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2012.05.17

姥湯温泉旅行記2日目その1

2012年5月5日(土曜日)

 私自身は目覚まし時計もその代わりになるものも持っていなかったので、お二方の携帯電話で目覚ましを5時半にセットしていただいていた。
 寝る直前まで部屋の暖房を設定温度24度で動かしていたし、お布団は毛布に羽毛布団でこの毛布が暖かい。窓から冷たい空気が落ちてきているような気がしつつも、暖かく寝むことができた。暖かすぎて、朝、目が覚めたときには毛布を蹴っ飛ばしていたくらいである。

 目が覚めると外はもう明るくなっていて、障子を開けると結露ができていた。相当の強風で寒そうである。渓谷のはるか先、山の方から日が射しているのが見える。しまった、日の出を見そびれた、と思う。
 恐ろしいことに小腹が空いていたので、お茶をいれ、「おめざ」と称して昨日食べ切れなかった力餅をいただいた。少し固くなっていたけれど、やっぱり美味しい。

内湯 この強風では露天風呂は辛かろうと内湯に向かった。
 昨夜よりも湯温が下がっているような気がする。夜の冷気に触れ、ここまで流れ込んでいる温泉の温度も下がっているようだ。
 露天風呂に行ってらした方が「寒くて寒くて。」とおっしゃりつつ内湯に入りにいらっしゃった。露天はもっと湯温が低くなっているだろうし、この強風ではむべなるかなという感じだ。
 朝風呂はさっとあがろうと思っていたのに、つい、汗ばむまで入ってしまった。

朝食 朝食は、夕食と同じ広間で7時15分からである。送迎車で出発する人から先に案内しているようで、少し早めに朝食を食べ始めることが出来た。有り難い。
 お味噌汁がお鍋で出てきたのが嬉しい。熱々を飲める。各自で干物を焼く朝食は伊豆のどこかの宿であったけれど、朝食のお味噌汁を各自で調理というのは初めてだった気がする。
 朝食後に割とすぐ出発なので腹八分目で抑えたら、お姉様方お二人に怪訝な顔をされた。よっぽど大食漢だと思われているらしい。

スタンプ帳 部屋に戻るとお布団が片付けられていた。
 歯磨きや最後の荷造りをし、お二方が寛いでらっしゃる間に先に会計を済ませる。このメンバーで旅行するときは、定額を3人で出し合ってその共有財布を私が管理するのが定番だ。
 お会計のときに、日本秘湯を守る会のスタンプ帳を頂いたのが嬉しい。
 日本秘湯を守る会の会員宿に泊まるごと(ただし、朝日旅行以外の旅行社を通した場合には押してもらえない)スタンプを押してもらえ、有効期間の3年の間に10軒分のスタンプが溜まると会員宿に1泊無料で宿泊することができる。
 ぜひ達成したい。

 宿の方は「いつもこんなに寒いわけではないけれど、春先はやはり寒暖の差が激しい。寒いときにはこれくらい寒くなる。」とおっしゃっていた。GWは「春先」なのか・・・、と思う。
 あまりの寒さにヒートテックのタンクトップに長袖のタートルネックシャツ、フリースにレインコートのジャケットを重ね着し、7時50分、送迎車に乗り込んだ。

 一度来た道なので帰りは早く感じる。実際、下り坂だし行きよりは早かったと思う。行きの車の中で爆睡されていたお姉様が「腹八分目って言っていた意味がやっと判ったわ。」とおっしゃっる。道は舗装されているけれど、かなりくねくねとしている。そして、狭い道ゆえにスピードの変化も大きい。
 8時41分発の電車まで20分くらいは余裕がある感じで駅に到着したと思う。線路の向こう側の桜が昨日よりも色濃くなっているのが不思議なくらいの寒さである。
 せっかく持っているのだからと、更にレインパンツも重ね履きし、ホーム上の待合室に入って電車を待つ。
 ホーム端のお手洗い横の水道に「11月から3月までは凍結防止のために水を止めます」という張り紙があった。

 やっと来た電車に乗って米沢まで、米沢駅で乗り換えて赤湯駅まで行く。標高が下がれば暖かくなるのではないかと思ったけれどとんでもない。寒いままだ。
 赤湯駅に9時26分に到着した頃、これから追いかける観光バスのガイドさんから電話が入った。私は携帯電話を持たないので、了解をもらって同行のお姉様方の番号を知らせてある。観光バスはちょうどその時間に烏帽子山公園に到着したらしい。「追いかけます。」と答えてもらう。

八重桜 タクシーで烏帽子山公園の大型バス用の駐車場に到着すると、そこに大型バスは1台しか停まっていなかった。間違いなく、この山交バスの観光バスが私たちが追いかけてきた観光バスである。バスガイドさんに挨拶し、代金(1人3500円)を支払ってバスに乗り込む。
 烏帽子山公園の桜は、タクシーの運転手さんが言っていたとおり、見事なくらい散ってしまっている。ツアーの方々も集合時間前に三々五々戻っていらっしゃったようだ。
 駐車場の周りでぽつんと八重桜だけが花を咲かせていた。
 私たち3人が加わって総勢22人が揃った観光バスは、次の目的地である伊沢の久保桜に向かった。

伊佐沢の久保桜 伊佐沢の久保桜という一本桜は、小学校のすぐ隣にあった。周りを木道で囲われ、60本という支えの木で何とか立っていられるという満身創痍の様子である。
 そして、キッパリと桜は終わっている。桜吹雪も舞わないくらいの残り方である。
 でも、(強がりのような気もしなくもないけれど)葉桜になりつつある今くらいの状態の方が、その枝振りがはっきり判って、樹齢1200年の重みを感じることができるように思う。
 バスガイドさんも「先週来たときは咲いていなかったのに、今週来てどうして散ってしまっているの!」と叫んでいた。もうほとんど悲鳴交じりである。

 花咲かじいさんの格好をしたボランティアガイドの方の説明によると、3本のように見えるこの桜は実は1本の桜で、江戸時代にその根元で焚き火をした人がおり、その火事が原因で分かれてしまったという。
 実は説明を聞いているときにはこの「江戸時代」というのを聞きそびれ、かつガイドさんが「ホームレスの人が。」とおっしゃったものだから、私はてっきりここ10年くらいの話だと勘違いしていた。だから、さらに強く、「何ということだ!と憤りを感じていたと思う。
 その後は地元の方が保護に努め、再生しつつあるそうだ。
 駐車場から桜まで売店が並び、そこで桜保護のための寄付金を集めていた。心ばかり寄付して、カードをいただいた。

 ここで説明を聞いて初めて知ったところによると、桜は古木になると中心部が洞になってしまうので、幹の内部から不定根と呼ばれる根を発生させて地面に伸ばして太らせ、世代交代を行うそうだ。
 伊佐沢の久保桜はその内部が火で焼けてしまっているので、不定根を発生させにくい状況にあり、樹にも勢いがないという。それはそうだろう。
 平成18年からこの不定根を発生させる「治療」が行われており、シートで覆われているのは治療中の部分だそうだ。ぜひ元気になってもらいたい。

 この後は、フラワー鉄道長井線の長井駅から荒砥駅まで乗車する。硬券の記念乗車券がもらえるのが嬉しい。そして、懐かしい。
 長井駅に来たのは、2月に蔵王に樹氷を見に来たとき以来だ。そのときは雪が積もっていたけれど、当然のことながら、今は雪も溶けている。そして、電車を待っている間に、青空が広がってきた。
 私はどうやら長井鉄道限定晴れ女らしい。
 雪景色も良かったけれど、青空に映える山並みや、たんぽぽや濃いピンクの花(梅か桃か、木の花であることだけは間違いない)とまっすぐ伸びる線路もまたいい感じである。

長井駅長井駅

 今日の長井鉄道は1両編成で、車掌さんの乗務はなしだった。ちょっと残念である。
 運転席の後ろに陣取って、しばし車窓を楽しむ。車窓からは満開の(ような)桜を何本か見ることができた。「THE 田園風景」といった景色も清々しい。
 乗車時間20分、11時33分に電車は終点の荒砥駅に到着した。

鮎そば 先回りしていたバスに乗り込み、道の駅白鷹やな公園に向かった。昼食タイムである。
 集合が50分後と意外と時間がないので、まずはあゆ茶屋に向かう。かなり混雑していたけれど、早めにお店に入ったこともあって、割とすぐにテーブルに案内してもらうことができた。
 イチオシらしいあゆ定食を食べている人が多く、見るからに美味しそうだ。でも、そんなにたくさん食べるお腹の余裕も時間もない。

 私は鮎そばを頼んだ。焼いた鮎がおそばに丸々一匹入っている。香ばしくて美味しい。お二方は、鮎の塩焼きとざるそば、鮎の塩焼きと山菜蕎麦という組み合わせでオーダーしていらした。その手があったか! と思う。
 窓から見えた行列の先では、山菜汁が無料で振る舞われていた。その他、鮎の塩焼きはもちろんのこと、豆腐の味噌田楽や鮎ごはん等々も販売されている。屋台ごはんも美味しそうだ。

鯉のぼり ごはんを食べ終わって、車窓からもあゆ茶屋からも見えていた鯉のぼりを見に行くと、突然、突風のような強い風が吹き始めた。
 最上川を遡るように並んだ鯉のぼりも一斉に泳ぎ出す。最上川の水量も相当に増えていて、ヤナ場には上流から押し流されてきたのだろうごみが溜まっている。
 濁流の上、桜吹雪の中を泳ぐ鯉のぼりに見とれた。
 そして、何より嬉しかったのは、この風で完全に雲が吹き飛ばされたことだ。

 13時前に道の駅を出発し、バスガイドさん曰く「食事の後はスイーツですよね。」ということで、やまり菓子舗へと向かった。
 バスガイドさんお勧めのもっちりどら焼きと蕎麦饅頭は、残念ながらどちらも売り切れてしまっていた。かなり蕎麦饅頭に心惹かれていたので残念である。
 気を取り直して、試食した桜羊羹に心惹かれつつ、ずんだ豆餡のお饅頭と、桜の花を閉じ込めた桜ゼリーを購入した。

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