河口湖旅行記2日目
2010年1月17日(日曜日)
昨日6時30分にセットしたモーニングコールで起き出した。
カーテンをばっと開けると、そこには雲一つない青空(というには、日の出前なのでちょっと紫がかっている)が広がり、富士山がばーんとそびえていた。
早起きした甲斐があったというものである。
しばらくぼーっと富士山を眺めていると、山頂付近の雪がうっすらピンクに染まり始めるのと同時に、河口湖の水面にゆっくりと富士山の姿が映し出された。
逆さ富士である!
慌てて「富士山がピンクに染まり始めたよ!」と母を呼ぶと、お隣のお部屋でも「逆さ富士が見られるぞ。」と誰かを呼んでいる声がしていた。
日の出時刻を過ぎると、やはりより一層、富士山頂付近の雪を染めるピンク色が濃くなったような気がする。
そして、逆さ富士というのは、ずっと見えているものではないらしい。
日曜の朝だったためか、湖面を揺らすようなボートは出ていなかったけれど、それでも、10分くらいすると逆さ富士は見られなくなってしまった。
しかし、この景色をお部屋のテラスから思う存分眺められたのだから満足である。
やはり朝の空気は冷たい。
「花火をご覧になる際にお使いください」と部屋に置かれていた粉末レモネードを作り、すすりながら富士山を眺める。
日の出の約20分後、明るくなった空を背景にして再び現れた「揺れる逆さ富士」を眺めて、「きりがないね。」と言い合い、朝風呂に出かけた。
もちろん、最上階にある大浴場からも富士山を眺めることができる。
風のテラス KUKUNAの大浴場は男女入れ替え制で真夜中に交代になる。今朝は昨夜とは違う大浴場である。
片方はスチームサウナ、もう片方はドライサウナが併設されている。貧血気味でサウナはほとんど使わない私にとっては、はっきり言って、あまり違いはない。
昨日の夕方に露天風呂に浸かっていたときが一番寒かったような気がする。今朝は、露天風呂に浸かっていてもあまり寒く感じない。
30分ほど、のんびり温まった。
旅行に出て、朝食を和食か洋食か選べるときは、母も私も何故か洋食を選んでしまう。
このホテルの朝食はビュッフェ式で、和食メニューと洋食メニューが両方用意されている。母も私も洋食メニューを選んでトレイに載せた。
8時30分頃に行ったらテーブルはほぼ埋まっていて、「窓際のお席が空いていないので・・・。」と案内された。富士山はお部屋から堪能したので、全く問題ない。
自家製プリンが美味しかった。
9時30分過ぎにチェックアウトし、送迎について聞くと、10時に駅までバスを出します、と言う。
途中にあるロープウエイに乗りたかったのでそこで降ろして貰えるか尋ねるとOKで、ロープウエイと、その近くから出港している遊覧船の割引券をくださった。
送迎バスの時間まで少しあったので、河口湖畔(といっても、ホテルの目の前の道路を渡ればそこが河口湖である)まで行ってみる。
このホテルでは「玄関前の横断」にとても気を遣っている。
駐車場から車を出そうとしているお客さんはもちろんのこと、私たちのように徒歩で道路を渡ろうとしている場合にも、ガソリンスタンドのお兄さん達のように道路を走る車を止め、渡らせてくれる。
恐縮の限りである。
そして、私の手元にあったカメラを見て「お二人で撮りましょうか。」とおっしゃってくださったのでお願いし、さらにその辺りをふらふらと歩く。
今日も岸に近い方の湖面には薄氷が張っている。
ホテルの方のお話によると、薄氷が張っているとなかなか「くっきりした」逆さ富士にはなりにくいそうだ。
駅までの送迎バスに乗り、ロープウエイ乗り場で降ろしてもらった。荷物をコインロッカーに預け(200円)、ロープウエイ(割引券利用で往復630円)に乗る。
その名も「カチカチ山ロープウエイ」である。
2台あるロープウエイの箱の上にも、それぞれやけに漫画チックなウサギと狸の人形が飾られている。
後になって知ったところでは、この「カチカチ山」の名前の由来は、昔話のカチカチ山の舞台であるということではなく、太宰治が書いた、昔話の「カチカチ山」を翻案した短編(「お伽草紙」に収録されている)の舞台となったのが、この天上山であるらしい。
そして、ロープウエイが219mの高低差を登り切ると、「富士見台駅」と名付けられたその場所からは、富士山が一望できた。
ホテルから見たときは、ちょうどこの天上山に遮られて見えなかった左側の裾野も全て見渡すことができる。
富士急ハイランドも見えるし、左手にやけに茶色く広く見える場所は恐らく自衛隊の駐屯地だろう。
こうして見ると富士山って扁平な感じがするわなどと勝手なことも思う。いくら眺めていても見飽きることはない。
昼近くなったら雲が出てくるかと覚悟していたけれど、裾野の方はともかくとして、富士山頂が雲に隠れる気配は全くない。
富士山に見とれてつい忘れてしまいそうになるけれど、この展望台からは河口湖の全景も眺めることができる。
こうして見ると、結構、大きな湖である。
そして、左奥に雪を被った山々を遠く望むことができた。あの山が何という山なのか、未だに判らない。河口湖からちょうど真西に近い方角だと思う。あれは何という山だったのだろう。
ロープウエイに乗って展望台に上がったら寒いだろうと思い、かつ、荷物になるのは嫌だったのでこの日は、ヒートテックのキャミソールに長袖のタートルネックシャツ、半袖のチュニックを重ねてさらにウールの長袖シャツを着込んでいた。
日向はこれだと暑いくらいだったものの、日陰に入ると途端に冷え込んで、これでもちょっと寒いくらいだった。
河口湖はイメージよりも、天気予報で聞いた最低気温と最高気温よりも、暖かい場所だ。
このロープウエイの終着駅から20分ほど徒歩で登ると天上山頂で、山頂には小御嶽神社があるらしい。
山頂からさらに三つ峠へ向かう山道が続いているようである。
「山登り」の完全装備をした年配の男性が5〜6人、山頂に続く道から降りてきて休憩していた。
霊験あらたからしい小御嶽神社にお参りしようかと少し歩いてみると、ご覧のとおりの雪道で、登りはともかくとして、単なるウォーキングシューズでは下りでコケることが目に見えていたので断念した。
1時間ほど主に富士山を堪能してカチカチ山を下りた。ロープウエイの湖畔駅でお手洗いを借りたら、便座が暖かくて驚いた。これで水道からお湯が出れば完璧なのにと思う。
10分ほどで来た河口湖周遊レトロバスに乗って、河口湖ハーブ館に向かった。(150円)
母が「河口湖を特集した旅番組で、一面のハーブ畑の向こうに富士山がそびえている景色を見た。」と言うので行ってみたけれど、どうも違う感じである。
そもそも、河口湖ハーブ館の裏手は普通の住宅街であって、「ハーブ畑が広がっている」わけではない。
後で確認したところによると、母がテレビで見たのは「河口湖ハーブ館」ではなく、河口湖自然生活館だったと思われる。
「住宅街から見える富士山」を眺めつつ、12時になったことだし、「お腹空いていないかも。」と言い合いつつランチをいただくことにした。
河口湖ハーブ館のすぐ裏手にある、レストラン・ロマランに向かう。
外観は普通の住宅街にある普通の一軒家だ。
ランチは、スープと自家製ハーブのサラダ、パンかまたはライスに、コーヒーまたは紅茶(ハーブティーもあったかも)が付いて、メインを4種類から選ぶことができる。
私は富士桜ポークのマンダリンソースを選び、母はスズキのソテー バターソースを選んだ。
美味しい!
パンも自家製で、ほかほかしているのを持ってきてくれる。真ん中に入れられた切れ目の間にバターを挟んだらあっという間に溶けてしまった。
これで1575円はお値打ちだと思う。大満足だ。
13時15分のレトロバスで河口湖駅に戻り(150円)、富士急の窓口で聞くと、高速バスに空きがあるという。
帰りは電車にしようかとも思ったけれど、来るときの高速バスが順調に走って快適だったし、電車だと乗り換えが面倒なので、バスで帰ることにした。14時10分発のバスのチケット(1700円)を購入する。
駅の中にあるお土産物屋さんで職場のお土産を買ったり、妹夫婦へのお土産(富士山をデザインした柄が付いた、印田のストラップにした)を購入したりした。
最後に、「何だか相似形だよ。」などと言いつつ、河口湖駅とその背後にそびえる富士山の姿を写真に納め、1泊2日の「富士山を満喫する旅」は幕を下ろした。
帰りの高速バスは途中で乗り降りした人も含め、乗客は5人いるかいないかくらいだった。
私たちが乗った方は2号車で、富士急ハイランドで追いつかれた1号車にもぱらぱらとしか乗客はいなかったように見えた。
何だか謎の運行状況の高速バスである。
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