香港旅行記1日目
2009年2月8日(日曜日)
ここのところツアーに一人参加で海外旅行することが多かったので、成田空港で誰かと待ち合わせをするのは久しぶりである。
安さを追求した結果、台北乗り継ぎで香港に行くことになった。9時40分発のチャイナエアラインでまずは台北に向かう。空港での集合は7時40分に指定されていた。
集合時間ぎりぎりくらいに到着したら、旅の相棒のお姉さんが現れない。
団体カウンターがかなり混み合っていたので、そのうち来るだろうと列に並んでみたものの、小心者の私としては周りが気になる。あと3人くらいになったところでお姉さんが登場し、ほっとした。
彼女の荷物の少なさにびっくりする。
私は迷った末にキャリーケースを転がして来た。彼女はスーツを入れるケースのような旅行バッグ一つである。
「ガイドブック持ってくるの、忘れたから〜。」と言われて思わずのけぞりそうになった。お姉さんは香港に慣れているし、最低限必要そうな情報はコピーしてきたし、どこかに観光案内所もあるだろうし、大丈夫だろう。
早めに出国審査を抜け、お姉さんの提案で免税品店に立ち寄って、二人でお世話になっている職場の方へのお土産として煙草を1カートン購入した。煙草代のほとんどが税金で占められているのは本当なのね、と納得するお値段だ。
機内用にペットボトルのお茶を買い、搭乗ゲートに向かった。オンタイムで乗り込んだものの、機内の設備が不調だったらしく、CI107便は30分遅れの10時10分に離陸した。
離陸して30分もすると機内食が出てきた。これは何ごはんなのだろう?
後方の席にいた私たちにはすでに選択の余地はなく、配られた機内食は、天丼、サラダ、パン、チョコケーキ、チーズ、クラッカーというメニューだった。飲み物は、白ワインとりんごジュースとコーヒーをもらった。
離陸時の遅れを20分取り戻して台北時間の12時40分に到着した。
台北の空港は、他のアジア諸国からの飛行機と日本からの飛行機とで到着するターミナルが異なっている。ターミナルを移動する際にはセキュリティチェックを受けなくてはならない。成田空港で化粧品を購入していたら没収だったわねと思う。
急いで移動し、香港行きのCI763便に乗り換えた。
13時40分に離陸したこの便でも、30分もたつと機内食が出てきた。
しつこいようだけれど、これは何ごはんなのだろう?
海鮮焼きそば、チョコケーキ、オレンジジュース、コーヒーというメニューを完食する。
現地時間の15時30分頃、香港に到着した。
直行便で来れば4時間超くらいである。この時間距離の差は安さで埋め合わせできるものなのか、ふと疑問を感じる。
香港の入国審査はあっという間に済み、「B出口でガイドがお待ちしています」と指示された場所に行ったものの、それらしき人がいない。
16時近くになってやっと香港人のガイドさんを発見することができた。その場には、マカオに直行する人も含めて10人くらいが集まった。
送迎バスに乗り込むと、ガイドさんから様々に注意事項が与えられた。
香港ではちょうど旧正月が終わって明日から学校が始まる人が多いため特に渋滞が激しくなると予想されること、普段にも増して車に注意する必要があること、水道水は絶対に飲んではいけないこと、財布には十分注意すること、明日の市内観光では時間厳守してもらいたいことなどである。
また、「銀行より(レートが)いいよ。」と両替の案内もあり、私たちはそれぞれ20000円を両替してもらった。このガイドさんのレートは、10000円=810香港ドルだった。
すでに日本で用意していた6000円相当の香港ドルを共用財布にしたレスポの三連ポーチに入れてある。そこに、二人とも810香港ドルずつを足す。そして、共用財布のポーチは私が持ち歩くことになった。
明日の市内観光の説明では、渋滞を回避するため、7時15分ホテルのロビー集合を言い渡された。
早すぎ!
この送迎バスには様々なプランの人が乗り込んでいたようで、ガイドさんは「観光内容をチェックさせて。」とグループ毎に確認を取り、「こんなのツマラナイから、そんなのよりもずっと楽しい、車じゃないと行けないところに案内しますから。任せて。」と言う。
任せてもいいけれど、それって旅程保証に反するのでは? と思う。
私たちの泊まるドーセット・カオルーン・ホテルが、空港から一番近かったらしい。
「私は他の人達を案内しなくちゃならないので。何かあったら携帯に電話して。」と言われてバスから降ろされ、そのまま荷物と共にホテルの入口に置き去りにされた。
別にいいけれど、何だか私たちに関しては放置してもいいと決めているような感じが釈然としない。
ホテルに到着したのは16時40分くらいで、チェックイン時にツアーなのにデポジット300香港ドルを要求された。やっぱり釈然としないまま、早速共用財布から支払ってチェックインする。
13階の部屋で、サイトでの口こみ評判どおりかなり狭い。バスタブもないけれど、3泊だし、二人だし、何とでもなるだろう。
アメニティや冷蔵庫、セーフティボックス、お茶セットなど一通りのものは用意されている。
1時間くらいホテルの部屋で荷ほどき兼休憩の時間を取った。
私が「妹の結婚祝いに、香港で新姓のハンコを作りたい!」と前々からワガママな希望を述べていたことをお姉さんはしっかり覚えていてくれて、今日中に注文すれば間違いなく日本に持って帰れると、まずオススメのペニンシュラホテル内のお店に向かった。
ホテルの最寄り駅は奥輪(オリンピック)駅で、15分ほど歩けば旺角(モンコック)駅に出ることもできる。
18時近いのに街はまだ明るい。
市場のように八百屋やお肉屋さん、雑貨屋さんが並んでいる通りがあって、ついフラフラと意味なく路地を曲がってしまう。
とんでもない高層ビルとごちゃごちゃした地べたに近い部分が混在しているのが香港の街、という感じだ。
香港リピーターのお姉さんから「このホテルの**号室で、ニセモノのブランド品が売られている。」なんていう情報が普通に教えられるところがまた凄い。
旺角駅でオクトパスカード(50香港ドル)を購入した。
香港の地下鉄やバスやトラムで使えるプリペイドカードで、すこぶる便利である。
2枚購入したうちの1枚がどうしても改札を通れず、もう1回窓口に戻って「これ使えないんだけど。」と文句を言ったら、あっさりと新しいカードに交換してくれた。しょっちゅう「使えない」カードが存在しているのではと疑うくらいのスムーズさだ。
(漢字を変換するのが面倒になってきたのでカタカナで書くことにして)地下鉄でチムサーチョイ駅まで行き(4.4香港ドル)、ペニンシュラホテルに向かう。
お姉さんに「ここは、正面玄関から入りたいわよね。」と言われ、ぐるりと正面に回り込む。
昔はこのホテルのすぐ目の前が海だったというから、埋め立てが相当に進んでいる。
ホテルの中2階にある「TANGS(タンズ)」という印鑑専門店に入った。
妹は丑年で、最初は牛の顔をかたどった彫刻がてっぺんについているハンコにしようと思って探したけれど、どうも牛というのは可愛らしく造形するのが難しいらしい。
諦めて普通のハンコにすることにして、散々迷った挙げ句に薄いグリーンの翡翠を選んだ。
メモに名字を書き、字体を選び、同色の朱肉入れとのセットで注文する。翌日の15時以降には受け取れるというから超スピードだ。
お店は19時で閉店だ。
私たちの前にハンコを購入している日本人の母子がいて、彼女たちはるるぶを見せて割引価格(10%引きだったか15%引きだったか)で購入していた。
面倒くさがらずにちゃんと持ってくればよかったなと思っていると、お姉さんが「さっきの人達と同じ本を持っているけど、ホテルに置いてきた。」とお店の人と交渉を始め、見事成立させて同じだけ割引してもらえることになった。流石である。
実は、るるぶは日本の私の家に置き去りにされている。
ペニンシュラホテルを出た頃には19時を過ぎていた。そのままハリウッドロードに向かう。
香港では毎日20時からシンフォニーオブライツというイベントが開催されている。そのメイン開場が、香港島と九龍半島に挟まれた海べりである。
続々と集まってくる人の数に押されながら特等席に陣取って10分ほど待ったけれど、何しろ海風が寒い。このままあと15分待つなんてとんでもないと、二人してあっさり日和った。
スターフェリーからシンフォニーオブライツを見るのも乙に違いない。
スターフェリー乗り場に行く途中、やけに明るい一角があった。
そういえば、香港ナビというサイトで見つけた事前情報で、今は元宵節(中国のバレンタインデー)の時期であり、街中がランタンで飾られているという話があった。
近づいてみると、どうも何かのお話に沿ってランタン(というか、イルミネーション?)が飾られているらしい。
ゲルがあったりラクダがいたり、モンゴルのお話のようにも見える。しかし、いかんせん知識がないものではっきりしない。
でも、綺麗だった。
一周してランタンを堪能してから、スターフェリー乗り場に向かった。
スターフェリー乗り場の入口のところにあった両替屋さんのレートは、10000円=845香港ドルだった。二人して「こっちの方が良かったじゃん!」と悔しがる。
スターフェリーは、九龍半島側の乗り場はチムサーチョイだけだ。香港島側はセントラルとワンチャイと乗り場が2ヶ所ある。乗船時間が長いことと、その後、お姉さんが「ぜひ行きたい」とチェックしていたレストランに近いワンチャイに向かう船に乗った。
スターフェリー乗船もオクトパスカードで可能である。
スターフェリーはちょうどシンフォニーオブライツの始まる20時に出航した。しかし、船上からでは今ひとつ派手な感じとかレーザー光線などが味わえなかった。残念である。
お腹も空いたことだし、ワンチャイからタクシーに乗って、南北楼というレストランを目指した。
お店はぴったりと扉を閉めていて、中の様子を見ることができず、一見、近寄りがたいように感じられる。
いざ入ってみればそれほど高級そうな構えの店内ではなく、日本テレビの「世界! 弾丸トラベラー」という番組で紹介されたこともあるため、テーブルの半分くらいは日本人だったかも知れない。
予約なしで、無事に空いていたテーブルに着くことができた。
メニューは英語と中国語だ。がんばれば大体の意味は取れる。少なくとも、メインの食材と調理法は判る。
このレストランの名物はエビチリだ。この写真では微妙に食べ散らかしてしまっている。
焼けた鉄板とお皿に盛られたエビチリが運ばれてきて、お店の女の子に紙ナプキンで服を覆えと手真似で指示される。
そのとおりにすると、じゃっと鉄板にエビチリが流され、じゅーっ、じゃーっ、パチパチパチともの凄い音がした。その美味しそうなこと!
お店のおじさんのお薦めに従い、エビチリの他に、麻婆豆腐(これはマイルドな辛さだと言われた)と、沼子青豆の炒め物と、ごはんをオーダーした。
この青豆の炒め物が肉みそのようなものと絡めて炒められ、絶品である。唯一の辛くないお料理だったし、二人ともどんどん箸を伸ばす。
アルコールはパスしてお姉さんお勧めの菊花茶を頼み、2人で515香港ドルだった。
大満足な美味しさとお値段である。
帰りは、地下鉄の銅鑼湾駅からオリンピック駅に戻った。九龍半島と香港島と行き来するといきなり地下鉄の料金も倍以上に跳ね上がる。何故なんだろう。
ホテル最寄りのオリンピック駅は意味なくデカイ。併設されているショッピングセンターはさらに意味なくデカイ。
ショッピングセンターに迷い込んだついでに、パン屋さんを見つけて明日の朝食を買い込む。4つ買って28香港ドルだったと思う。
ホテルの部屋にもティーバッグやインスタントコーヒーが用意されていたし、自分たちでもドリップコーヒーやお茶のティーバッグを持参していたので、部屋朝食の準備は万全である。
朝食の準備は万全なのに、ホテルが見つからない。そもそもホテルに近い出口がどこだか判らない。
こんなこともあろうかとフロントでホテルカードをもらったものの、私が地図と照らし合わせてうろうろきょろきょろしている間に、お姉さんがとっとと親切そうな女性を見つけて道を聞いてくれた。
そのおばさまは、「こっちにいらっしゃい。」と手振りで示して歩き始め、道を渡るときには「今よ!」という感じで先に立って渡り、ホテルのほぼ目の前まで連れて行ってくれた。大感謝である。
ホテルまで連れて行ってもらう途中、このガソリンスタンドは空港からホテルに向かう途中で目印代わりに覚えたんだよなー、とぶつぶつ言っていると、お姉さんに「よくそんなこと見てたね!」と言われた。しかし、辿り着けなかったのだから余り意味はない。
少し戻ったところにあったセブンイレブンでお水を買い(香港らしい銘柄を試してみようと、1.5L入りと1.8L入りの2本買って、22香港ドルだった)、23時くらいにホテルに戻った。
この日の香港の最低気温は19度、最高気温は24度だった。
香港の天気予報では「空気のキレイ度(汚れ度、かも)」も予報されていてびっくりだ。
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