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2009.04.29

香港旅行記4日目

2009年2月11日(水曜日)


 5時45分に起きて、宿泊したホテル近くにある●仔粥(●は、保という字の下に火)というお店に向かう。
 ここは、ぐつぐつ煮立ったお粥が鍋に入って供されるらしい。最後の朝食にうってつけである。
 ところが、お店は灯りがついているものの、テーブルと椅子が全て片付けられ、つなぎを着た人がうろうろし、お店の人と思しき数人はお店の奥の方に所在なげに立っている。
 どう見ても営業中のお店ではない。
 お姉さんがお店の人に声をかけてくれたけれど、英語が通じず、事情は判らずじまいだった。


お粥屋 しかし、朝ごはんは必要である。
 まだ真っ暗な中を少し歩いたところの一角にお粥屋さんがあった。
 テーブルでできあがるのを待ち、持ち帰ろうとしているお兄ちゃんたちもいる。
 買って帰って朝ご飯にしようとお姉さんと二人で衆議一決し、「極品海鮮王粥」(40香港ドル)というかなり贅沢な感じのお粥を二つ買ってホテルの部屋に戻った。
 お粥の他のメニューはこの半額以下のものがほとんどだったと思う。


海鮮王粥 ホテルの部屋に戻り、お茶を煎れ、朝食にする。
 お姉さん的には、この黒く転々と見える海老の目がダメだったらしい。全く平気だった私としては申し訳ない限りだ。
 海のものの出汁が効いていて美味しく、時間をかけてゆっくりいただく。それでもかなり大きな丼に入ったお粥は相当にたっぷりで、私は半分くらいのところでギブアップした。


 セーフティボックスを開けてパスポートなどを取り出そうとしたら、エラー音がして開けない。慌ててフロントに電話したところ、「すぐ行く。」という返事である。
 本当にフロントのお兄ちゃんがすぐに来て、ボタン操作だけで、特別の鍵のようなものを使うことは一切なくあっさりと解錠した。
 もちろん、暗証番号は伝えていない。
 迅速な対応は有り難い。しかし、セキュリティ的にどうなんだろうと思う。


 8時45分にチェックアウトし、最初の日にデポジットとして預けてあった300香港ドルを返してもらう。急にお金持ちになった気分だ。
 時間通りの9時に迎えのバスが来た。乗客は私たちを含めて6人くらいなのに大きな観光バスが来たのが不思議だった。どうやら帰りに大量のお客を運ぶためだったらしい。
 9時30分に空港に到着した。チェックインもあっという間に終了し、とっとと出国手続きを済ませる。


 後から思えばこれがいけなかった。
 しかも、デポジットの150香港ドルずつ、所持金が増えていたのもいけなかった。
 出発予定時刻の11時30分まで、お土産にタイガーバーム製のスクラブクリームや、ペニンシュラホテルのジャムなどを購入する。
 ペニンシュラホテルのお土産は市内と同額、スクラブクリームなどの「普通にスーパーやドラッグストアで買えるもの」は市内の方がもちろん安い。ただ「暴利だ!」と暴れたくなるような価格差はなかったと思う。


 ほんの気持ちだけ残額のあるオクトパスカードは、この後また絶対に香港に来るというお姉さんに譲る。返却すれば最初のデポジット分は返してもらえるけれど、役立ててもらえるならその方が良い。しかも、お返しにスタバでスイカジュースを買ってもらった。
 香港への出発前にお姉さんからスイカジュースをお勧めされていたのに、マンゴージュースに行ってしまい、スイカジュースを飲みそびれていたのでここで飲めるのは嬉しい。


 CI904便は定刻より20分ほど遅れて離陸した。離陸後30分もしないうちに機内食が供された。
 さすがは食の国、台湾の航空会社である。
 メニューは、焼きそば、レモンケーキ、ミネラルウォーターだった。食後にコーヒーをもらう。


 ほぼ定刻の13時5分に台北に到着し、AターミナルからDターミナルに移動するためのセキュリティチェックで悲劇は起こった。
 何も考えずにバッグをセキュリティに通したら、チェックしていたお兄ちゃんが機械を止め、ビニルに入ったジャムを取り出すと「これはダメだ。」という。
 台北の空港では、ターミナル間の移動の際にセキュリティチェックが行われていたことをすっかり忘れ、香港の空港で買い込んで手荷物にしていた。


 スクラブクリームは1個の容量が30mlだったのでお咎めなしだった。問題はジャムである。
 「香港の空港で買ったんだし!」と免税品店の袋を見せたり、「どーしてもダメ?」と表情で訴えたりしていたら、困った係官二人は少し偉そうなおじさんを連れてきた。
 お姉さんと二人、再びアピールする。
 でも、そのおじさんは容赦なく、「ここを見ろ!」とばかり、「ターミナル間の移動には液体規制がかかる」と日本語でも書いてある注意書きを叩き、最後には、ジャムの瓶を掴んでガシャンとそこに置いてあったバケツに投げ入れてしまった。


 二人でしばらくショック状態に陥った。
 行きはあれほど気にして気をつけていたのに・・・。己れのうかつさに腹が立つ。


 我々二人の状態に関係なく、飛行機は飛ぶ。
 14時5分にCI018便は台北を離陸し、日本時間の16時にきっちりと機内食が出された。コールスロー、チキン(ごはんとセット)orポーク(パスタとセット)、パン、チョコレートケーキというメニューである。
 ヤケになって、りんごジュースの他に白ワインももらって飲む。
 しかし、これは何ごはんなのだろう?


 定刻通りの18時に成田に到着し、エアポートリムジンで帰るというお姉さんと別れ、私はJRの乗り場に向かう。
 最後の最後にショッキングなことになった記憶はかなり鮮やかで、インパクトは絶大だ。
 しかし、この香港旅行は、美味しいモノをたくさん食べて、街歩きをして、ウィンドウショッピングをして、楽しかった。


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