「NHK スペシャル 失われた文明 インカ・マヤ 第3週」を見る
先々週の日曜日(2007年7月1日)から3週連続で放映されている、「NHK スペシャル 失われた文明 インカ・マヤ」という番組がある。
その第3週「密林が生んだ二千年の王国」を見た。
先週までの2本はインカ文明を取り上げていたのだけれど、最後の今日はマヤ文明だ。
やはり中心はグアテマラのティカル遺跡だった。。
中米のジャングルに点在していたマヤ文明の70余の都市国家は、強大なインカ帝国とは逆に、同じ文字と同じ言葉を持ちながら統一国家となることはなかったのだそうだ。
そして、逆に、その独立性と緩いネットワークが、マヤ紀元前500年から2000年に渡って反映させた要因の一つでもあるという。
現に、最大の規模を誇ったティカルが9世紀に滅んだ後も、マヤの都市国家は16世紀までそれぞれに存続したという。
開けた平地でも灌漑に適した大河のほとりでもない場所に栄えたという共通点があるのに、それ以外の部分では(番組で強調していたからそう感じるのかも知れないけれど)真逆の道を選んだかのようにみえる二つの文明が何だか不思議だった。
ティカルは本当に密林のただ中にあり、そこで農業を行うために、雨期の始まりを知る天文学が盛んになり、漆喰で固めた都市が雨期の水を集めてすべて貯水池に蓄えるように工夫され、ジャングルが再生する範囲で焼き畑農業を行う。
都市国家間の戦争は王と貴族のみで行われて庶民に犠牲者が出ることはなく、戦争自体も相手の王を生け捕りにして終わる。明けの明星が現れる1年にほぼ1日しか戦争は行わない。
そうした数々の工夫とルールが、マヤを存続させたのだという研究が興味深かった。
1年が365.24日であると割り出し、春分の日と秋分の日にだけククルカンが現れるチチェン・イツァのピラミッドを造るのには、一体どれだけの観察と観測と予測が必要だったのだろうと考えてしまう。ピラミッドなんて、「ちょっと角度を失敗したから」と作り直すわけにもいかない。
ひとつだけ謎だったのは、ティカルの遺跡は全て漆喰で塗られ、漆喰の白のままだと反射が凄いのでピラミッドなどは赤く塗られていたという話だ。
赤く塗られていたということも、実は気になっていることがある。大量の染料というか塗料が必要だった筈で、それをどうやって調達したのかということである。しかも水に濡れても落ちない塗料だったのだろうから、植物を原料にしたものではなかったのではないだろうか。
それと、ティカルの遺跡の当時を復元したアニメで、建物は赤く塗られていたけれど、地面は白いままだったのはさらに不思議だった。地面が白いままでは、いくら建物を赤くしても反射がまぶしくて暮らしにくいと思うのだけれど、地面に塗られた漆喰には色を塗ろうとは思わなかったのだろうか。
何だかつまらないことを考えてしまった。
でも、やっぱりティカル遺跡は行ってみたい場所のひとつだ、と強く思った。
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