奥日光旅行記2日目
2010年8月2日(月曜日)
旅行中の私にしては珍しく、5時30分くらいまで爆睡した。夜中に何度も目が覚めたり、夜明け前に完全に覚醒してしまったりすることが多いので、目が覚めて時計を見たときには、自分でもびっくりした。
1時間くらいゴロゴロうとうとしていたら母も目が覚めたようで、7時前に朝風呂に出かけた。
先客の方とは入れ違いだったので、またもや貸し切り状態である。
そして、お風呂のお湯の色が昨夜と違っていることに驚いた。
母は「光の加減なんじゃない?」と言っていたけれど、そんなことはないと思う。
左が8月1日の夕方、右が8月2日の朝に撮った露天風呂の写真で、光のせいだけではなく、お湯の色が明らかに違っている。
何だか「本物の天然温泉」の証拠のようで嬉しい。
朝ものんびりと温泉を満喫した。
温泉でのんびりし過ぎてしまったようで、朝食をお願いした8時に間に合わず、宿の方から2回も声をかけてもらった。
朝食もなかなかの豪華版だった。
温泉で炊いたおかゆが出て、それとは別におひつにごはんも用意される。
左奥にあるお鍋では、火をつけてしばらく待つとお豆腐ができあがる。こんな風にして作られたお豆腐を食べたのは初めてだ。温かいできたてのお豆腐は美味しい。
夕べ、あれだけお腹いっぱい食べたのに、この朝食も二人してぺろりとほぼ完食した。
朝食後、少し食休みをしてから、湯の湖一周の散策に出かけようとしたら雨が降っていた。
我ながら雨女パワー全開である。
「やむかなー。」などと言い合いつつお部屋でごろごろしていたら、雨も止んだようだったので、9時30分頃チェックアウトし、大きな荷物を預かってもらって散策に出た。
湯の湖に向かって歩いていたら、右手に日光湯元ビジターセンターがあった。ポツポツと雨も感じていたし雨宿りを兼ねて立ち寄る。
地図や、奥日光で見られる自然物の展示などがあって、なかなか居心地のよい空間である。
売店もあり、母はタオルマフラーを、私は、あまりに可愛かったので友人へのお土産にどんぐりのストラップを購入した。
ビジターセンターを出て、湯の湖一周遊歩道の出発点に着いた。
小学生の集団が左方向に向かって歩いて行ったので、私たちは右方向から回ることにした。
出発地点近くの湯の湖と、その時点での天気は、こんな感じである。
濃い碧の湖水がとても綺麗だ。
青空は見えず、空は一面の雲に覆われているものの、昨日の雨のおかげで緑は濃く、空気も冷たく澄んでいて、これはこれでなかなか気持ちがよい。
のんびり歩き始める。
歩き始めてすぐのところにあった湖畔のホテルがなかなかいい感じで、「来年はここに泊まろう。」と母と言い合った。
後で調べたら、そこは、休暇村 日光湯元だった。
休暇村の設備は確かに意味なく過剰に豪華だわ、と納得した。
休暇村の辺りまでは木道が敷かれ、そのうち土の道に変わった。
地面は湿っているけれど水たまりができるほどではなく、本当に湖がすぐそこに見えて、変化に富んだ道でなかなか楽しい。
お花はあまり咲いていない。その代わり、キノコが生えていたり、ほんの一部だけ紅葉が始まっている木があったりする。
ぱっと湖面の視界が開けると、水はあくまでも澄んでいて、遠くを眺めると深い碧色をしていて、とても綺麗だ。
湯の湖を一周するこの遊歩道は、ガイドブックなどではコースタイム1時間と紹介されている。
しかし、この時点ですでに歩き始めてから50分が経過し、ほぼ中間地点である湯滝にまだ到着していなかった。
そして、湯滝に到着する直前に、また、このマガモたちに心惹かれて足を止めた。
この写真に写っているのは(推定)母ガモで、彼女の視線の方向には子ガモたちが5〜6羽もいて、水流に逆らって泳ごうとしたり、泳ごうとして流されかけたり、何とか倒れている木に這い上って息を吐いたりしている。
これがまた健気で可愛らしい。
湯滝の真上に到着したときには11時を回っていた。
ちょうど、歩き始めて1時間だ。コースタイムの倍の時間がかかっている計算で、亀の歩みもいいところである。
母と「去年もここまでは来たね−。」「ここから私たちは滝の横の遊歩道を下ったのよね−。」などと言い合う。
湯の湖一周遊歩道は、ここまでは「山の道」で、ここからは「花の道」となる。
これまでだってほとんどアップダウンはなく、さらに平らに歩きやすく、木々が少ないので視界が開けた道となる。道路にも近くて自然の風情は減ってしまうところがちょっと残念だ。その代わり、変化があって楽しい。
辛うじてこんなお花も咲いている。
雨に濡れた風情がなかなかいい。
後半の方が歩きやすかったからか、笹に埋もれていた兎島に行く道を省略したためか、湯滝から45分くらいでスタート地点に戻ってきた。
この左下に写っている紫陽花に似たお花は、途中の説明板でお花の名前を確認したものの、遊歩道を一周して戻って来たときには、母子ともども忘れていたというお花である。
一度は覚えたこのお花の名前は何だったろう。
時刻表を見ると、12時湯元発のバスがあった。
今は11時45分だから、急げば乗れそうである。
私は宿に荷物を取りに行き、母は「つるやの塩羊羹本舗」に羊羹を買いに行った。
昨日バス停から宿まで歩く途中に見かけた「つるやの塩羊羹本舗」には「売り切れのため閉店」「予約してください」といった張り紙があったけれど、まさか平日の午前中に売り切れ寸前になると誰が想像するだろう。
母によると、店内には予約分の他はあと1竿が残るだけだったそうだ。母より前にお店に入ったご婦人がいらっしゃったけれど、母が「今日帰ります。」と言うと「私は明日までいるから。」とその最後の1本を譲ってくださったという。
有り難い話である。
こうして念願の塩羊羹を手にしてバスに乗り、中禅寺湖に向かった。
途中、「中禅寺金谷ホテルに泊まってみたいね。」などと言い合っているうちに、私たちだけを乗せたバスは40分ほどで中禅寺温泉のバス停に到着した。
大きな荷物をコインロッカーに預け、中禅寺湖名産の鱒をランチにいただくべく、傘を差してレストラン・メープルに向かった。
雨はアスファルトの道に当たって跳ねるくらいの降りになっている。
ランチメニューにニジマスとヒメマスとがあって、お値段でいうと倍以上違う。
私の舌でそれだけの違いがちゃんと味わえるのか、かなり疑問がありつつ、ヒメマスは通常は川を下って鮭になること、中禅寺湖は水温が1年中低いので川を下らずにマスのまま一生を過ごすお魚がいること等々が書かれたメニューを見れば、ヒメマスを食べてみたいに決まっている。
母と二人、ヒメマスのスモークと、ヒメマスのムニエルを注文した。
スモークをいただいた母によると少し塩気が強かったらしい。しかし、もちろん美味しくいただいた。
食後のアイスコーヒーをいただいていたら、雨も少しだけ小降りになったので、このまま立木観音まで歩いた。
立木観音は、正式名称は「中禅寺」であるようで、日光山輪王寺の別院に当たる。
ご本尊は、日光山を開山した勝道上人自身が、ちょうどこの千手観音の肩幅の太さがある木が根付いた状態で彫ったもので、そこから立木観音と呼ばれている。
11面のお顔はそれぞれ喜怒哀楽を表し、47本の手を持っている、などという知識は、案内の方がついて説明してくれた。
立木観音から階段を上ったところにある五大堂には五大明王がお祀りされている・この5人が揃ってお祀りされているのは実はとても珍しいそうだ。
この五大堂の天井に描かれている雲龍図もなかなか立派である。
そういったことも、先ほどとは別の案内の方が説明してくださった。
五大堂でこちらのお寺のものだというお線香を買い求め、ご朱印帳を持って来なかったことを残念に思いながら外に出ると、中禅寺湖が目の前に広がっていた。
晴れていれば、中禅寺湖だけでなく、白根山、男体山、戦場ガ原まで一望できるという。
立木観音前のバス停から中禅寺温泉に戻った。フリーパスを持っているので、気軽にバスに乗れるのが有り難い。コインロッカーから荷物を出し、14時40分発のバスで日光市街に降りた。
神橋のバス停で降りたものの、「金谷ホテルでお茶しましょう」というほどお腹はまだ空いていない。
立木観音でお線香を購入したので、輪王寺には寄らなくてもいいかな、という感じである。
そのまま駅に向かって歩き出し、三ツ山羊羹本舗に立ち寄った。
神橋と東武日光駅を結ぶ道路沿い、それも神橋に近い辺りには、何軒も羊羹屋さんが並んでいて、母はこちらの三ツ山羊羹本舗がお気に入りだ。
何度か来て、いくつかの羊羹屋さんの羊羹を買って食べ比べ、ここの羊羹が一番美味しいと思うと言っている。
一口羊羹10個入りを5箱も買うと言われたときには、思わず「私は持たないからね!」と宣言してしまった。
さらに駅に向かって歩き、湯波の海老屋長造で再び足を止めた。
もちろん、さしみ湯波を購入する。
発泡スチロールの箱に入れてもらうのに少し時間がかかってしまい、外に出ると雨が降り出していた。向かい側のバス停に何人か人が待っているなと眺めていると、ちょうどそこに、日光行きのバスがやって来た。慌てて道路を横断し、そのバスに飛び乗る。
東武日光駅に到着して時刻表を見ると、16時30分下今市発のきぬ132号に接続する普通電車が16時20分に発車するようだ。
スペーシアの特急券を購入し、時間があったので、駅のすぐそばにあるカフェ明治の館に向かう。
カフェ明治の館では、1階はショップとカフェの注文を取るようになっており、2階に席がある。
二人ともチーズケーキの「ニルバーナ」とアイスカフェオレを注文した。
このチーズケーキが美味しい。さっぱり爽やかで、でも濃厚なチーズの味がする。
今まで食べた中で一番美味しいチーズケーキなんじゃないかと思う。
思わず妹に電話して「これからチーズケーキを送ったら食べる?」と聞き、半ば強引に送りつけたくらい美味しかった。
東武日光駅の売店で、日光鱒鮨本舗の「鱒寿し」を夕食用に購入し、帰路についた。
この日の夕食は、この鱒寿しと生湯波のお刺身という日光尽くしのメニューだった。
「鱒寿し」は、分厚く切られた鱒がたっぷりと載っていて、とても美味しかった。
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