エジプト旅行記1日目
2007年12月31日(月曜日)
ツアーに付いていた成田空港までのスーツケース宅配サービスを利用し、かなり身軽に10時前に家を出た。
JR成田駅から京成成田駅までは歩行者用の通路があって、迷わずに歩くことができた。この通路は以前からあったろうか。
お昼ごはん代わりに、京成成田駅ホームにあるパン屋さんでパンを買い込んだ。
宅配サービスのカウンターで聞いたところ、スーツケースはツアーの集合場所である団体カウンターに予め運んでおいてくれるそうだ。慌ててカウンターを探して損してしまった。
11時半前に集合場所に到着した。エジプトビザ代25ドルを支払う等の受付は簡単に済み、エジプト航空のチェックインが30分後に始まるのでその辺で待っていてくださいと言われる。
タンクトップ、長袖Tシャツ、長袖シャツ、フリース、アウトドア用コートという格好では流石に暑いので、フリースを脱いでスーツケースにしまった。
大晦日だからか、そんな作業も余裕でできるくらい、成田空港第2ターミナルビルはそれほど混雑していない。
改めて12時前に集合する。ツアー参加者は11名だった。
ご夫婦が4組と、母娘が1組、そして私である。正直に言うと、この構成を知ったときには「失敗した!」と思った。ツアーに一人参加したことは何回かあるものの、一人参加が自分一人というのは初めてだ。流石にそんな状態は想定していなかった。
ツアーの最年少は母娘参加のお嬢さん、そして、添乗員さんも若い女性である。
エジプト航空もツアーといえどもチェックインは個人単位で、カウンターに行くとかなり長い列になっていた。
そんな中、ツアーにファーストクラスを利用されるご夫婦がいらっしゃって驚く。
チェックインに30分近くかかったけれども、希望どおり通路側の席が確保できてほっとした。
団体カウンター前に戻って添乗員さんに座席番号を知らせると、後は適当に飛行機に乗ってくださいと言われた。
液体の持ち込み制限は続いているし、何しろ年末年始であることは確かなので、手荷物検査を早々に受ける。
ツアー会社から送られてきた液体が入っているビニル袋を渡して手荷物検査を受ける。もっとも、用心して早めに行動した割に、列はできていないし、ほとんどノーチェックで、あっさり通過することができた。
出国審査も2〜3人ずつくらいしか並んでおらず、あっという間に通過する。
免税品店で、基礎化粧品を買い込んだ。最初から免税品店で購入してそれを旅行中に使おうと思っていたので、ここで買えないと基礎化粧品なしで旅行しなくてはいけなくなる。
また、機内持ち込みのためのペットボトルのお茶を探す。これが意外と売っているところを探すのに手間取る。
缶コーヒーも買い、空いているゲートを探して、成田駅で買い込んだパンとともにお昼ごはんにした。もう13時20分だ。
13時40分に搭乗開始である。離陸までの間に、添乗員さんがパスポートと航空券を回収に来た。
搭乗もスムーズだったのに、何故かMS965便は25分遅れの14時50分に離陸した。
大晦日出発だからか、私が座っていた後部座席の辺りはガラガラである。
15時50分ころに最初の機内食が出された。これは何ごはんだろう。
ビーフシチューかシーフードカレーか、チキンのグリルを選べた。担当のキャビンアテンダントさんが日本人だとここまで詳しく説明して貰えて有り難い。
シーフードカレーを選んだ。その他、グリーンサラダ、パン、デザート(ムース)、チーズ、飲み物といった定番のメニューだ。ポークが選択肢に入らないところは、流石イスラム教の国だと思う。
(ここからエジプト時間で表記。日本時間からマイナス7時間。)
今回の旅行では、エジプトから年賀状を出そうと思っていた。
私は機内で眠れないので時間を持てあますだろうし、現地で年賀状をゆっくり書いている時間はないだろうと踏んで、宛名書きセットを持って来ている。
ラベルシールに住所を書き、「JAPAN」「AIR MAIL」と赤字で書き込んで、30通の絵はがきを送る準備をする。
それにしても、エジプト航空の機材はお世辞にもよく整備されているとはいえない。
フットレストは降りないし、ヘッドレストは何故だか自然に落ちてくる。機内にあった五つのトイレのうち、一つは離陸前から使用不可の貼り紙が貼ってあったし、二つは飛んでいる間にどんどんドアの立て付けが悪くなった。
13時くらいに、ピーナツと飲み物のサービスがあった。
イスラム教の国らしく、「飲み物」はあくまでもソフトドリンクである。その代わり種類が豊富で、マンゴジュースやグアバジュース、7UPなどという懐かしいものも用意されていた。
そして、17時、映画を見ていたら突然、「日本では新年を迎えました。」と日本語でアナウンスが入った。
機内からまばらな拍手が起きる。このまばらさは、なかなか貴重である。
そして、お茶とおにぎりともみじまんじゅうも配られた。お年賀ということだろうか。
19時30分に夕食が始まった。
今度はエジプト人のキャビンアテンダントさんだったので、ビーフかシーフードかフィッシュかという選択肢しか判らない。シーフードとフィッシュの違いが非常に気になったけれど、それを質問する語学力も答えを聞き取るヒアリング力もない。
大人しくシーフードを選んだら、それは中華風海鮮粥だった。
周りの方のトレイを観察したところ、ビーフは焼肉丼で、フィッシュは鰻だった。意表を突きすぎである。
20時頃に添乗員さんが回ってきた。
この飛行機は推定で90%以上が日本からのツアー客が占めており、各社の添乗員さんが一斉に機内を回り始めて驚いた。
空港での集合場所を確認し、アメニティの靴下はモハメドアリモスクに入るときに使うので持ち帰ってくださいと指示がある。
他社の添乗員さんが、空港では2000円くらいを両替してください、それ以上の金額を両替すると小額紙幣がもらえない可能性が高いですと注意しているのが聞こえる。
お隣に座っていた日本人の男性は、ツアーではなく個人旅行だったらしい。
到着したその日の宿も決めていなかったようで、キャビンアテンダントさんに「**へ連れて行ってください」という言葉をアラビア語で書いてもらうよう頼んだらしい。
そこへ、エジプト人男性のキャビンアテンダントさんがやってきて、彼に英語で話しかけた。すると「判らないよ。」と言ってこちらを見る。通訳しろということらしい。私にやらせるなんて無謀である。
私の超いい加減なヒアリングによると、この日本人男性が行こうとしている**広場は、非常に治安の悪い地域にあるらしい。キャビンアテンダントさんは「どうしてここに行こうとしているのか。」としきりに聞いて来る。お隣の方に確認して「安宿が集まっている地域でもあり、観光に便利な立地だとガイドブックに書いてあったから。」と答える。
キャビンアテンダントさんは、できればその広場周辺に行って欲しくないようだ。
夜中に到着して歩いて宿を探すのは無謀すぎる、自分はこの広場周辺にあるホテルはここしか知らない、決してこのホテルを勧めるわけではないが宿を探して歩き回るよりはマシである、とりあえずこのホテルにタクシーで行って部屋があるかどうか聞いてみて、部屋がなければ他のホテルを紹介してもらえるよう頼んだらどうか、と言う。
持ってきてくれたメモのアラビア語の文字は、どうもそのホテルの名前のようだ。
通訳をしていると、キャビンアテンダントさんは、真顔でエジプトでは日本語は通じないんだと言って来た。
英語かアラビア語かと尋ねたら、アラビア語はもちろんだが、フランス語も通じると返される。そして、本当にコイツは大丈夫なのかという表情で私の顔を見る。
いや、私に言われても・・・。
キャビンアテンダントさんの言葉をそのまま隣席の日本人男性に伝えたところ、彼は全く堪えている様子はない。他人事ながら心配になってくる。
そうこうしているうちに、22時10分、定刻通りにカイロに到着した。
気温は15度だ。タラップを降りてバスに乗り、ターミナルビルに到着するまでくらいしか外気には触れていないけれど、思ったよりも寒くない。イメージよりもエジプトの冬は寒いだろうと思って用意した服装では暖かすぎるくらいの涼しさだ。
全員分のビザを旅行会社の現地係員の方がまとめて取得してくれる間、皆して動きそうにないターンテーブルに座り込む。
両替をどうしようかと思っていたら、現地係員の方が、両替用に5000円分・10000円分のエジプトポンドを封筒に入れて用意してくれていた。至れり尽くせりである。機内で両替について案内がなかったのも納得だ。
5000円を替えてもらったら、240エジプトポンドになった。
この後ずっと悩ましい問題となる、お手洗いのチップについて空港のトイレで洗礼を受けた。
このときは添乗員さんが付いてきてくれて、全員分をまとめて払うと言って交渉してくれた。いくらになったのかは不明である。
空港のトイレは、水も流れるしきれいだった。
23時も過ぎるころにビザ取得の手続きも終了し、バスに乗り込んだ。11人で通常の観光バスサイズのバスを使えて贅沢の限りである。
新年を迎えるからか、いつものことなのか、バスに乗り込むときに薔薇の花を1本ずつ手渡してくれた。
今夜の宿であるメリディアン・ピラミッズでは、新年を迎えるガラ・パーティが開催されているという。ホテルの玄関前に到着したのが24時少し前だった。
しかし、ホテルの入口は大混雑で人だかりができている。
入口にセキュリティチェックのゲートが設置されていて、空港並みのセキュリティチェックを受けなければ中に入れてもらえない。こんな出入りが厳重なホテルは初めてだ。
そこまでしているのだから安全だと安心すればいいのか、そこまでしなければならないほど治安が悪いのかと不安にならなければならないのか、微妙なところである。
そうして、このホテルに入る順番待ちをしている間に、カウントダウンの声が聞こえ、機内で迎えた「日本の新年」に続き、「エジプトの2008年」を迎えた。
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コメント
エリさま、はじめまして&コメントありがとうございます。
エリさんもこの年末年始にエジプトに行かれていたのですね。
そうしたら、どこかですれ違っていたかもしれませんね。
何とかがんばって最後まで書きたいと思っていますので、どうぞ同じ頃に同じ場所にいらっしゃったかどうか、ご確認くださいませ。
マチュピチュもいいですよ。
私は体力に自信がなくて歩きませんでしたが、やはりインカ道ハイク(トレックに近いかも)がお勧めのようです。ここ数年、人数制限も行われているようですので、早めの予約がよさそうです。
またぜひ遊びにいらしてくださいませ。
投稿: 姫林檎 | 2008.06.28 10:01
はじめまして。

私も同じ時期にエジプト旅行に行ったので、そんなことから
こちらへ辿り着きました。随分前からもう一つのブログも
こちらも、毎日更新を楽しみにしながら拝見しています
エジプト旅行記、楽しみにしています!
次はマチュピチュに行きたいので、参考にさせていただきます
投稿: エリ | 2008.06.26 22:01