントのような造りの家のことをコタと呼ぶようだ。
 我々が行ったのはリエコンリンナ・ホテル宿泊者専用である。リエコンリンナ・ホテル内にあるNORDIC JAPAN社の手配を受けている旅行者専用、と言った方が正確かも知れない。窓はないので時々外に出て空を確かめる必要があるけれど、とりあえず火のそばで暖まりながらオーロラを待てる場所があるのはとても有り難い。

 コタを出たり入ったりしながら、空を見上げる。どんどん雲が厚くなってきているようだ。
 その雲の向こうで、光りが動いているのが見えた。オーロラだ! 白っぽい光りが雲の向こうで動いている。
 雲越しに動いているのが判るくらいだから、これで雲がなかったらかなり明るくて動きの激しいオーロラだったと思う。でも流石に雲の向こうでは、肉眼では何となく光りや動きを感じ取れても、カメラで捉えることは難しいだろう。
 同じ飛行機で来た女性二人組は、「今回は写真は諦めて、自分の目で見ようと思って来ました。」と言っていた。そこまで思い切れなかった私は、潔くて良いな、と思った。

 しばらく雲の向こうのオーロラを眺め、雲が切れることを願ったけれど、逆に僅かにあった雲の切れ間もふさがってしまったので、1時15分くらいに切り上げてホテルに戻った。

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