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2007.08.06

録画したプレミアム10「体感!トレッキング紀行〜直木賞作家が歩く世界の大自然」を見る

 2007年7月20日(金曜日)に22時からNHK総合で放映された、「プレミアム10」の「体感!トレッキング紀行〜直木賞作家が歩く世界の大自然」を録画しておいたのだけれど、2週間以上たった昨日、やっと見ることができた。

 角田光代はイタリアアルプス・ドロミテの岩山や滝壺を巡り、
 三浦しをんはインドネシア・バリ島 の信仰の山アグン山の頂上をめざし、
 村山由佳は馬と徒歩でモンゴルの大地を踏破して幻の湖を 探し求めていた。

 角田光代の「明日はアルプスを歩こう」という紀行エッセイを読んでいたので、彼女のパート(20分弱くらいにまとめられていた)が一番興味深かった。
 何が興味深かったかといえば、同じ「イタリアアルプス・ドロミテ」を歩いた体験を、かたやテレビ番組にし、かたや紀行エッセイにまとめられていたのだけれど、その2つが余りにも違う印象だったことだ。

 紀行エッセイは当然のことながら、角田光代が見聞きし、感じたことが中心で、テレビクルーもコーディネーターも含め登場人物も多い。
 でも、それがテレビ番組になってしまうと、彼女とガイドさんの2人でアルプスを歩いたかのような映像になり、「角田光代を見る視線」がナレーションで加わる。

 どちらがいい悪いではなく、これが編集というものなのだな、編集に対して著作権があるのは当然のことだな、と妙なことを考えてしまった。
 そして、私にはとてもじゃないけれどアルプスを歩く根性はないけれど、でももし同じトレッキングをして私が旅行記を書いたとしたら、きっと全く違うことを書くんだろうなという気もした。

 三浦しをんは、一転、ジャングルを歩く。アルプスには生き物の気配がなかったけれど、バリ島の森には生き物の気配が濃厚な感じがする。
 3人の中で、10分強と時間が一番短かったせいもあるのか、申し訳ないのだけれど、彼女のパートはあまり記憶に残っていない。
 でも、アグン山の登山道は、信仰のために登る道なので、みんな真っ直ぐに頂上を目指し、非常にきつい道筋だというのが印象的だった。
 その3000m級の山に挑み、2000m(だったと思う)の地点でリタイアするのは、登るのを止めることとトレッキングが終わることと、バリ島滞在と、全部が終わることだから泣けてきたんだろうな、という感じがした。

 村山由佳は、馬と徒歩で奥テレルジの湖を目指す。保護区の中にあるその湖は、レンジャー以外の人が行くことは滅多にない、モンゴル人でもほとんどの人は見たことがない場所にあるのだそうだ。

 この3人全員がそうだったのだけれど、みんなが荷物を持っているのが凄いなという気がした。旅番組だと、大抵、「どう考えてもそれだけの荷物じゃ町歩きもできないだろう」という軽装で出演者は歩いているのだけれど、村山由佳に至っては(それが荷物の全てかどうかは判らないのだけれど)かなり大きなリュックを背負って馬に乗り、歩いている。
 他の2人が日帰りコースをいくつか歩いたのに対し、彼女はゲルやテント泊をしながら移動していたからということもあるだろう。
 そう考えると、同じように自分の全荷物を背負っているのだろうモンゴル人ガイドの女性が、本当に街中を歩くような、村山由佳のリュックの1/5もないくらいの大きさの荷物しか持っていないのは何だか凄い、という気がした。

 到着した湖では、湖の向こうの山に日が落ちかかり、山の端が濃いピンク色に染まっていた。
 それを見て、「そうなのよ! モンゴルでは夕焼けがピンク色なのよ!」と2006年8月にモンゴルに旅行したときのことを思い出して、心の中で大きく頷いてしまった。

 楽しかった。
 恐らくこの番組は(確証は全くないけれど)、それぞれ1人分が一本の番組だったのを、「直木賞作家」という切り口でまとめたものではないだろうか。
 ダイジェスト版でない番組も見たかった。

2007年7月20日(金曜日)22時から
NHK総合 プレミアム10
「プレミアム10」の公式Webサイトはこちら。

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