探検ロマン世界遺産ハマグリから生まれた人びとの記憶 ~カナダ スカン・グアイ~」を見る
毎週土曜の午後8時からNHK総合で放映されている「探検ロマン世界遺産」という番組を久しぶりに見た。
今回取り上げられたのはカナダのクィーンシャーロット諸島にあるスカン・グアイという無人島である。
バンクーバーから500km北西にあるクィーンシャーロット諸島にあるスカン・グアイは、ハイダ族が暮らしていた島で、現在は無人島である。
その無人島は2平方kmたらずの広さしかなく、しかしその浜辺には20本余のトーテンポールが海を向いて立っている。
トーテムポールは「お墓」としての役割も持っていて、家長が亡くなると、その家の「印」である動物を刻んだトーテムポールを作り、遺骨をそのてっぺんに納めていたのだそうだ。この「印」はその島で暮らしていたハイダ族に親しい動物たちで、鷹だったり熊だったり蛙だったりするという。蛙の印の家はちょっとヤだなと勝手なことを考えたりする。
あるいは、家の前に立てられているもののように一族の歴史を刻んだトーテムポールもあるのだという。
スカン・グアイが無人島になり、クィーンシャーロット諸島にいくつもあったハイダ族の村が現在2つにまで減ってしまったのは、「白人」のせいだという。
天然痘を持ち込み、トーテムポールやトーテムポールが立ったときのお祭りで使う道具などを根こそぎ奪い取って世界各地の博物館に売りつけ、ハイダ族の言葉を禁止し、子ども達はカナダ本土の寄宿学校に通わせるようにしたのだそうだ。
1970年代以降、そういった「文化を奪う」政策が転換され、意匠の意味などを忘れつつあったハイダ族の人々が(多分、長老と呼ばれる人達を中心に)自分たちの伝統と生活と心を取り戻そうとし、各地の博物館と交渉して遺骨を返して貰う運動をし、トーテムポールを再び作り始め、お祭りも行われるようになってきたのだそうだ。
トーテムポールは、朽ちるままとされ、修復が行われたりはしない。
土に帰り、新しい命を育むのが最後の仕事なのだそうだ。
あと数十年で(新しく作られるものを除くと)トーテムポールは全て失われるとも言われているのだそうだ。
やはり、クィーンシャーロット諸島に行ってみたいと思ったのだった。
そして、2つだけ残ったと言われるハイダ族の集落のうち、番組で映像で紹介されなかった1つはおおよその位置だけが紹介され、名前すら出てこなかったのが気になっている。
2008年11月8日(土曜日)20時から
NHK総合「探検ロマン世界遺産」 ハマグリから生まれた人びとの記憶 ~カナダ スカン・グアイ~
「探検ロマン世界遺産」の公式Webサイト内、「ハマグリから生まれた人びとの記憶 ~カナダ スカン・グアイ~」の紹介ページはこちら。
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