伊豆断食旅行記2日目その2
2008年5月17日(土曜日)
大室高塚のバス停から伊豆高原駅までは下り坂の一本道である。
道に迷う心配はないし、桜並木の木陰を歩けるのでそんなに暑くないし、下り坂なので息も上がらない。ただ割と急な下り坂なので、膝への負担はかなりある。
体験談などで「食べ物の匂いがきつい」という話を読んで心配したものの、道沿いのお店からカレーなどなどのいい匂いがしても空腹感を感じなかった。
ゆっくりゆっくり歩いて伊豆高原駅まで40分くらいで到着した。
駅を超えて吊り橋を目指していると、高原館に泊まっている方とすれ違った。これから急いで帰ってオプションの鍼治療を受けるとおっしゃっていた。「もう少しだよ。」という言葉に力を得て歩き始める。
しばらく住宅街の日陰もない道でくらくらする。川沿いの涼しげな道にぶつかってほっとした。ここから600mで吊り橋と標識が出ている。
川沿いの道は緑濃く、まさに「緑陰の道」を歩いている風情である。
川の水はあくまでも澄んでいて、水音まで澄んでいるように聞こえてくる。
のんびりのんびり歩いていたら、高原館に泊まっている男性にあっという間に追い抜かれた。後でお聞きしたら、私は吊り橋まで往復しただけだけれど、その方は自然研究路をずっと歩かれたそうだ。
川の終わりは唐突で、いきなり崖っぷちからすとんと水が海に落ちているようだった。「河口」というよりは「海に落ちる滝」である。
そこから少しだけ土の道を歩き、14時頃に橋立吊橋に到着した。
吊り橋は、一見しっかりしていそうに見えて、実はこれが上を歩くと結構な揺れである。
吊り橋から下を覗くと波打ち際が見える。海に注ぎ込む川の水が澄んでいるのだから、当然のことながら海ももの凄い透明度である。吊り橋の高さから下を覗いても、水底の石が見える。
岩場で釣りをしている人の姿も見える。
海が綺麗だと無条件で嬉しい。
その嬉しさの余り、つい釣りをしている人が見えた岩場まで降りて行った。
これは上がるのはかなりキツそうだな、ここで上り下りしたら帰り道は相当に辛くなるだろうなと思いつつ、この手の誘惑に私は弱い。
海際の岩場まで降りたのは、岩場の先に行けばさっきの「海に落ちる滝」が見えるのではないかと思ったからだ。
しかし、この写真の奥に写っているように、海に落ちるほんの1mほどの高さが白く見えるだけで、全体を眺めることは叶わなかった。
14時30分くらいまで岩場のあちこちを歩いて遊び、やっぱり重くなった身体を何とか運んで15時過ぎに駅まで戻った。
流石にここから桜並木を歩いて上る気力も体力も残っていない。バスで戻る。
だいぶ汗をかいてしまったので、温泉に入った。
今回も貸切状態だ。「長湯をしないように」という注意の張り紙が恨めしい。
ゆっくりと露天のお風呂に浸かり、特に足を重点的にマッサージする。
汗びっしょりの服を持って帰るのは気が進まないし、そもそも洗濯ができるというので日数分の着替えに足りる分は持って来ていない。ちょうど空いていたので、お風呂上がりに洗濯機を回した。
17時から、リラックスヨガのプログラムがあった。
問診の先生がヨガの先生でもあって、「5分でできるヨガをお教えしますので家でもやってみましょう。」とおっしゃる。
終了後速攻でメモしたところでは、メニューは以下のとおりである。
1 足を伸ばして座って前屈する。
(座ったときにお尻で後ろに下がるといい姿勢で座ることができる。)
2 首を左右前後に倒す。首を回す。
3 肘を曲げてその肘を後ろに引いて、胸を開く。
4 肩の痛いところに手を当てて、腕を前後に回す。
5 猫のポーズ
四つんばいになって自分のおへそを見て背中を丸める。
首をそらして上を見て背筋を伸ばす
6 正座した状態から、(できれば膝は床につけたままで)身体を後ろに倒す。
もっと激しいヨガの場合はお風呂上がりは避けた方がいい。
逆にこれくらいのメニューなら、柔軟がメインだし、体が温まっているお風呂上がりにやるのが効果的だ。
その他にも色々と教えてもらったものの、如何せん、私の身体はカタい。特に、股関節の柔らかさが必要とされる運動は全滅だ。
「寝転がった状態で手足を上に真っ直ぐ上げ、膝と肘を曲げないようにしてぶらぶらさせましょう。」などと言われてしまうと、とてもじゃないけれど保持できず、あっという間に自主的にリタイアした。
開始5分くらいで大汗をかき、運動不足と自分の身体の使っていなさをしみじみと思い知った。
1時間弱のリラックスヨガのプログラムの後、18時から夕食である。
この日のメニューは野菜スープで、飲んでいるときはタマネギの味しか判らなかった。
後でシェフの方から「暑くなって来ましたので、先週よりも塩分を増やしています。」と説明があった。塩分など全く感じず、ひたすらタマネギの甘さを感じたのは何故だろう。
近くのテーブルになった方と他にカボチャも入っているんじゃないかと予想したところ、本日のスープの材料は、昆布だし、しいたけの戻し汁、タマネギ、にんじん、ジャガイモ、キャベツだった。
みなさんのお話を聞いていると本当にアクティブで、大室山まで歩いて行って、帰りに陶芸体験をしてきたという方もいて驚いた。
食後、フロント前に置いてあるPCをお借りしてメールチェックをしているうちに19時になった。
「やすらぎの里」と「高原館」を主宰している先生による「食生活改善講座」が、1時間弱ある。
意外と頭がからっぽになった気にはなれないなと思いつつ、それでも恐らくはあまり働いていないだろう頭で取ったメモはこんな感じである。
・頭痛がしたりするのは、血糖値が下がっているからである。
通常は70くらいまで下がると脂肪が燃え始める。この切り替えが上手く行かなかったり代謝が悪かったりするとなかなか脂肪が燃えない。
対策としては、ショウガ湯を飲んで一時的に血糖値を上げるか、運動して脂肪を燃えやすくするとよい。
・人間は、30歳くらいから基礎代謝が下がり始める。
女性は女性ホルモンの関係で内臓脂肪が付きにくいが、この効果も更年期を過ぎるとなくなる。
どちらにせよ、食べ過ぎはよくない。
しかし、決まりごとをたくさん作っても守れなかったら意味がない。優先順位を知ることが必要である。
・今は味覚もリセットされた状態なので、食生活を見直すよい機会である。
1 普段の食事は和食にする
ごはん、お味噌汁、お浸し、鮭の塩焼き、といった献立がよい。
朝食をしっかり食べたら、昼食はお蕎麦でも大丈夫。
夕食は、ごはん、具だくさんのお味噌汁、焼き魚、煮物、青菜のお浸し・・・という献立が理想的。
2 ごはんをしっかり食べる
コンビニで昼食を買うなら、菓子パンではなくおにぎりがよい。
菓子パン1個でおにぎり2〜3個分のカロリーがある。
今どき、ごはんの食べ過ぎで太っている人などまずいない。特に間食を止められない人はご飯をしっかり食べること。
21時以降に夕食を食べる場合は、おじやなどの消化の良いものがよい。
あるいは、18時くらいにおにぎりを食べておいて、21時以降にはごはん以外のものを食べるなど、夕食を2回に分けて食べることも考えられる。
3 おかずの動物性タンパク質は少なく
例えば育ち盛りの子どもがいるお母さんが、子どもと同じ内容・同じ量の食事をしていたら明らかに食べ過ぎになる。
先生の家では、中学生のお子さんが食べるお肉の量を1とすると、施術等で身体を使っている先生でも0.5、奥様は0.3くらいしか食べないそうだ。
4 できるだけ無駄なく丸ごと食べる
玄米を食べれば、白米の3割減の量で満腹感を味わえるし、ビタミンなどの栄養素も摂取できる。
ごはんは毎食食べるものなので、ここを変えるだけでかなりの効果が期待できる。
玄米が難しければ、例えば五分づき米や胚芽玄米なら、普通の炊飯器で炊くことができる。
5 旬のもの・土地のものを食べる
6 砂糖と油を減らす
煮物を作るときに砂糖を入れなければ、結果としてしょうゆも減らすことができる。その代わり、しっかり取った出汁を使わないと味がぼけてしまうので、お出汁がポイントとなる。
ストレスがたまっている人は頭を使っているので、甘い物が欲しくなる。そこでチョコレート一かけでストップできれば問題ない(けどね・・・、ということである)。
揚げ物やカレー、とんこつラーメンなどは油のかたまり。
油は、「脂ののった魚」や「ごま」など、なるべく食品から摂取する。
7 基礎調味料はいいものを使う
砂糖にしろ塩にしろしょうゆにしろ、多量に使うものではないので、「値段が高い」といってもたかが知れている。
「さしすせそ」の中でまずひとついい物を使うとするならしょうゆ。
8 食事はゆっくりよく噛んで食べる
今日はだいぶ歩いたし、やっぱり眠い。
講座の後、しばらくマッサージチェアを堪能する。頭痛がぶり返してきたのでショウガ湯を飲む。今日の昼間に頭痛薬を飲んだけれど効かなかったので、その後は薬は飲まないことに決めた。
部屋に戻って天気予報を見ようとテレビをつけたら、女子バレーの北京オリンピック最終予選の試合が放送されていた。つい見入る。
それでも、やっぱり眠気は去らず、21時30分に就寝した。
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