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2006.01.19

アイスランド旅行記7日目

2005年8月19日(金曜日)

 5時半に目が覚めた。カーテンを開けると、外は雲一つない晴天だ。
 アイスランドのホテルは、少なくとも私が泊まった範囲では遮光カーテンのみで、レースのカーテンはついていないことが多い。アクレリのホテルの部屋は中庭を挟んで反対側もお部屋だったので、カーテンを全開するにはちょっと勇気がいる。でも、カーテンを閉めると部屋は真っ暗になってしまう。

アクレリの街 地下1階のレストランは、時間になるまでエレベーターは停まらないし階段もない。
 少し早めにロビーに降りたので、外に出て散歩をした。コートを着ていないので寒く、本当にホテル周辺を少し歩いただけだ。でも、空気も清々しく、青空に海が光って気持ちよい。
 アクレリはフィヨルド沿いの街で、ホテルから1分も歩けば海なのに、潮の匂いがしない。
 ロビーにあったパソコンを触ってみたところ、インターネットもストレスのない早さだし、日本語表示も大丈夫だ。メールチェックをしたらDMと迷惑メールしか届いておらず、笑ってしまう。

 ホテルを8時に出発し、東海岸に入ってからずっと見え隠れしていたフィヨルドとも別れ、U字谷の底を進む。青空と緑の大地、山の上の方には雪も残り、のどかだ。羊がいたり、雁がいたり、干し草をまとめた固まりがあったり、山あり谷ありで飽きずに眺めていられる。
 9時15分くらいに、ヴァルマフリーズの街で内陸ハイランド地方に突入する前最後のトイレ休憩となった。実はそこのお店はドライバーのグンメさんのおじさんのお店だったそうだ。
 観光案内所もあり、アイスランドの各地方を紹介する冊子をいくつかもらった。

 この街で1号線を離れ、10時前に未舗装道路に入った。
 アイスランドでは、地図上で未舗装道路には道路ナンバーの頭にFがついているそうだ。その未舗装道路に入っても、しばらくは緑の中を走る。
 もの凄く揺れるのではないかと覚悟していたから、思っていたほどではない。「洗濯板の上を走っているようだ」とおっしゃるツアーの方もいらしたけど、私としてはもっとガタゴトという刺激が欲しいところだ。
 30分も走らないうちに周りの景色から緑が消え、代わりに道の両側それぞれに遠く氷河が見え始めた。
 お天気が良くて本当に良かったと思う。

 私がこのツアーを選んだ最大の理由は、ギャウでも間欠泉でもブルーラグーンでもなく、この内陸ハイランド地方に行けるという点にあった。だから、私の中では今日がこのツアーのピークでありハイライトである。
 このツアーでは、ホフスヨークトル氷河とラングヨークトル氷河の間を抜けるキョルル・ルートをバスで縦断する。車の運転が得意なわけでもなく、2台以上の車に分散できるほどアイスランド好きを集めることもできない私には、もっとも簡単に内陸ハイランド地方に入り込む方法がこのツアーだ。
 今日、晴天に恵まれれば、これまでの荒天は全て許せる気分にもなる。

 10時30分過ぎ、水力発電のために造られたフロンドラン湖の展望台でフォト・ストップした。
 バスの中は日差しがさんさんと降りそそいで暑いくらいだけれど、外に出ると流石に風が冷たい。
 湖面は黒く光っていて、とても眩しい。その向こうに(推定)ホフスヨークトル氷河が見える。湖の水の黒と、氷河の白と、空の青さと、それぞれが強烈な明るさを競っている。

 遠くに見え隠れする氷河と、その手前の荒涼とした大地のコントラストを眺めていると、どんどん氷河が大きく近くなって来た。
 結構なスピードで飛ばしていた未舗装道路をそこだけはゆっくりと曲がり、クベラベトリルのキャンプ場に到着した。ここでボックスランチである。
 メニューは、ハムと豆のサラダのサンドイッチ、ハムとトマトとキュウリと卵のサンドイッチ、マフィン、リンゴ、ヨーグルト、ジュース、コーヒー・紅茶である。

クベラベトリル このキャンプ場は地熱帯にあるそうで、温泉が湧き出ている。ちょっとした地獄谷の風景だ。そこから流れ出した川は温泉の成分で底が白くなり、湯気をあげて流れている。
 だからきっと他よりも暖かい筈だ。しかし、そろそろ空は朝のピーカンから雲も出始め、風は相変わらず強く、日陰に入るとかなり寒い。
 遠く氷河はまだくっきりと見える。キャンプ場周辺は緑が広がっていて、そのコントラストも綺麗だ。

 キャンプ場のロッジの脇に湯船があり、近くの川から水を引いてきて熱い温泉を埋めて入浴できるようになっていた。ロッジにはウッドデッキがついており、何だろう?と思って近づいたら湯船に浸かっている人がいて驚いた。
 また、一昨日、旧国道1号線を抜ける直前の農家にもあった、芝土でできた家がキャンプ場にぽつんと建っていた。

 曇り始めた空の下、できればグトルフォスの滝までお天気が続いて欲しいと祈りつつ、バスに揺られる。
 途中、内陸ハイランド地方に入ってから初めて、動物を見かけた。すぐに逃げてしまったけれど、多分キツネだと思う。茶色で、何だか可哀想なくらいに痩せていた。
 他にも動物がいないかと目をこらしていたら、マウンテンバイクで走っている3人を見かけた。この寒さと風の中、ガタガタのうえに坂が多いこのルートを自転車は辛すぎる。

右側の氷河 1時間くらい走ると、右手にかなり大きく氷河の先端が見えてきた。ひとつの湖に2カ所から氷河が落ちているのが見える。ラングヨークトル氷河が流れ落ちることで作り出されたクヴィタバートン湖だ。ここでフォト・ストップである。
 個人管理されているお手洗いも設置され、今日は幸運にも使用することができた。今回のツアーではすでに青空トイレは体験済みとはいえ、こんな何もない平らなところでは隠れようがない。閉まっていることも多いそうだから、やはりラッキーだ。

後退した氷河 クヴィタバートン湖は、以前は2カ所とも直接に氷河が落ちていたために氷塊が浮かんでいたそうだ。今は向かって左側の氷河が後退してしまったため、湖には何も浮かんでいない。静かな湖だ。
 ここを過ぎると氷河ともお別れだと言われ、みんな食い入るように見たり、写真を撮ったりしていた。
 クヴィタバートン湖がこれから行くグトルフォスの滝の源である。

 そこから30分も走らないうちに周りの様子が変わり始め、岩っぽいごつごつした感じから少しずつ砂っぽい感じになった。未舗装道路もあと少しだと思うと名残惜しい。
 そんなことを思っているうちに、ふいに地面が平らになり、バスの走りがスムーズになった。未舗装道路を抜けたのだ。

 15時半にグトルフォスの滝に到着した。
 滝の上にある駐車場からは、ラングヨークトル氷河を遠く望むことができた。本当の本当に、これが氷河の見納めである。
 じーっと目をこらしたり写真を撮ったりしていたら、すっかりツアーの方々から遅れてしまった。
 歩いて行くと、大きく手を振って呼ばれた。
 グトルフォスの滝に虹がかかっている!

 これまで滝に到着したときには常に曇天か雨天で、「虹がかかる滝」を見られないままに来た。それがあるから、よけいに嬉しい。
 それも「黄金の滝にかかる虹」である。今も決して青空が広がっているわけではないけれど、雲の間から射す太陽の光がある。しばらくぼーっと眺める。
 何だかもう満足だぞと思っていたら、添乗員さんに「ぜひこの先も見てください。」と言われた。展望台のようになったところからさらに滝に沿って遊歩道が伸びている。滝近くではほとんど雨のような水しぶきを浴びることになるけれど、グトルフォスの滝は、この先さらに落ち込んでいて、その様子が迫力ものだ。

グトルフォスの滝 レインコートを着込み、水しぶきを浴びつつ滝の落ち口まで行った。
 滝の上に出てしまえばそれほど水しぶきはかからない。
 そこまで行くと、グトルフォスの滝が二段構えになっていることが判る。そしてその二段目の落ち方の方がよりが深く激しい。落ちた先では、滝とは直角の向きに川が流れて行く。
 氷河を水源とする滝の水は白く濁っていて、それがさらに迫力を増している。

 この滝を水力発電所にしようとした外国資本の構想も、それに反対し、発電所をどうしても作るというのならこの滝から身を投げると主張した少女シーグリーズルの気持ちも、両方判るような気がした。
 このシーグリーズルの像(石にレリーフが埋め込まれている)が、滝を見渡せる位置に立っていた。

 グトルフォスの滝から15分くらい車で走るとゲイシール(間欠泉)があった。
 ゲイシールは、英語で間欠泉を意味する「gayser」の語源にもなっている。ただし、今はゲイシールは活動を停止していて、1日に2〜3回、5〜10mほど吹き上げることがある程度だという。

ストロックル その代わり、すぐそばにある「ストロックル」という間欠泉は、10〜15分間隔で30mくらいまで吹き上げていてなかなか迫力がある。
 こういう大きく吹き上げる間欠泉だけでなく、その他の間欠泉にもすべて名前がついていて、名前が彫られた石が間欠泉のそばに置かれている。

 間欠泉は、水がゆれて盛り上がったりへこんだりする。それが何度か繰り返され、まん丸く盛り上がった直後にバーッと熱湯を吹き上げる。正しく何分おきというわけではなく、何回か続けて吹き上げたり、丸く盛り上がったのにそのまますーっと沈んで肩すかしを食わされたりする。
 既に16時30分を過ぎていたし、空は完全に雲に覆われてかなり冷え込んでいる。
 ツアーの方々がお土産物屋さんに次々と向かう中、私は「吹き上がった瞬間の写真」を撮りたくて、何度も何度も失敗し、手がかじかみながらも集合時間ぎりぎりまで粘った。

 元々の旅程では、今日の宿はレイキャビクの予定だった。しかし、出発前、セルフォスの街に変更なったと連絡が入っている。セルフォスの町までゲイシールから1時間くらいだ。
 ガイドさんによれば、レイキャビクでは明日、カルチャー・ナイトが開催されるそうだ。
 レイキャビク・マラソンが行われたり、歩行者天国になってお店なども夜遅くまで開いていたり、花火が上がったり、それはそれは賑やかになるらしい。レイキャビクでは年越しと並ぶ大イベントだという。
 それでホテルのダブル・ブッキングも起こったのだろうと納得した。

 ホテル・セルフォスは、4階建てで、シースルーのエレベーターがあったりして近代的な感じの新しいホテルだった。
 ホテルはちょうど川の合流地点に建っており、くじ引きの結果、その川に面した眺めの良い部屋が当たった。嬉しい。
 久しぶりにバスタブのあるお部屋で、ゆっくりアイスランド版自家温泉が楽しめる。

 19時からの夕食のメニューはこんな感じである。これに白ワイン(700クローナ)をいただいた。
  前菜 クリームベジタブルスープ
  メイン マスとハドックのソテー ライス添え
  デザート チョコレートムース コーヒー

 ツアーに今日がお誕生日の方がいらっしゃって、食事の最後にバースデーケーキが運ばれた。アイスランドではバースデーケーキにはろうそくではなく花火を立てるらしい。もちろん、吹いたくらいでは火は消えない。
 そのケーキを切り分けて、みんなでお裾分けをいただいた。メレンゲにチョコチップを混ぜ込んで焼いたようなケーキだった。

セルフォスの夜景 夕食を食べ始めた頃から、とうとう雨が降り出した。雨に滲む川の夜景がとても綺麗だ。
 部屋の窓からはぎりぎりで教会も見ることができた。細くしか開かない窓から無理に手を伸ばして写真を撮る。
 そんなことをしていたら、すっかり遅くなってしまった。
 バスタブに硫黄の匂いのお湯を張り、ゆっくりと温泉気分を楽しんでから就寝した。

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