「アヒルと鴨のコインロッカー」を読む
山寺へ行く準備に、このところ宮城県や山形県の観光情報をインターネットで検索している。
それで判ったのだけれど、もう少し前なら仙台青葉祭りに遭遇できるし、少し後なら山形でさくらんぼ狩りが始まる。何というか、どうも「端境期」に行こうとしているような気がする。
怒濤のような混雑もなく、季節もよく、晴れ女の友人も一緒だ。これはこれでいいかなと思うことにした。
それで、宮城県、特に仙台の情報を検索しているとよく「アヒルと鴨のコインロッカー」の情報にぶつかる。作者が仙台在住であること、この小説の舞台が仙台であること、まもなく映画が公開されるのだけれど仙台で先行公開されることなどがその理由である。
つられて、つい「アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)」創元推理文庫を購入し、読んでみた。
少し前に映画化された「陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎著)」祥伝社文庫は読んでいて、それが面白かったというのも理由のひとつだ。
そうしたら、「陽気なギャングが地球を回す」に出ていた「祥子さん」が「アヒルと鴨のコインロッカー」にも出ていて、さりげなく小さくスピンオフっぽくなっていることが判って嬉しかった。
創元推理文庫に入っていて、確かにミステリなのだけれど、どちらかというと切ないくらいの恋愛小説のようにも読めた。映画も見てみたい。
そんなわけで楽しく読書したのだけれど、そもそもの目的である「仙台を身近に感じる」ためには余り効果がなかったかもしれない。
例えば「青葉城」が出てくるとか、地名が出てくるとか、特徴的な何かが描かれているわけではないのだ。この小説の主人公は「日常」を送っているのだから、当たり前と言えば当たり前である。
仙台が舞台になっているということも、、小説の最後の最後になって一回だけ「仙台」という単語が出てきて確信を持てる。もっとも、今、確認しようと思って探しても見つからなかったから、これは私の記憶違いという可能性も高い。
それとも、仙台在住の人には一発でピンと来る仕掛けが施されているのだろうか。
いずれにしても楽しい本だった。
仙台に行こうとしていなかったら読まなかったかも知れない。特をした気分だ。
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