« ツアーの添乗員から電話が入る(蔵王) | トップページ | 鹿児島旅行記の入口を作る »

2012.02.18

鹿児島旅行記3日目

2011年11月29日(火曜日)

 今日も6時に目が覚めた。昨日よりもぐっすり眠れたような気がする。
 母と二人で元禄風呂に行くとき、部屋から到着するまでの時間を計ったら、8分だった。広い宿である。お風呂は昨夜とは打って変わった混雑具合だ。
 一通りの内風呂は昨日試したので、露天風呂でゆっくりする。元禄風呂は確かにフォトジェニックだけれど、きらびやかすぎてちょっと落ち着かない気もする。

日の出

 お部屋に戻って日の出を待つ。水平線近くを雲が覆っていて、くっきりした日の出を見ることはできない。それでも、海がどんどん明るく青くなっていって、雲が切れたところから日が差すのを眺めているのはなかなか楽しい。
 時々、鳶が待ってきて、「ぴーひょろろ」と鳴いている。本当に「ぴーひょろろ」と聞こえた。

朝食 海をのんびり眺めてから、7時30分頃に朝食をいただいた。昨日とは別のテーブル席で、そういえば久しぶりのビュッフェではない朝食である。
 和朝食のお膳が運ばれてきて、いつもは洋食の朝ごはんを選ぶ私だけれど、こういう朝ごはんもいいなぁと思う。
 シンプルで贅沢な朝食だ。しっかり完食した。

 朝食から部屋に戻る途中でホテルの売店に立ち寄り、お土産をいくつか購入する。
 お部屋に置いてあった「雅の宿」というお菓子が美味しかったので、これを職場のお土産にしようと買い求める。指宿白水館オリジナルのお芋のお菓子で、紫いもと普通のお芋の練り切りを少し焼いた感じの上品なお菓子である。2.5cm角くらいの大きさで、一口サイズなのもよい。
 母は妹のところに、義弟の実家の分も含めてお土産を送ることにしたようで、何やらたくさん買い込んでいた。

海 再び、お部屋からの海の眺めを堪能する。
 どうした加減なのか、明るい光が一筋だけ海を照らしていて、それが何だか異様なくらいに綺麗だった。
 9時にチェックアウトしてタクシーで駅に向かう。タクシーの運転手さんに「鹿児島市内でお昼ごはんを食べるとしたらどこがいいですか。」と聞いてみる。運転手さんは鹿児島市内の観光名所を巡るお仕事も多いそうで、「連れて行って喜ばれなかったことはない。」という太鼓判とともに、天文館の熊襲亭を紹介してくれた。「指宿の**タクシーの人に紹介してもらったって言えば、悪いようにはされないよ。」とのことだった。有り難い。
 9時31分発の快速電車は始発だ。ホームには電車を待つ人が結構たくさんいて、10分前から並んで何とか座ることができた、ラッキーだった、という感じの混み具合だ。
 やはり、指宿のお客さんが相当に増えているということだろう。

 鹿児島中央駅で大きな荷物をコインロッカーに預け、シティビューバスで仙巌園に向かった。友人から桜島ビューポイントとしてお勧めしてもらった場所である。友人は「磯庭園」という呼び名で呼んでいたように思う。
 薩摩藩島津家の別邸として造園された仙巌園は、その中に「磯御殿」と呼ばれる屋敷があり、見学することができる。しかし、もうすでに11時半を過ぎていたし、私たちは磯御殿なしのチケットを購入した。庭園コースは1000円、御殿コースは建物内部の案内と抹茶とお菓子がついて1500円である。次の機会にはぜひこちらを選びたい。

菊人形 仙巌園では一昨日まで菊まつりが開催されていて、菊の鉢植えや菊人形が少しだけ残されていた。ちょっと嬉しい。
 この仙巌園で大河ドラマ「篤姫」のロケも行われていて、やはり主役は島津斉彬と篤姫の父子である。
 入口でもらったパンフレットに載っていた「庭園1時間コース」を巡ろうと、紹介されている順路通りに進み始める。1時間後のシティビューバスで天文館に戻ろうと思っているので、かなり早足である。

桜島噴煙 正門を見て、まずは高いところで桜島を眺めようと、松風亭のあるところを目指して上がり、ふと振り返って驚いた。
 桜島から黒い噴煙が上がっている!
 音は聞こえなかったし、振動もなかったと思う。
 母は妹に見せようと、携帯カメラで苦心しながら写真を撮っている。
 そして二人で「今日のこの時間に桜島にいなくて良かったね。」と言い合う。ここ仙巌園ではまだとりあえず「凄い! 噴煙が上がってる。」と騒いでいればいいけれど、その足もとにいたら相当大変だったのではないだろうか。

錫門千尋巌

 じっくりと桜島の様子を堪能した後は、散策コースに戻った。その昔は藩主とその嫡男しかくぐれなかったという錫門を通り、磯御殿の庭先にちょっとだけお邪魔する。見た感じ、簡素な建物のようだ。きっと内部に贅をこらしてあるのだろう。
 ここまで来ると曲水の庭も見てみたいと先を急いだけれど、やはり曲水の宴は夏のものだし、当然のことながらお庭も夏に華やかなように造られている。秋も遅い時期だと寂しい印象の方がずっと強くなると判った。
 そのまま千尋巌という3文字(3文字の全長が11mあるそうだ)が刻まれた大岩を見上げるポイントや、大河ドラマ「篤姫」のロケが行われたという小さな川に渡された石の橋を通り、汗だくになりながら歩いた。
 やはり、母と私の組み合わせだと、コースタイムの1.5〜2倍の時間を見込んでおく必要がある。

 仙巌園にはザ・仙巌園ギャラリーという薩摩切り子のお店があって、最後にそこを覗いた。
 黒い背景にスポットを浴びて浮かぶ切り子はやはり綺麗である。確かガラスで赤い色を出すには金を混ぜると聞いたことがある。その真偽はともかく、確かに同じデザインで色違いのものを見てみると、赤いものが他よりもお高くなっている。
 こんなお猪口でお酒を飲めば美味しいだろうと思うけれど、我が家は家でお酒を飲むこともないし、かなりいいお値段だったので、断腸の思いで諦めた。

 尚古集成館を見学する時間はなかったので外観だけを見てバス亭に戻った。指宿のタクシーの運転手さんのお勧めに従い、熊襲亭でお昼をいただくべく、天文館に行く。
 シティビューバスが、同じ道を往復しているだろうに、行きと帰りで所要時間が全く違って驚いた。

きびなご鶏飯

 タクシーの運転手さんにはコースをおすすめして貰ったけれど、朝ごはんをあれだけたっぷりゆっくり食べてしまうと、13時になってもさすがにそこまでお腹は空いていない。
 私は少しでも軽くと思って、鶏飯定食をお願いした。キビナゴのお刺身、黒豚味噌、さつま揚げ、鶏飯、香の物、二色の芋羊羹という内容だ。
 母は「熊コース」という、きびなごの刺身、さつま揚げ、ムカゴ、ゴーヤの炒め物、黒豚のトンコツ、御飯、さつま汁 、香の物、二色の芋羊羹という鹿児島の郷土料理揃い踏みのコースを頼んでいた。

 鶏飯は初めてだったので、食べ方を教わった。御飯の上に具を載せて、お鍋で出てきたお出汁をかけていただく。美味しい。
 母が食べていた黒豚のトンコツもらって食べたら、とろとろで美味しい。こちらはお土産も売っていたので、思わず買い求める。帰宅後、空港で買い求めた鹿児島ラーメンに乗せ、鹿児島尽くしにして美味しくいただいた。

 「こんなに灰が降っていたんですね。」と驚くお店の方に送られ、天文館のバス停までの道を教えていただいて、店を出た。
 14時近い。
 市電を利用するよりもバスを利用する方が早く駅に戻ることができた。

 駅では、鹿児島空港に行くバスの時間まで余裕があったので、お土産を色々と買い込んだ。
 さつま揚げや知覧茶、鹿児島ラーメンなど、冷静に考えればどうしても今ここで買わなくてはいけないものではないけれど、やっぱり旅の終わりには買いたくなる。
 コインロッカーから荷物を出し、どうがんばっても一つのバッグに収められないくらいに増えた荷物に悪戦苦闘しつつ、鹿児島空港に向かった。

シロクマ 15時15分過ぎくらいに鹿児島空港に到着した。帰りのJAL1874便まで1時間以上ある。母に聞くと、空港の目の前にある西郷公園には行ったことがあるし、足湯は面倒だとおっしゃる。
 それならばと、カフェというかファミリーレストランっぽいお店に入って、シロクマをいただいた。これも友人が授けてくれた「旅の知恵」である。
 11月の鹿児島は、かき氷を食べるのに抵抗がないくらい暖かく、そしてこのシロクマは、他のかき氷を食べるときとは違って、何故かキーンとならない。
 母にもシロクマを勧めてみたところ、「そんなに冷たい物は食べられない。」と言い、紫いもアイスを食べていた。味見させてもらったら、こちらも美味しかった。

桜島 帰りの飛行機の窓から、最後にもう一度、桜島を見ることができた。
 相変わらず、噴煙を上げている。

 こうして、2泊3日、超駆け足で桜島尽くしの鹿児島旅行は終了した。
 心残りといえば、黒豚のとんかつを食べ損ねたことくらいである。

 鹿児島旅行記2日目 <-

|

« ツアーの添乗員から電話が入る(蔵王) | トップページ | 鹿児島旅行記の入口を作る »

旅行・地域」カテゴリの記事

*201111鹿児島の始末」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鹿児島旅行記3日目:

« ツアーの添乗員から電話が入る(蔵王) | トップページ | 鹿児島旅行記の入口を作る »