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2006.01.29

アイスランド旅行記9・10日目

2005年8月21日(日曜日)・22日(月曜日)

 レイキャビクのケフラヴィク空港を発着する便は早朝と夕方以降に集中している。
 したがって、アイスランド最終日のこの日は、4時モーニングコール、4時30分から朝食を食べることができ(レイキャビクのホテルは早朝出発の人々のためにかなり早くから朝食が食べられるところが多いようだ)、5時ホテル出発というスケジュールだ。
 すぐにバスに乗るのだから朝食は控えめにしようと思った筈が、シリアル、スクランブルエッグ、焼きトマト、ストロベリーヨーグルト、コーヒーとかなりしっかりと食べた。

 私がバス一番乗りだった。せっかくなので、一番前の席に座る。
 ちょうどドライバーのグンメさんがいたので、昨日作ったくす玉を差し上げる。「お子さんに」と言って二つ渡したら、珍しくくしゃっと表情を崩していた。きっと子煩悩なお父さんなんだろう。
 
 空港に向かうバスの中から月を見ることができた。
 もう明るくなっていたから薄くぼんやりとした月だけれど、アイスランドに来て肉眼で月を見られたのはこのときが最初で最後だ。何だか嬉しい。

 空港に着くとロビーは割と混雑していた。
 それでもツアー一行のチェックイン手続きが30分もかからずに終わる。
 ただ、何故か、私だけ思いの外時間がかかった。スルーで成田まで荷物を預けるから、ロンドンー成田間の航空券もまとめて渡したのに「航空券をよこせ。」と言われたし、「渡したよ。これだよ。」と言うと隣のお姉さんに何やら相談しているし、それでも再び「ロンドンー成田間の航空券がない。」と言われてしまう。
 ちょうど隣のカウンターでチェックイン手続きのお手伝いをしていた添乗員さんに再度説明してもらったり、何だかバタバタとしてしまった。

 グンメさんは私たちと荷物を降ろすとバスとともに去って行った一方、ガイドさんはチェックインまで手伝ってくれた。その合間を縫って、日本から持って行ったけれど封を切らなかった飴をお礼代わりに差し上げる。
 こう言っては何だけれど、私が持って帰っても仕方がない。日本の味をちょこっとだけでも感じていただけるならその方が良いに決まっている。

 ガイドさんに別れを告げ、セキュリティチェックを通る。目の前に、到着時に両替をした銀行があり、行列ができていた。ここで両替と、お買い物をしたときの税の払戻しを受けることができる。
 アイスランド・クローナもそれほど残っているわけではないし、免税店ではREFUND VOUCHERでそのままお買い物ができるという話だったので、免税店で使い切ることに決める。

 とは言っても、それほど欲しい物があるわけではない。
 友人へのお土産に、ホームパーティをするときに持って行こうと「BRENNIVIN」という、じゃがいもから作られているというアイスランド版焼酎を買う。500mlのプラスティックボトル入り(590クローナ)があり、お土産にちょうどいいサイズだ。
 「ICY」というアイスランド産のお酒もあって、こちらの方がクセがなく飲みやすいという話だけれど、大きい瓶しかなかったのが残念だ。
 ビール好きの友人にビールを考えていたけれど、6本パックしか売っておらず「ばら売りはしません」と張り紙がしてある。持ってみたらかなりの重さだったので諦めた。

 まだアイスランド・クローナが余っていたので、ブルーラグーンのバスソルトを購入した。5回分が箱に入っていて、1805クローナだ。うろ覚えだけれど、ブルーラグーンで買うよりも若干安かったと思う。
 もっとも、1回の買い物で4000クローナ以上になれば税金払戻しの対象になるし、物価が高いアイスランドでは割とすぐ4000クローナに届いてしまうから、そこまで考えれば同じくらいの値段だったかも知れない。

 7時15分にゲート集合で、搭乗手続きも済ませて狭い待合室に入ったところで、7時45分離陸予定のFI450便は45分遅れになります、とアナウンスがあった(らしい)。待合室は椅子もなく狭かったので、カードをもらってロビーに戻り、椅子に座って待つ。
 もう飛ぶべき飛行機は全て離陸し、ロビーはがらんとしている。隣のゲートでは次の離陸予定が16:00と表示されている。免税品店も閉まり、開いているのはカフェだけだ。

 8時15分くらいに離陸予定の表示が9時に変わり、同時に「技術的な問題で遅れている。9時前に離陸することはない。」というアナウンスが流れた(らしい)。
 8時45分には、それまで「ESTIMATED 9:00」だった表示が「NEXT INFO 10:00」というさらに不穏な表示に変わり、同時にカフェに食べ物と飲み物を用意した、というアナウンスが流れた(ようだ)。

 ぞろぞろとカフェに向かう人の流れに付いて行くと、延々と無人の通路を歩き、セキュリティチェックを抜けたところのカフェにまで戻ってしまった。
 無人の出国審査のブースも逆流し、「いったい今どこにいることになるのだろう」とふと疑問を覚えつつ出国審査できょろきょろしていた私に警備員らしいおじさんがにこやかに自動ドアを示してくれたから問題ないに違いない。
 サンドイッチとジュースをもらい、ゲート近くまで戻って食べた。サンドイッチはショーケースの何種類かの中から選ぶことができる。ツアーの方と適当に分け合って食べたら、どれも結構美味しかった。

 9時40分くらいに、ゲートの表示が「COMPLETED 10:00」に変わった。
 かなりピリピリしていた添乗員さんに(ロンドンでのトランジットに4時間しかないのに、この時点で2時間以上遅れていたのだから仕方がない)、「10時離陸みたいですよ。ぎりぎりトランジット間に合うでしょう。」と言うと、添乗員さんは微妙に不安そうな表情をしている。
 聞いてみると、ヒースロー空港ではアイスランド航空が到着するターミナルとブリティッシュ・エアウエイズが出発するターミナルが離れていて、人間は走って間に合わせることができたとしても荷物の積み替えが間に合わないかも知れないと言う。

 結局、10時近くなって搭乗が開始され、離陸したのは10時30分くらいだった。
 飛行機に乗り込んでみると、ツアー一行の中で私とあとご夫婦一組が、ビジネスクラスにアップグレードされていた。「通路側にして」と頼んだだけだし、アップグレードされたという説明もなかったし、理由は謎だ。
 カウンターのお姉さんがそんな親切なことをしてくれていたとはつゆ知らず、「何だか頼りないな」なんて思っていて、申し訳なかった。

 離陸前のアナウンスでは、コンピュータの故障によるエンジントラブルが理由で離陸が遅れた、と言っていた(と思う)。乗り物に呪われた旅なんだろうか。
 「飛行機が遅れたって添乗員さんが何とかしてくれるわ」とのんびり構えていたつもりが、実は結構緊張していたらしい。離陸後すぐに爆睡し、軽食をもらい損ねた。せっかくビジネスクラスにアップグレードしてもらっていたのに、惜しいことをした。

 ヒースロー空港に到着し、添乗員さんが全員分をまとめてチェックインしてくれる。
 何だかやけに時間がかかっている。30分以上もかかっただろうか。
 チェックインを終えた添乗員さんの説明によると、
1.ケータリング会社のストライキが継続しているため、機内食は提供されない。
2.機内食の代わりに航空会社から5ポンドの金券が配られる。その金券で各自食べ物を確保してもらいたい。
3.(ロンドン時間)15時45分出発予定のBA007便は16時15分出発に変更されたので、16時にゲートに集合してもらいたい。
 ということだった。

 アイスランドにいる間は、水道水が美味しく飲めた。毎晩、中国茶のティーバッグと水道水を500mlのペットボトルに詰めてお茶を作り、次の朝にティーバッグを取り出して持ち歩いていた。その習慣で今も鞄にはアイスランドの水道水を詰めたペットボトルが入っている。
 飲み物くらいは出るだろうという予測と、いざとなればアイスランドのお水があるという計算から飲み物はパスし、配られた金券を使って、サンドイッチと小さいパウンドケーキを購入した。これで1000円を超えると思うとかなりいいお値段だ。

 それから、職場のお土産にクッキーを買った。行きのトランジットの際に当たりをつけておいて正解だ。
 いつもは海外旅行に出ると化粧品を買いだめするけれど、ケフラヴィク空港で買ったお酒が重くてバッグが肩に食い込んでいる。特に何もしていないけれど、飛行機の遅れで疲労感も濃い。化粧品の購入は見送った。

 集合時間より早めにゲートに行って搭乗したら、機内はほぼ満席だった。
 しかし、なかなか離陸しない。
 アナウンスによると、燃料の補給待ちをしているらしい。燃料が補給されていないからかエアコンが効いておらず、機内の温度がどんどん上がる。サンドイッチが傷むんじゃないかと心配になる暑さだ。
 結局、BA007便が離陸したのは、定刻から1時間30分遅れの、17時15分だった。

 離陸してすぐ、ボックスが配られた。機内食が全く出ないわけではないらしい。
 ボックスには、チーズとオニオンのロールサンド、タルト、スナック(トロピカルフルーツ味)、ミネラルウォーターが入っている。
 着陸1時間前にも同じようなボックスが配られるという話だ。

 機内での12時間はかなりヒマだった。「ミリオンダラー・ベイビー」を2回も見てしまったほどだ。
 ヒースロー空港で買ったサンドイッチとケーキは、あの待ち時間の機内の暑さが怖くて食べられなかった。乗り込んですぐに食べ始めていた方々の決断は正しい。
 
 着陸1時間前に配られたボックスの中身は、トマトとチーズのサンドイッチ、ブルーベリーマフィン、オレンジジュースだった。コールドドリンクは出ないけれど、ホットドリンクはサーブされる。コーヒーをもらい、サンドイッチはパスしてブルーベリーマフィンだけ食べる。
 ボックスが配られた前後に添乗員さんが回ってきて、成田空港に着いたら流れ解散だと説明があった。ツアーには割と地方の方が多かったから、乗り継ぎ便や電車の手配等々があるのだろう。

 成田空港には定刻から1時間15分遅れの(日本時間)8月22日12時20分に到着した。
 空港から電話を入れたら、「ここ10日くらい飛行機事故が多かったのよ。無事に飛んで良かったじゃない。」と母に言われて驚いた。
 あまりにも重いお酒とバスソルト、気温30度の日本では絶対に必要のないダウンコートなどをスーツケースに詰め込んで自宅に送る手配をし、アイスランド旅行は終わった。

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