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2008.01.26

「シリーズいのちの地球 赤道大紀行」を見る

 今日の14時から、TBSで、「シリーズいのちの地球 赤道大紀行」を見た。
 俳優の西村雅彦が旅をするということで、宣伝は何度か見かけたことがあったように思う。そのときから、見たいと思っていたのだ。

 旅の始まりは何故かポルトガルのロカ岬だった。
 そこから、ブラジルのベレンというアマゾン川支流の河口の街に向かう。
 何だか、「ヨーロッパ人がアメリカを発見した」という歴史解釈をそのままなぞっているようで、赤道を辿ろうという旅の趣旨と何となく折り合っていないような印象を受ける。

 アマゾン川は途中まで、赤道に沿う形で(といっても、アマゾン川流域を赤道が通る場所はそれほどあるわけではなさそうである)遡れる。
 旅も、アマゾン川を遡るようにして始まる。

 満月と新月の際にアマゾン川が逆流する「ポロロッカ」を見られたのが嬉しかった。
 しかし、スピードボートに乗って、津波のように逆流してくるポロロッカから逃げるというのは、激しくスリリングな感じだ。映像が妙に中途半端なところで切り替わってしまったのも、「この後、どうなったのだろう」という気持ちにさせる。

 アマゾン川の中州にある「メシアナ島」では、赤道上を西村雅彦が楽しそうに走っていた。
 赤道について、番組で「地球上で最も太陽の光をたくさん浴びてきた場所」と説明していたけれど、確かに非常に日射しが強そうに見える。

 マナウスで源流が異なる2つの川が合流し、でも、水温や流れる早さの違いから、すぐには混ざり合わずにコーヒー色とカフェオレ色の流れがくっきりと分かれてしばらく並行して流れている眺めは、アイスランドで見た、氷河が溶けた水の流れる川とギャウから湧き出る水の川とが合流する地点でしばらく濃淡のある水が並行して流れている様子を思い出した。
 マナウスでだけ「アマゾンの奇跡」と呼ばれるなんて不公平な気もちょっとする。

 その近くのインディオの村に出かけた西村雅彦が、恐らく村長だろう男性に「生きるってどういうことですか」と尋ねる。「伝統を守り、受け継いでいくことです」という意味のことを答える男性の顔は穏やかだけれど、近くの街がゴム景気に沸いていた当時、村の男たちが次々とゴム採取の労働に強制的に従わされ、殺されていったという歴史があることを考えると、何だか複雑な気持ちになってしまう。

 ブラジルを抜け、ペルーに入るといよいよアンデス越えである。
 赤道はかなり外れているようだけれど、きっと赤道近くには山越えの道がなかったのだろう。
 標高5000mにある氷河が、ここ数十年で5kmも後退し、あと10年くらいで消えてなくなってしまうだろうと聞いて驚く。氷河からしたたり落ち、流れ出る川の音は「地球温暖化」を目と耳に訴えている。
 この氷河の麓(といっても標高4800m)の村の人々は、氷河が消えてしまうと水の供給源がなくなり、そこで暮らせなくなってしまうという。

 赤道という意味の国名を持つエクアドルの首都キトの近くにある赤道記念塔(という名前ではないかも知れない)が、実は本当の赤道から250m離れているという話は何だか楽しい。
 そういう風に判断した根拠のGPSがどれだけ正確なものなのかという疑問も当然あるわけだけれど、19世紀に測量した(計算したのかも)赤道の位置が250mしか誤差がないということの方に驚いた。

 最後は、昨年世界危機遺産に登録された、世界自然遺産第1号であるガラパゴス諸島である。
 自然を守る取組をしている研究所の研究員に、西村雅彦が「自然って何ですか」と尋ね、彼女は「人の手が触れていないところ」と答える。
 西村雅彦は番組のラストシーンで、海を眺めながら、「人工の物は見飽きてしまうけれど、自然は見飽きない」と言う。
 私の中の「自然」とは少し違う感覚なのだけれど、こう言いたくなるのも判るような気がした。

 今回は南米大陸を横断していたけれど、次はぜひアフリカ大陸を赤道に沿って横断してもらいたい。

2008年1月26日(土曜日)14時から
TBS「シリーズいのちの地球 赤道大紀行」
「シリーズいのちの地球 赤道大紀行」の公式Webサイトはこちら。

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