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2009.04.29

香港旅行記3日目

2009年2月10日(火曜日)

 目覚ましをかけた8時よりも早く、7時半に目が覚めた。
 本当に旅行中はいきなり健康的になり、遅寝早起きが普通にできる。
 昨日食べきれなかったカステラのようなパンとお姉さんが用意して来てくれたお茶で軽く朝食にし、9時くらいにホテルを出た。
 今日は1日フリーである。
 香港公式ガイドを検討し、とりあえず、キャットストリートに向かった。

泰昌餅家 せっかく香港島に渡って来たからには、まだ食べていないエッグタルトを確保せねばならない。何しろ、香港には美味しいものを食べに来たのだし、エッグタルトはぜひ食べたいものリストのかなり上の方に入っている。
 ガイドブックを見て狙っていた泰昌餅家というお店でエッグタルト(5香港ドル)を二つ購入した。その後の街歩きと観察の結果、餅家はパン屋という意味だろうとお姉さんと意見の一致を見た。

 エッグタルトを持ったまま、文武廟に向かった。文武廟は香港最古の道教寺院だ。
 まだ開いていないお店が多くてなかなか道を聞く相手に出会えなかったけれど、途中でやはり道を尋ねたり、途中から現れた標識に頼ったりしながら、何とかたどり着いた。

文武廟内文武廟外 文武廟の外観はこのとおり、かなり地味である。
 後ろにそびえ立つアパートメントとの対比が激しすぎる。これがシンフォニー・オブ・ライツに参加するようなビルではなくてよかった、という感じである。
 しかし、一歩中に入るとその様相は一変する。

 まず、人が多い。旧正月はまだ終わっていないらしい。
 昨日の黄大仙よりも狭い分、人口密度が激しく高く感じられる。
 そして、来ている人一人一人が何やらお供えのようなものを作っていたり、お線香をたくさん買ったり、真剣にお参りしている。
 ちゃんとしたお作法は判らないけれど、そこに参加してみたい。外で売られていた「旧正月セット」のようなお供えはパスして、堂内で「無料だけど寄付してね」という感じに置かれていたお線香を幾ばくかのお金を寄付していただき、上に掲げてお参りした。

 やっと人心地ついた気がして写真を撮らせてもらっていたら、お姉さんに「スカートの裾!」と叫ばれた。
 この上に吊されたお線香は、何を考えたのか火がついている。
 頭上に渦巻き状になったお線香が下がっていたときに、これに火がついていて灰が降ってくるなんてことを想像する人がいるだろうか。
 でも、この赤いほのぐらい中に浮かぶ渦巻き状のお線香は、何だか異世界の感じがした。

エッグタルト 香港の街中には全長800mのエスカレーターが設置されていて、10時までは恐らくは出勤用に下り、それ以降は上りで運転されている。
 そのミッドレベル・エスカレーターの乗り場まで戻り、角にあったシアトル系のコーヒーショップに入った。
 11時近くなったところで休憩である。
 二人とも、エッグタルトの11倍の価格(笑)のカフェオレを頼み、「観光客だからいいよね。」と言い合って先ほど購入したエッグタルトを取り出し、一緒にいただく。
 クッキーっぽいサクサクしたタルトに、ちゃんと作られたプリンが詰まっている感じがする。美味しい。

 エネルギー補給後、ミッドレベル・エスカレーターを上がる。
 とりあえず、上がれるところまで上がり、帰りは歩いてこようということになる。
 途中、陶磁器のお店に立ち寄ったり、やけにアメリカンな感じの一角を通り過ぎたり、モスクに入り込んだりしていると、何だか自分がこの辺りの住人のような気がしてくる。

アパートネコ

 もちろん、住人ならこんなところで写真を撮ったり、ボンヤリ上から景色を眺めたり、ネコと遊んだりすることはほとんどないだろう。
 行きは何やら準備中といった感じでただ雑然としていた一角が、帰りには、12時過ぎていたこともあって、路地いっぱいに椅子とテーブルと屋台が建ち並んでランチタイムが開催されたりしているのも楽しい。

 かなり上の方まで上がったけれど、一体このエスカレーターはどこまで続くのかと不安になり、その不安がピークに達したところで歩いて戻ることにした。
 後で地図を見たところ、あと2〜3のエスカレーターを乗り継げば一番上まで行けたようだ。

 アッパーデッキのようなところを冷たいビル風に煽られながら歩き、セントラルからスターフェリーで九龍半島に戻った。
 13時頃にペニンシュラ・ホテルに到着し、一昨日に頼んであった妹のハンコを引き取りに行く。
 試し押しをした紙を渡され、縁起のいい字体にしてもらうと、新字体だろうが旧字体だろうがほとんど区別はつかないということが判る。
 できあがったハンコに同じ翡翠でできた朱肉入れをセットし、箱に入った姿はなかなか立派で満足である。

 ロビーでのアフタヌーンティは14時からだった。ホテルの人に尋ねたら予約はできません、時間になったら並んでくださいと言われる。
 フロントの辺りのソファでこの後の予定を立てつつアフタヌーンティの開始を待ち、14時ちょうどに入った。
 この時点では並んでいる人はいなかった。席についてアフタヌーンティ(220香港ドル)を注文し、落ち着いたところで周りを見渡したら10人くらいの列ができていて驚いた。

 香港に来た最大の目的のうちのひとつである、ペニンシュラ・ホテルのアフタヌーンティだ。
 お姉さんが、レパルス・ベイのザ・ベランダにしようか、インターコンチネンタル・ホテルで海を眺めながらのアフタヌーンティにしようかと色々と候補を挙げてくれた中から、伝統と格式を重んじてこちらを選んだ。
 何しろ、中2階のバルコニーで弦楽四重奏の生演奏が行われている。

アフタヌーンティー 周りのテーブルもほとんどこの「タワー」が置かれている。
 サンドイッチやキッシュ、スコーン、チョコレートやオレンジのパウンドケーキなど、完全に雰囲気に酔わされているなと自覚しつつ、どれも美味しい。
 何より、クロテッドクリームとイチゴジャムをたっぷりと乗せていただくスコーンが美味しかった。
 流石、ペニンシュラホテルのアフタヌーンティである。来た甲斐があった。

 地下のペニンシュラのショップにも行き、お土産を買い込んだ。
 バレンタインデーが近いので、妹夫婦へのお土産はチョコレートで決まりである。母からはジャスミンティーをリクエストされていたので、ネームバリューを頼ってこちらで購入する。
 私が一番気に入ったのは、お香とキャンドルのセットだ。

 その後で行った中国デパートで、お姉さんは、昨日の漢方薬屋で出してくれた梅のお菓子を購入していた。私はお買い物は自粛である。
 もっとも、自粛したのは中国デパートだけで、ドラッグストア「ワトソンズ」にまた行き、大量にタイガーバームの湿布などを購入した。
 大荷物になったのと、昼間のセントラルの冷たい風を思い出してこれからビクトリアピークに行ったら寒くなりそうな気がしたので、お姉さんにワガママを言い、いったんホテルに戻ってもらった。

 ホテルの部屋に落ち着いたのが17時頃である。
 お水を切らしていたので、ロビーの自動販売機で購入し(500mlで7香港ドル)、お茶を煎れてほっと一息ついた。
 シンフォニー・オブ・ライツの時間にはビクトリアピークにいたいねという話になり、ダウンの上着を持って18時30分にホテルを出発した。

オープントップバスバス待ち オリンピック駅からセントラルに向かい、ビクトリアピーク行きトラムの駅までノンストップで向かうオープントップバスを待つ。
 20分おきに運行されているという表示を見て安心したけれど、結局30分近く待ち、19時30分くらいにバスがやってきた。
 10人目くらいに並んでいたので、余裕で2階席の一番後ろの席に陣取ることができた。このバスもオクトパスカードで乗ることができる。

 やはりオープントップバスは楽しい。風に吹かれ、ライトアップされたビルを眺め、車のストップライトの赤い列を眺めながら高速道の高架をくぐる。
 他の乗客も立ち上がったり写真を撮りあったり興奮している感じなのが余計にわくわくさせる。
 10分程度で到着してしまうのが勿体ない。

 ピークトラムの乗り場も大混雑で、ディズニーランドのアトラクションのような列になっていた。
 その列の途中で、強制的にニセモノの「ビクトリアピークからの夜景」をバックに写真を撮られる。
 列の先でパソコンの画面に表示された写真を見て買うかどうか決めるシステムがなかなか合理的である。しかし、それでも60香港ドルは高い。

ビクトリアピークからの夜景 ちょうど、シンフォニー・オブ・ライツが始まるくらいの時間に獅子亭に到着できた。
 流石の人出である。昼間よりも夜の方が人が多いようだ。
 上から眺めるシンフォニー・オブ・ライツは、音がない分やっぱり地味で、でも昨日見覚えていた「がんばっているビル」がちかちか色を変えたり光ったりしているのを見つけると嬉しい。
 どうしても「人と夜景」を綺麗に撮ることができなかったのが心残りだ。
 1時間弱に渡って夜景を堪能し、夕ごはんを食べに行く。

 ピークトラムの麓の駅でタクシーに乗り込み、切り取ってきた雑誌を見せる。
 坤記●仔小菜(●は、保という字の下に火)という上環駅からタクシーで5分ほどだという炊き込みごはんのお店である。
 運転手さんがおもむろに虫眼鏡を取り出したときには微妙に不安を感じたものの、「60香港ドルくらいになるけどいい?」と聞かれて走り出した。いい運転手さんのようだ。

坤記●仔小菜 オフィス街なのか、周りのお店はすっかり閉まり、暗くなっている辺りにそのお店はあった。帰りのタクシーが捕まるかしら、でもトラムが走っているし、などと思いつつタクシーを降りる。
 そんな寂しい場所にあるのにお店は大混雑で満員だ。
 中国語と英語のメニューを示されたけれど、今ひとつよく判らない。

 炊き込みごはんが食べたいという意図だけは通じたようで、お店の人がどうも普通にお客さんらしいお兄さんを連れてきた。彼が英語と日本語(こちらは少し)をしゃべるかららしい。
 そのお兄さんが「僕はここに来ると鰻とスペアリブの炊き込みごはんを必ず頼む。他のモノは食べたことがないからよく判らない。」ともの凄いことを言う。
 そのお薦めに従い、鰻とスペアリブの炊き込みごはんを頼んだ。

炊き込みごはん 外のテーブルで食べている人もいたけれど、どうやら中の席が空いたらしい。
 野菜不足な感じもして、中国菜の炒め物を追加で注文する。熱いお茶は頼まなくても出てきたと思う。そのお茶をちょっと使って、出されたお皿やボールをすすがせてもらう。
 この炊き込みごはんは、炊き込みごはんと言いつつ、土鍋で炊いたごはんに具と特製のたれをかけまわしたごはんで、このお焦げが美味しい。大胆にぶつ切りにした鰻とスペアリブにかぶりつく。

 22時過ぎにこんなガッツリと食べていいのかと戦きつつ、ひたすら食べる。判りやすい青菜の炒め物も、見かけほど油っぽくなくて美味しい。
 私は少し残してしまったけれど、お姉さんは完食していた。骨はテーブルの上にそのまま出すのがお作法のようだ。
 これで110香港ドルである。

 帰りは、上環駅までタクシーで戻り、旺角駅で降りて、女人街をぶらついた。
 流石に22時45分頃という時間だと店じまいを始めているところが多い。私が覚えているのは、Tシャツ屋や、ヘアアクセサリーのお店、ニセモノのレスポのお店などだ。他にも色々なお店があったと思う。
 高いところにかけてあったTシャツを物干し竿でも扱うような道具で降ろすと、そこ縦1列のTシャツが全て降ろされる。そんな片付けの風景も楽しい。
 人出が多かったのと、ちょっと腰が引けてしまったのとで、写真を撮りそびれたのが残念である。

 23時半過ぎにタクシーでホテルに戻った。
 今夜と明日の朝用の水をセブンイレブンで買い、明日はホテル近くの、6時頃には閉まってしまうらしいお粥屋に行こうと目覚ましを5時45分にセットして就寝した。

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