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2012.09.17

「女ひとりで海外団体ツアーに参加してます」を読む

 最初に本屋で見かけたときは、そうか、女ひとりで海外団体ツアーに参加するって、漫画になって本になってしまうようなことなんだ、とちょっと驚いた。
 確かに、友人でこれをやっている人はあまりいないし、私が参加したツアーでも、一人参加は自分だけということもあった。まだまだ少数派であることは否めない。
 けれど、逆に、8人のツアーで4人が一人参加でかつ全員女性というツアーもあったし、9人のツアーでご夫婦一組以外は全員一人参加というツアーもあったから、行き先によっては(特にいわゆる秘境系については)事情は大分変わってきたと言っていいと思う。

 そんなわけで「同じことをやっている人」の経験談や考えていることが判れば楽しいくらいに考えて購入し、一気読みしてしまった。分量的にもそう多くはない。
 どちらかというと「旅行」よりも「団体に一人」の方に力点が置かれている。プラスして、著者の体験談プラス、旅行会社広報担当の方や旅行ジャーナリストの方の説く「一人参加の心得」なども載っている。
 いわば、「女ひとりで海外団体ツアーに参加しても大丈夫!」とあなたの背中を押しますという本だ。
 何回かやってしまっていると、「おぉ!」という発見はそれほどない。
 つまるところ、団体ツアーに一人参加で楽しめるかどうかはその人自身のキャラによるのだな、という身も蓋もない結論に落ち着く。

 とりあえず、医療従事者の方がツアーにいると安心とやっぱり思ってしまうのだけれど、みんな揃って休暇中なんだから、という当たり前のことをもう一度己に言い聞かせなくてはと思ったのだった。

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2012.09.15

月山・鳥海山旅行記の入口を作る

弥陀ヶ原 ここは、母と出かけた月山・鳥海山旅行記への入口である。
 バスガイドさんに「みなさん、どこに行かれましたかとお尋ねすると、東北ってお答えになるんですよね。」と嘆かれたけれど、福島と宮城と山形と秋田と4県をまたいで旅すれば、そう答えなくなる気持ちも判って欲しい。
 でも、バスガイドさんに敬意を表して、この旅行記のタイトルは「月山・鳥海山旅行記」である。

 以下の日程の日付部分をクリックすると、その日の旅行記に飛べるようになっている。

 この2泊3日の旅行にかかった費用は、一人分約66000円だった。ここには、ツアー代、保険料(母のみ)、食事・おやつ・飲み物代、整備協力金等が含まれているが、お土産代は含まれていない。

1日目 2012年7月26日(木曜日)

2日目 2012年7月27日(金曜日)

3日目 2012年7月28日(土曜日)

 

持ち物リスト(月山・鳥海山編)

 

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月山・鳥海山旅行記3日目

2012年7月28日(土曜日)


ホテルの窓から 6時に目が覚めた。いいお天気である。
 泊まった部屋の目の前はスキー場のゲレンデで、その向こうに山も見える。
 そそくさと身支度をして温泉に行く。相変わらず滅茶苦茶体が温まる温泉で、お湯が熱めという訳ではないのに、10分くらいであがった。ひたすら長湯の私にはかなり珍しいことである。
 東北の温泉は強烈だ。


朝食 丁度この日は、ロンドンオリンピックの開会式だった。テレビをつけると、入場行進の様子が映し出されている。
 母と私のボストンバッグのうち片方にもう使わない荷物を詰めて送ってしまおうと相談がまとまり、その入れ替え整理もしつつテレビを眺め、ホテルのフロントに宅急便をお願いし(翌日到着で1160円だった)、日本の入場行進を見てから朝食に向かった。
 ホテルの雰囲気からも洋食でしょうと、今朝はパン食である。


 8時30分にホテルを出発する。
 今日のバスの座席は左前方だ。前から後ろに下がって行くよりは、後ろから前に上がって行く方が何となく嬉しい。
 ホテルからバスで15分ほどで、鳴子峡の地獄谷に到着した。


地獄谷遊歩道紫地獄 最初のうちは、緑豊かな、せせらぎ聞こえる小川の傍に作られた遊歩道を進む。
 そのうち硫黄の匂いがし始め、すぐに「紫地獄」と名付けられた、黒いピラミッド状の山から湯気が吹き上げている(ように見える)場所が近づいてきた。
 この「紫地獄」では、温泉玉子を作ることもできるらしい。朝食をお腹いっぱい食べているからちょっと無理だけれど、やってみたかったなと思いながら、その側を通り抜けた。


温泉の吹き出し口 この遊歩道で1箇所だけ、歩道に被るくらいに温泉が噴き出しているところがある。10〜30分くらいに1回吹き出すということで、危ないからと添乗員さんが先頭を歩いている。
 ちょうど、私たちツアー一行がその場所に到着する少し前に吹き出していたようで、歩道がかなり濡れている。


 もうちょっと待てばまた吹き上げるかと、同じように「吹き上がるところが見たいよね。」とおっしゃる方と一緒に待つけれど、なかなか吹き上がる様子がない。
 吹き上げ口の下の噴出口がぶくぶく言い出せば吹き上げる前兆であるという看板があって、集合時間に戻れるギリギリまで粘ったけれど、残念ながら吹き上がる様子を見ることはできなかった。


 バスはここから道の駅おがちという秋田県にある道の駅に向かった。
 小野小町生誕の場所と言われており、「小町の鄕」というサブタイトルがついていて、建物も市女笠をモチーフにしている。
 このツアーでは、ホテルを除くとほとんどお土産を買う機会がなかったから、「どうぞお土産を買ってくださいね。」という意味もあったのだろう。そこで全くお買い物をせずにお手洗いを借りただけの我が家は申し訳ない限りである。
 カフェで売っているジェラートが美味しそうだったけれど、この後、早めのお昼ごはんをバスで食べるというスケジュールだったので断念した。


 この後、バスで30分弱のところにある秋田ふるさと村という施設に立ち寄って、オプションで頼んだお弁当が積み込まれた。
 どちらかで良かったんじゃないかとか、こんなに色々売っていて軽食コーナーやレストランもある場所に2箇所寄るなら1箇所にしてそこで食べることも可能だったんじゃないかとか、勝手なことをぐるぐる考える。
 このふるさと村も相当にお土産物の品揃えが豊富で、楽しかった。私たちは立ち寄る時間はなかったけれど、美術館なども併設されていて、1日遊べそうな感じの施設だ。


比内地鶏のお弁当 秋田ふるさと村を出たのは11時半前だ。少し早いよと思いつつ、「お弁当を食べる機会はここです! 」とバスガイドさんに促され、みなさん、配られたお弁当を広げ始めた。
 母と私も、秋田比内地鶏のいいとこどり弁当を広げる。確か、パックのお茶も付いてきたと思う。JR東日本開業20周年記念弁当と銘打たれた、比内地鶏の刻み肉とそぼろをたっぷりごはんに乗せたお弁当である。大して動いてもいないのに、ぱくぱくと調子よく食べた。


 私たちがぱくぱく食べている間もバスは進み、12時過ぎに小安峡大噴湯に到着した。
 小安峡は、結構長く遊歩道が整備されていて、川が長年にわたって浸食した深い谷間を歩けるようになっている。ツアーでは、メインイベントである大噴湯を見られる30分ほどのお散歩が用意されていた。
 峡谷なので、最初にがっと階段を下り、戻りは当然に上ることになる。それが辛いと思う方は橋の上からも大噴湯を見ることができますという案内があった。


小安峡遊歩道 涼しげではあるけれど、大噴湯があるくらいだから、やはりその熱は伝わって来る、ような気がする。
 そして、ここまで谷が深いと風も通らない、ような気がする。
 緑の木陰があることが有り難い。
 遊歩道をのんびり進んで行くと、割とあっけなく大噴湯に到着した。


大噴湯 上から見ても判りますと言われた意味がやっと判った。
 大噴湯は下から上へ吹き上げているのではなく、岩壁から横に吹き出しているのだ。
 結構な勢いで、しかもずっと吹き出し続けている。休憩があるとか、何十分に1回とかいうことではない。
 遊歩道までその大噴出は届いていて、霧状になっているから大丈夫だろうと突入したら結構熱く、そして膝から下が濡れてしまった。
 さっき、地獄谷で見そびれた分、ここで思う存分眺めることができて満足である。


大噴湯アップ大噴湯上から 上からも見てみたいと急いで階段を上がり、集合時間までまだあることを確認して、橋の方に向かった。
 ツアーの方が何人か橋の上にいらして、ちょっと安心して眺める。
 大噴湯が、確認できる。遊歩道を濡らして吹き出している様子もバッチリ判る。


小安峡 橋の反対側から見下ろせば、逆に緑豊かな峡谷の様子がよく判る。
 紅葉の時期にはきっと青緑色の川面と赤と黄色の葉のコントラストが映えて綺麗だろうなと思う。
 でも、緑のグラデーションの木々の葉と青緑色の川面の組み合わせも、これはこれでうっとりする。
 50分の滞在を満喫した。


 このツアー最後のイベントは、13時20分に到着した須川高原温泉栗駒山荘での立ち寄り入浴である。
 2箇所のお散歩で結構大汗をかいていたので、この入浴は有り難い。60分1本勝負で余裕がないような気がするけれど、考えてみれば今朝だってお部屋を出て温泉に入って戻って来るまで15分強しかかかっていない。
 二日前に福島駅前を同時に出発したもう1台のバスも同じ行程だ。私たちの乗ったバスがちょっとだけ早く到着し、コインロッカーに貴重品だけ預け、少しだけ空いた脱衣場を使って、温泉に入ることができた。


 栗駒山荘の温泉の売りは、とにかく露天風呂である。
 露天風呂のその先は、広々とした山の景色だ。露天風呂には屋根もなく、直射日光が厳しいくらいだけれど、その分、開放感がある。
 周辺には明かりらしい明かりもなさそうで、夜になれば満天の星空を満喫できそうだ。
 時間制限があるためか、15分ほどで上がって行く方々の多い中、粘れるだけ粘ってやろうとのんびり(一応、時々、時計を気にしつつ)浸かっていると、あっという間に人がいなくなる。
 芋の子を洗うようだった露天風呂も最後には私を含めて5〜6人といった感じになり、悠々と楽しむことができた。満足である。


くりこま山 ペットボトルのお茶を買って一気飲みする。暑くて熱くて喉が渇いて仕方がない。
 落ち着いたところで外に出ると、風が涼しい。
 駐車場に出るとバスガイドさんがいて、あれがくりこま山だと教えてくれた。
 のんびりとした外観のお山である。


祭畤大橋 帰路についてすぐ、バスガイドさんが「これは見てください。」と案内してくれたのが、祭畤大橋だった。
 2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で崩壊し、現在、災害遺構として保存されているという。
 地震直後は右側だけでなく、左側からも道路が落ちていたようだ。
 呆然として声もでなかった。


安達太良山 14時30分過ぎに栗駒山荘を出発し、一の関インターから東北道に乗って、16時前に長者原SAで休憩を取った。
 さらにもう1回、18時過ぎに(多分)安積PAで休憩である。このPAに入る前辺りで、二日前には拝めなかった安達太良山の写真を撮るべくがんばった。
 私たちのツアーは19時半過ぎに郡山駅を出るMAXやまびこ156号に乗る予定なので余裕だけれど、バスガイドさんによると、同じサービスエリアに新白河から私たちよりも早い時間の新幹線に乗る予定のツアーバスがあったという。そちらはほぼ間に合わない計算になり、バス内の空気が重くなっていたらしい。


 バスは順調に走り、十分過ぎるくらいの余裕をもって郡山駅に到着した。
 夕食のお弁当が配られる。添乗員さんが指定しようとした再集合の時間が新幹線の発車時刻スレスレで、ほぼ全員からツッコミが入る。
 駅の1階のお土産物屋さんを覗いて時間を潰した。


 2階建て新幹線の1階席に座ったのは初めてかも知れない。微妙に圧迫感がある。やはり駅に停車した際にホームの位置が高いというのは気になる。
 新幹線の座席は、行きは母と二人席だったけれど、帰りは3人掛けの席に二人で、お隣は栃木からいらしたというご婦人だった。添乗員さんが「何組か、お二人連れでも並び席にできない方が出てきてしまいます。」と言って、乗車距離の短い方と、あとはくじ引きでバス車内で座席配分をしていたことを思い出す。
 宇都宮で降りるというその方は帰宅してから夕食にするとおっしゃっていて何だか申し訳なかったけれど、「どうぞ。」と言っていただいて、有り難くお弁当を広げた。


牛めし弁当 昼も夜もお肉びっしりのお弁当ってどうなんだろうと思いつつ、母も私も選んだのは幕の内風のお弁当との二択のうち、福島牛 牛めしと銘打たれたお弁当である。
 郡山から上野までは意外と近く、そうのんびり食べている訳には行かない。


 上野駅で新幹線を降り、土曜日なので空いている電車に乗って、「荷物が少ないのは楽だね。」などと話しつつ、無事に帰宅した。


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2012.09.09

月山・鳥海山旅行記2日目

2012年7月27日(金曜日)


 2日目の朝食は6時50分に指定されている。
 逆算して5時30分に目覚まし(母の携帯電話である)をかけ、身支度をして朝風呂に向かった。母に聞くと「内風呂がいい」と言う。
 行ってみるとまたもや貸し切り状態だ。のんびりじっくり浸かっていたいところだけれど、お湯も熱めだし、本当にもの凄く効く温泉であっという間に温まり、のぼせたようになってしまうので、15分ほどで切り上げる。何だか勿体ないような気がしてしまうのは貧乏性の故だろう。


朝食 一休みしてから朝食である。
 ビュッフェではなく、銘々に和食が用意される。高級なお弁当というのか、箱膳というのか、その中におかず各種が用意され、ごはんとお味噌汁は熱々のものが供される。お豆腐は自家製ですという案内があったと思う。
 美味しい朝食で、もちろん完食した。
 部屋に戻る途中、宿のお土産物屋で職場へのお土産を買い込んだ。この先にまだ買う機会は多々あると思うけれど、「買わなくちゃいけない」と思っているのが面倒だ。
 同じツアーの方もいらっしゃって「お父さんも昔は職場へのお土産を買っていたわ。」と笑っていらした。


亀や ロビーでツアーバスを待っている間に、宿の写真を撮る。
 気持ちのいい宿だったし、こんな立派な外観をしていたのかと改めて驚いた。
 できれば、夕日が綺麗に見える季節、見える日にまた宿泊したい。
 8時過ぎにやってきたバスに乗り込むと、今日の席はちょうど真ん中くらいだ。すぐに写真を撮りたがる私をうるさがって母が窓際を譲ってくれる。申し訳ない。


鳥海山棚田


 本日最初の目的地である元滝伏流水に向かう途中、このツアーで初めて鳥海山を拝むことができた。
 車内はもちろん盛り上がる。お天気がよくて本当に良かった! 
 鳥海山は標高2236m(バスガイドさんが時々クイズに出してくれたけれど、結局、帰るまでに覚えることができずに今も調べた)で、これから行く元滝伏流水の水源でもある。
 出羽富士とも呼ばれており、確かに周りに山がなく、突然にょきっと現れる感じが富士山っぽい。
 こういう標高に差がないところでも棚田というのか判らないけれど、僅かに段差のついた田んぼが広がっている風景も美しい。もちろん、この棚田に張られた水も鳥海山からの雪解け水である。


元滝伏流水へ 9時15分くらいに元滝伏流水の駐車場に到着した。
 昨日のうちにバスガイドさんにお勧めされたので、みんな、手に手にペットボトルを持っている。ここのお水を汲んで、次に行く獅子が鼻湿原で水分補給をするといいですよ、美味しいお水です、というお話である。
 川沿いの一本道を進む。日光が木々に遮られるし、水辺ということもあって、思ったよりも暑くない。
 バスガイドさんがぽっくりぽっくり長靴を履いて歩いている。聞いてみれば、川に入って水を汲むためだそうだ。なるほど確かに、伏流水とはいえ、流れの速い上流で汲んだ方が安心安全である。


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 駐車場からゆっくり歩いて10分足らずで元滝伏流水に到着した。
 スポーツサンダルを履いていた私は、この際と川にちょっとだけ入って、まずは水を飲んだ。確か水温7度に保たれているという話だったと思う。その冷たさだけでも美味しい。
 もちろん、ペットボトルにも水を汲む。
 水辺というのはどうしてこんなに落ち着いて、こんなに涼しいのだろうと思う。満喫だ。


 本日のメインイベントである獅子が鼻湿原へは、ここからバスで15分ほどである。
 獅子が鼻湿原でもガイドさんが2名ついてくださり、またもや2班に分けられた。座席でグループ分けすることに懲りたらしく、今日は「今からお名前を呼ぶ方は1班です。」というやり方だった。ちょっと可笑しい。
 お手洗いを済ませ、遊歩道の入口に何本も用意されていた杖代わりの枝を母に持つよう勧めて、いざ出発である。
 この湿原の奥にいる、「あがりこ大王」と呼ばれる奇形ブナを見に行くハイキングだ。


 こちらのガイドさんは拡声器を持っていて、少なくとも声は聞こえる。声が聞こえると、大体あの辺で何の説明をしているということが判るし、昨日宿でご一緒した方々が概ね最後尾にいる私を気遣って指さして教えてくださり(お手数をおかけして申し訳ないけれど有難い)、昨日よりは「ガイド付き」を満喫することができる。
 10時半頃にスタートした。


表裏 例えば、遊歩道の入口近くにあった木は、遊歩道側から見ると左の写真のようになっている。私が木に近づいたとき、「凄い凄い。」と興奮している方がいらしたけれど、何のことやらサッパリだ。
 首を傾げていると、「裏に回れば判るから。早く早く。」と声をかけていただいた。言われたとおりに裏に回ってみると、幹というか枝の一部が太い幹に貫通していることが判った。
 これは凄い。
 こんな奇形の木がこれからたくさん現れるという。


奇形ブナの群生 ブナは薪にするくらいしか使い道がないとされていたそうだ。
 この辺りでは炭焼きが行われていて、積もった雪の上に出ている幹を斬っては炭焼きに利用していた結果、その斬った部分がコブ状になり、そこから枝を出し、ということが繰り返され、奇形ブナがあちこちに見られるようになったらしい。
 確かに、コブがついている高さはほぼ一定である。


赤川にかかる橋 スタートから20分ほどで、赤川という小さな川にかかる木橋に到着した。
 人のいない写真を撮れるのは、最後尾を歩いていて、かつ、すぐ前を歩いている人からこれだけ遅れているからである。こういうことをしているのだから、ガイドさんの説明が聞けないと文句を言えた立場ではない。
 それはともかくとして、ここからいよいよブナの森に突入である。
 日射しを遮ってくれる木々の間を歩けるのが有り難い。


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 多分、説明を受けたお花の数々だけれど、メモを取っていなかったので、すっかりさっぱり忘れている。
 唯一、「ヌスットハギ」というお花の名前だけ、あまりにも意外というかインパクトがあったので覚えている。多分このピンクの花だったと思う。
 どうしてこんな可憐のお花にそんな名前がついたのだろう。


 鳥海マリモに行く道と、あがりこ大王に行く道との分岐点で一休みとなった。
 何かの拍子にここに来るときに列の真ん中辺りを歩いていたら、ガイドのおじさんに「最後尾の目印にしていた。」と言われ、それは最後を歩けと言っていますねと理解した。
 何だかなぁと思わなくもないけれど、どうみてもこのツアーで下から2番目の若さ(決して私自身が若い訳ではない)だから仕方がない。どうして「一番若い」訳ではないのかというと、おばあさまと孫娘という二人連れの方がいらしたからである。
 森の中を歩いているとはいえ結構汗をかいている。元滝伏流水で汲んだ水を飲み、ちょうどリュックのポケットに入れておいた干し梅を食べる。しょっぱさと酸っぱさがしみ入る。


旧道 今は鳥海マリモを見られる場所に行くのに立派な木の階段がついているけれど、その階段が付けられる前は、この崖の道といえば道かも知れない、というようなルートを降りるしかなかったそうだ。
 そして、階段が付けられたのは、皇太子殿下(だったと思う)がいらっしゃることになったからだと言う。「感謝してくださいね。」というガイドさんの台詞が可笑しい。
 大人の事情という奴ですね、と思う。


鳥海マリモ鳥海マリモ


 岩肌に水苔が生えているように見えている箇所も、実はマリモである。その証拠に(写真ではもちろん判らないけれど)水の流れに乗ってこの茶色い部分全体がぷかぷか上下している。
 そして、右の写真が鳥海マリモである。
 イメージとして、清流に緑色のマリモだけが浮いているところを想像するし、実際にそういう写真が多く出回っているけれど、残念ながら現状ではそういう状況を見ることができない。天然記念物に指定され、マリモの周りに落ちている枯れ葉等々を掃除することができなくなってしまったという。
 天然記念物に指定されるのも善し悪しだなと思った。


水門 この奥にもハイキングコースが続いているけれど、このツアーではこの水門まで行って引き返した。
 ハイキングを2時間半というのは結構長い時間だなと思っていたら、実際に歩いてみると、ずっと歩いているばかりではなく立ち止まることも多いし、全く長く感じない。むしろ時間が足りないくらいである。
 先ほど降りて来た階段をえっちらおっちら上って分岐点まで引き返し、そこからあがりこ大王方面に向かった。


あがりこ女王 奥に見えているブナが「あがりこ女王」である。
 そう思って見ると、ブナの木のコブの感じが女性的だ、という気もする。
 間違いなく説明は受けているけれど、歩きつつ写真を撮りつつメモを取るのは難しい。
 写真を見れば思い出すだろうと撮りまくっても、私の場合、実際のところそれで記憶が喚起されることはまずない。困ったものだ。
 困るというか、情けない。


燭台のブナ炭焼き窯


 遊歩道のすぐ側にあって近寄れ、そのフォルムも独特でインパクトが強かった「燭台のブナ」はよく覚えている。
 腕を曲げたようなところが「燭台」っぽい。燭台というよりは、力こぶのようにも見える。
 けれど、炭焼き窯の方は実は見た記憶がない。写真を撮っているのだから見ていない筈はないけれど、どうも記憶が曖昧である。燭台のブナのインパクトにまだ捕まっていたのだろう。
 炭焼き窯を過ぎれば、もう、あがりこ大王まではすぐである。


あがりこ大王あがりこ大王


 あがりこ大王の周りには木道が巡らせてある。何周もぐるぐるしながら見入る。
 あがりこ大王は、奇形ブナとしては日本で最大である。
 右の写真の奥にいる人と比べれば、その大きさの見当が付く。
 できれば、夜道でこんな木には出会いたくない。


あがりこ大王アップ あがりこ大王のこの部分は、確か何かの「見立て」で説明も受けたけれど、やっぱり覚えていないところが情けない。
 万歳をしている人だったろうか。
 これだけコブコブしていると、色々なものに見えてくる。


鳥海山 ハイキングコースに入る前、ガイドさんに「ここから鳥海山は見えないんですか?」と尋ねたところ、「1箇所だけ、見えるところがあります。」というお話だった。
 その「1箇所」がまさにここで、あがりこ大王を巡る木道の一部から、木々の間を透かすようにして鳥海山を望むことができる。
 おぉ! と思って、しばし見とれた。何となく嬉しい。


 ここからは、一気にハイキングコース入口を目指して引き返す。ほとんど寄り道をしなかったこともあって、40分くらいでハイキングコース入口に戻ることができた。
 戻ったところで保存のための寄付(といっても本当に気持ちだけだ)を箱に入れ、お手洗いを借りる。
 もう一つの班はまだ戻って来ていないようで、添乗員さんお勧めのアイスクリームを食べた。バニラとイチゴがあり、母と一つずつ買って両方味見である。手作りのアイスクリームは美味しい。イチゴ味が本物なところがやはりポイントである。
 風に吹かれてのんびりとアイスクリームで涼んだ。


焼き魚定食 本日の予定は、ほぼここで終了だ。
 あとは、お昼ごはんを食べて、今日の宿に向かうだけである。しみじみと移動距離の長いツアーだ。
 30分ほど車を走らせた13時30分過ぎに、本日の昼食場所である象潟シーサイドホテルに到着した。
 オプショナルで焼き魚定食を頼んでいた人が半分、自由昼食を選んだ人が半分というところだ。
 焼き魚定食はバンケットのようなところに用意されていた。お隣では何やら集会が開催されており、そのマイクの音がそのまま聞こえて今ひとつ落ち着かない。歩いて疲れていたせいか食欲もあまりなく、そそくさと食べ終えた。


 暑そうで外に出る気力がない。
 しかし、このホテルは本当にシーサイドに建っていて、砂浜を散歩された方が「海風が吹いていて気持ち良かったわよ。」とおっしゃっていた。
 ホテルの入口辺りをうろうろしたら、芭蕉の石像と、「奥の細道北端の地」という看板と歌碑が建っていた。達筆すぎて歌碑の方は読めない。後で調べてみたら、こういう句だった。


    象潟や 雨に西施が ねぶの花


鳥海山鳥海山


 14時20分に出発した後、しばらくは田園地帯の向こうに見える鳥海山を堪能した。
 雪渓(だと思う)が残っているのも見える。
 風力発電の風車と鳥海山とか、川と鳥海山とか、写真に収めるべく奮闘したけれど、如何せん、走っているバスの中からでは限界がある。


最上川芭蕉舟


 16時前に、最上川リバーポートという、最上川舟下りの起点となっている場所でトイレ休憩となった。
 最上川は山形県内しか流れていませんという話はバスガイドさんから何回も聞いている。秋田県から山形県に戻ってきたということだ。なお、本日の宿は宮城県である。
 最上川リバーポートには大きなお土産物屋さんが併設されていて、さくらんぼが丸ごと1個入ったゼリーを凍らせて試食させていただいた。これが暑い日には美味しくて、我が家も含め、結構みなさんお買い上げになっていた。商売上手とはこのことである。


鳴子峡 ひたすらバスは走り、最後のトイレ休憩は鳴子峡を見下ろすレストハウスだった。
 現在のところ、遊歩道は通行止めになっており、従ってレストハウスも閉まっている。本当にお手洗いを借りただけだ。
 添乗員さんの見立てでは、紅葉の時期までには再開されるのではないかということだった。
 ぜひ、その時期に来てみたい。


 本日の宿はホテルオニコウベである。
 ガイドさんによると、いっときは「鳴子温泉郷」ということになっていたけれど、それにしてはちょっと遠すぎやしませんかということになり、「オニコウベ温泉」になったそうだ。
 スキー場が目の前にあるスキーリゾートホテルで、山の緑のど真ん中にあるといった感じである。
 こちらは洋室だ。


 18時くらいに到着し、19時からの夕食に間に合うよう、早速、大浴場に向かった。
 みなさん同じことを考えてバス2台分のツアー客が殺到したらしく、大混雑である。脱衣場ではカゴの置き場もないくらいだったし、カランが空くのを列になって待つことになった。
 露天風呂がないのは残念だったけれど、ここのお湯もとても良くて、あっという間に温まった。混雑もしていたし、正味15分も浸かっていなかったと思う。


夕食 夕食はレストランで、とにかく一気に供された。
 お風呂上がりだし、母と二人で生ビールを頼み、ごくごく飲みつつお料理をいただく。
 和洋折衷というか、まぜこぜといった感のあるメニューで、優雅さはないもののこれが結構美味しかった。
 メニューは以下のとおりである。


 旬のオードブル
 ソーセージシュークルトのサラダ
 季節の天ぷら
 鮮魚と高原野菜のオーブン焼きトマトソース
 特豚肉と季節野菜の陶板焼き 焙煎胡麻だれ
 ごはん お味噌汁 お新香
 プチデザート


 売店に寄ってから部屋に戻ってもまだ20時だった。
 テレビを見ながら食休みし、早々に眠そうな母を置いてもう1回温泉に行く。クリスマス仕様のライトアップがされているお庭を見つつ、今度は5〜6人と静かな温泉を堪能する。
 数日こちらのホテルに滞在しているという方がいらして、鳴子温泉郷に行ったり、のんびり過ごしているとおっしゃる。明日行く予定の大噴湯のことなど教えていただいた。


 この日も規則正しく健康的に、22時には就寝した。


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2012.09.08

月山・鳥海山旅行記1日目

2012年7月26日(木曜日)

 今日が一番心配という天気予報の中、8時前に上野駅に到着できるよう家を出た。
 二人ともボストンバッグに荷物を詰めている。「湿原を歩く」のがメインのツアーに乗るため雨具等々の用意をしており、荷物が重い。
 上野駅8時14分発のやまびこ127号に乗る。お昼ごはんを持参するよう指示があり駅で買い込む必要があるのと、集合が新幹線車内なので精算して入場券を買わなければならないため、早めに出発した。

 8時前の上野駅構内は開いているお店も少なくて、お昼ごはんに関してはほとんど迷う余地はない。翌日が土用の丑の日だということに気がつき、うなぎの入ったおにぎりとおいなりさんとを購入した。バスの車内で食べるので、お弁当ではちょっと食べにくいだろう。
 上野駅の新幹線ホームは地下深いところにあるので、早めに向かう。
 ところで、上野駅までの乗車券の精算と新幹線ホームへの入場券の購入は、やはり自動販売機では無理で窓口に並ばなければならないのだろうか。ここで20分くらいはかかったと思う。

 新幹線に乗り込むと、車内には同じコースを回る(1日目の宿泊場所だけが異なる)ツアーの方々も乗っていたらしい。添乗員さんが二人いらして、危うく間違えるところだった。
 添乗員さんは割りと年配の男性で、母と二人で「意外だね」とこっそり言い合う。
 受付後、オプションで明日のお昼(ホテルにて)と明後日のお昼(お弁当)、明後日の夕ごはん(こちらもお弁当)の案内があった。

 明日のお昼は時間が50分くらいしかないし、ホテル併設のレストランも広くないので、(あまり美味しくはないけれど)申し込んでおいた方がいいですよ、というのが添乗員さんの見立てである。
 明後日のお昼はバス車内で食べることになる。夕ごはんは新幹線車内だ。郡山駅着が19時頃になるので駅弁は売り切れている可能性が高いという。
 食べはぐっても困るし、ずっと心配しているのも面倒である。二人分で3食6000円強を申し込んだ。

 9時半少し前に郡山駅に到着し、ここからバス移動になる。
 バスガイドさんに連れられて郡山駅前に何台も駐まっている観光バスのうちの1台に乗り込んだ。私達の申込みは遅かったらしく、満席のバスの後方に席が割り当てられていた。
 月山に行くには山形駅まで新幹線で行ってしまった方がずっと早いと思うけれど、そこはオトナの事情というものである。
 東北自動車道は工事渋滞が頻繁にあるものの、週末に工事は行われていないという。それでも多少の渋滞があるということでしばらく一般道を走りながら雲に隠れて見えない安達太良山等について説明を聞き、二本松から高速道路に乗った。

 渋滞区間を迂回したおかげで、バスは順調に走る。
 村田ジャンクションから山形自動車道に入る直前でまず最初のトイレ休憩だ。桃の恵みという100%桃ジュースが売っており、今夜にでもお風呂上りに飲もうと2本購入した。
 我ながら、健康的なお買い物である。
 旅慣れた方々はここで地図をもらっていらしたようだ。車旅に慣れていない私にはそういう発想がなかったのが悔しい。バスガイドさんが「何部かはあるので」と車内で配っていたものを有難く頂いた。

 バスガイドさんから、次の休憩は山形自動車道を下りる直前の月山湖PAで、そこを過ぎると山道をくねくね走ることになるので、お昼ごはんはなるべくこの間に食べてくださいというアナウンスが入った。
 すでにお腹が空いて、持ってきたお饅頭を食べていた私には渡りに舟のアナウンスである。早速、上野駅で購入したおにぎりとおいなりさんをいただいた。
 このバスは座席にテーブルがついており、お弁当でも大丈夫そうだった。明後日の昼ごはんのことを考えると有難い。

月山湖 月山湖には日本一大きな噴水(112m)があるということでちょっと楽しみにしていたのに、下り線からは見ることができないらしい。残念である。
 12時半過ぎに到着した月山湖PAは、お手洗いと自動販売機だけの本当にシンプルなパーキングエリアだ。私たちの乗ったバスはガラガラのところに着いたからまだ良かったけれど、この後に続いた2〜3台のバスでお手洗いは長蛇の列になった。この差はかなり大きい。
 月山湖PAの気温は29度だった。バスガイドさん曰く、現在の日本最高気温が記録されるまで、最高気温は山形市で観測されていたらしい。「山形は涼しくありません」とキッパリと断言していた。

 月山ICを下りた後は、本当に山道だった。
 路線バスも走っている、弥陀ヶ原に向かう道は、文字通り、正真正銘の片側一車線道路である。
 ところどころに待避スペースがあり、対向車が来るとどちらかが待避スペースまで下がらなければならない。バス同士のすれ違いなど、本当に紙一枚とは言わないけれどげんこつ1個分くらいの隙間ですれ違っていて、思わず車内からどよめきと拍手が沸いたくらいだ。

 天気予報はなかなか正確で、月山の弥陀ヶ原湿原入口駐車場に到着した14時30分過ぎには、雨模様だった。
 霧雨よりはしっかり降っている小雨、という感じである。お手洗いに行ったついでに(ここまでお水を運んできて運営しているということで、入口には使用料とも募金ともいえるお金を集める箱があった)、レインパンツとポンチョを装着する。
 標高1400mくらいの場所だし、お天気も良くないし、レインウエアを装着しても暑くはない。
 バス1台分のツアー客(40名弱だったと思う)に対して、ガイドさんが二人付く。添乗員さんが通路の左右で分けようとして、4人で参加している方々に「私達が分かれちゃう。」とブーイングを受けていた。それはそうだろうと思う。

 ハイキングに出発する頃には小降りになっていて、ポンチョのフードは被らずに済んだし、カメラも普通に使えて有難い。
 私は先に歩き出したグループの最後尾を歩いていたので、最初のうちは、第2陣のグループの先頭を歩くガイドさんの説明が聞こえていたけれど、そのうち、あっという間に引き離してしまった。
 そうなると、ガイドさんの説明はほとんど聞くことができない。やはり20名に対して一人のガイドさんでは足りないと思う。

 例えば、立ち止まって説明するときに、20人の先頭にいるガイドさんの説明を最後尾で聞くことはまず無理だし、仮に声が聞こえても、説明しているお花は高山植物らしく奥ゆかしい小ささなので、どのお花の説明なのか知ることは難しい。
 ガイドさんは、途中で1回、真ん中から後ろにいた人を前に呼び寄せたけれど、その1回だけだったし、多分、ほとんど同じ方がガイドさんにぴったり張り付く格好になっていたと思う。説明したいお花を通り過ぎてから列を止め、自分は引き返して全員の真ん中辺りで説明してくれればいいのになぁと思う。

 そんな訳で、お花の名前や特徴はよく判らないけれど、「多分このお花の説明をしていた」と見当を付けて撮ったお花の写真たちである。
 とりあえず、私が名前を知っていたお花は、ニッコウキスゲとミズバショウ、ワタスゲくらいだった。情けない限りである。

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ガス山 ガイドさんによると、7月の「月山(がっさん)」は「ガス山」で、ほとんど毎日のようにガスっている日が続くそうだ。
 晴天は8月に入らないと望めないらしい。
 しかし、8月に入って晴天が続くと気温が上がり、お花たちは次々に萎れていってしまうという。
 晴れた月山で高山植物を楽しむには、7月の稀な晴天を狙うか、8月に入った途端のまだお花が萎れていない短期間を狙うか、どちらかしかないという。なかなか難しい選択肢である。

 バスを降りたときには落ちていた雨も上がり、最初のうちは濃かったガスも次第に薄れ、ほんの一部だけ青空が覗く。
 さらにお天気が良ければ弥陀ヶ原から鳥海山も望めるそうだ。しかし、今日のところは、空のほとんどは雲に覆われ、全く無謀な望みである。
 後になって考えてみると、森や林がある訳ではない湿原なので、標高1400mとはいえ、ここで晴れていたら相当に暑かったと思われる。

オゼコウホネ ガイドさんは「どうしても見せたいものがある」と言って、ものすごい勢いで歩いて行く。木道が続いているし、ほとんどアップダウンはないし、私が写真を撮りつつスポーツサンダルで追いつけるくらいの速さで、息が切れるというほどではないけれど、「のんびりハイキング」という感じではない。
 ガイドさんが「どうしても見せたかった」というお花が、これだけは名前を覚えている「オゼコウホネ」だった。尾瀬とここでしか咲いていないらしい。
 池の中から5cmくらいすっと伸びた茎の先に黄色い小さいお花が一つだけ咲いている。黄色いお花の中に赤く見えているのが「咲いたばかりのお嬢さん」のお花で、1日たつとその赤みは消えてしまう。

オゼコウホネ その木道は行き止まりになっていて、ここだけ監視兼制止するための人がいる。パラソルの下に椅子を据え、長期戦の構えである。
 彼の奥にはもう少し大きな池が見え、そちらでもっとたくさんのオゼコウホネが咲いているのが遠望できる。そのオゼコウホネを保護するためなんだろう。

 ここからは「帰り道」という感じだ。
 ガイドさんは相変わらずの早足で「16時までに戻らなくては。」と飛ばす。帰り道は大体判るので、前を歩いている人を見失わないギリギリくらいの差を保ちつつ、のんびり歩くことにした。
 池の中からすっと茎が伸びていて、水面で折れ曲がっている草のことなどを説明をしてもらった記憶はあるけれど、名前すら覚えていない。

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 戻って来たその場所は、私は神社だと思っていたけれど(お守りも売っていたし、鳥居もあったし)、正しくは「御田原参籠所」というところだったらしい。月山神社はこの小山の山頂にあるそうだ。
 神社が卯年に開かれたということで、結構大きな兎の石像があった。最近、置かれたものらしい。「触るとご利益がある」と説明があったので撫でさせてもらい、「御田原参籠所」だとは知らずにお参りもした。
 この場所から「月山山頂」に向けた登山道が伸びている。

御田原参籠所 バスガイドさんのお話では、出羽三山の神社は、それぞれ、開かれた干支の年にお参りすると、ご利益が大きいのだったか、三つの神社を全てお参りしたことになるのだったか、とにかく決まった干支の年にお参りするのがポイントであるらしい。
 月山の場合は、卯年にお参りするといい訳だ。

 急ぎに急いで16時過ぎに駐車場に戻って来たものの、もう一方の班がいない。そして、なかなか戻ってこない。
 添乗員さんがもう一方の班にいるし、ツアー参加者の面々は「なかなか戻ってこないね。」と落ち着いていたけれど、ガイドさんは途中で一回も行き会わなかったし心配になったらしい。「探してくる。」と出かけて行った。

 結局、20〜30分くらい遅れて第2陣が戻って来て、バスは本日の宿泊地である湯野浜温泉に向けて出発した。
 お腹が空いたので、持参したお饅頭を食べる。疲れた体と空いたお腹に甘さがかなり効く。
 バスは、登って来たのと同じ道を今度は下って行く。こんな夕方に登ってくる車はほとんどなく、すれ違いの心配もあまりない。バスは快調に飛ばして1時間くらいで麓まで下った。

 母が「いい宿に泊まりたい」を連発し、今日の宿はランクアップを申し込んであった。
 この日の宿は湯野浜温泉の亀やである。
 海沿いの夕日がきれいに見える宿で、日没に間に合うといいなと思っていたところ、17時30分過ぎに到着することができた。
 こちらの宿に泊まるのは満員のバスのうちで私たちを含めて3組だけらしい。近くの席の方が「申し込んだときにはもう一杯ですと言われた。」とおっしゃっていた。
 添乗員さんは「分宿の場合は人数が多い宿に同宿する」というルールがあるそうで、我々とは別の宿である。

到着時のおやつ 宿の門を入ると(門があることがまず凄いと思う)人工の滝があり、その奥には日本庭園がある。
 ロビーも広く、まずはチェックイン時におもてなしのお菓子をいただく。夕食の時間を決め(これは3組同時である)、お部屋に案内してもらった。ついでに、ちょっと難しいかなと思いつつ、日没の時間もお聞きする。
 日没が大体19時くらい、夕食を19時20分からにしてもらったので、お部屋でゆっくりしたがる母をせき立ててお風呂に向かった。

 大浴場は、男性用は内風呂と露天風呂が続いているけれど、女性用は、内風呂と露天風呂が離れたところにある。
 エレベーターを降りると、目の前に女性用の内風呂、隣に男性用の内風呂と露天風呂(これはつながっている)、さらにその奥に女性用の露天風呂という並びになっている。
 かなりフェイントだと思う。

内湯 お風呂は空いていてゆっくり入れて気持ちよかった。
 海を眺めながら入ることができ、そしていいお湯である。海辺だけあって、カルシウムナトリウム塩泉で無色無臭、柔らかいお湯だ。
 そして、物凄く温まる。
 夏だし、お湯の温度も高めで、とにかくあっという間に汗が吹きだして驚いた。湯冷めなどしそうもない。

夕日 結構のんびりと温泉を堪能し、夕日を期待して部屋に戻った。
 しかし、雲が厚い。
 無理かな、やっぱり夕日は冬か? と思いつつ、しつこく海と空を眺めていたら、雲の間からほんの少しだけ、真っ赤な太陽が顔を見せた。
 これは、雲一つないお天気のときにぜひ見たかったなと思う。それでも、真っ赤な夕日(の一部分)が見られて満足した。

 19時20分から3組6人が揃って夕食である。
 食前酒は月山と名のついた白ワインだ。美味しい。
 あと2組の方々はご夫婦で、母より少し年上のご夫婦と母より少し年下のご夫婦だ。そして、奥様もだけれど、旦那様の方が非常にお話好きだというところも共通している。
 お料理を運んでくださっていたおじさまがいい色に日焼けしている。聞けば山登りをする方で、夜中までの勤務を終えてその足で月山登山口まで運転して行き、そのまま山に登って月山山頂で日の出を拝むというお話などをお聞きする。
 そんなこんなで、かなりゆっくりと、おしゃべりをしつつ、夕食を楽しむ。

お刺身かま

 お品書きがあった気がするけれど、いただくのを忘れてしまったらしい。残念である。
 この他に豚しゃぶなどもありつつ、海の幸中心の美味しいごはんだった。
 ごはんのおともは、母は生ビール、私は白ワインである。

20120726_215825 この夕食のお酒がいけないらしく、母は旅先での夕食後にすぐ寝てしまうことが多いけれど、今日は元気が残っているらしい。
 先ほど行っていない露天風呂に出かける。
 内湯の檜風呂と、露天の岩風呂がある。そして、再び貸し切り状態だ。こんな贅沢なことはない。
 お湯があまりにも良すぎてあっという間に温まってしまい、長湯ができないのが惜しいところである。

 22時半くらいにお部屋に戻り、来るときに買った「桃の恵み」を飲む。ネクターとは違い、さらっとした感じで甘さもくどくなく、美味しい。これはヒットである。
 満足して眠りについた。

 -> 月山・鳥海山旅行記2日目

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2012.09.04

400000アクセス達成!

 昨日(2012年9月3日)、どなたかが400000アクセス目を踏んでくださった。
 この10000アクセスはついに! 1ヶ月で達成している。夏の旅行のために持ち物リストを見に来てくださった方がさらにさらに増えたらしい。
 あんまりお役に立たないリストで申し訳ないくらいだ。

 これまでの経過は以下のとおりである。

 スタート 2004年9月1日
 10000アクセス 2005年7月17日
 50000アクセス 2006年11月22日
100000アクセス 2008年6月15日
150000アクセス 2009年2月21日
200000アクセス 2009年11月30日
250000アクセス 2010年9月16日
300000アクセス 2011年5月26日

310000アクセス 2011年7月28日
320000アクセス 2011年9月10日
330000アクセス 2011年10月29日
340000アクセス 2011年12月28日
350000アクセス 2012年2月8日
360000アクセス 2012年3月22日
370000アクセス 2012年5月11日
380000アクセス 2012年6月26日
390000アクセス 2012年8月4日
400000アクセス 2012年9月3日

 こうして続けていられるのは、遊びに来て、読んでくださる方のおかげです。
 ありがとうございます。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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2012.09.01

甲府旅行記の入口を作る

葡萄狩り ここは母と出かけた甲府旅行記への入口である。
 以下の日程の日付部分をクリックすると、その日の旅行記に飛べるようになっている。


 この1泊2日の旅行にかかった費用は、一人分約21000円だった。ここには、交通費、宿泊費、食事代、入館料が含まれているが、お土産代(ぶどう狩りも含む)は含まれていない。


 1日目 2012年8月18日(土曜日)


 2日目 2012年8月19日(日曜日)


 


 持ち物リスト(甲府編)

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甲府旅行記2日目

2012年8月19日(日曜日)


 朝、目が覚めら6時半過ぎだった。
 母が「私はもう1時間以上前から起きていた。」と言う。昨夜は母のいびきが気になって眠れなかったのだからお相子である。
 窓を開けるといいお天気で、目の前の山(といってもそれほど高くはない)から上がった太陽が見えた。がんばって早起きすれば日の出を見られたかも知れない。惜しかった。


内湯檜風呂


 7時過ぎに大浴場に向かった。私は2度目、母は初めてである。
 「こっちのお風呂の方が広いね。」と母はご満悦だ。再びほぼ貸切状態で嬉しい。朝の風は涼しく、日差しもそれほど強くなく、のんびりと「朝の温泉」を楽しむ。
 確か、こちらのお風呂が「石の湯」で、昨日、宿に着いた後で入ったお風呂が「花の湯」である。
 ホームページでは大小四つの露天風呂と書いてあったけれど、「花の湯」には露天風呂は一つだったと思う。見逃したんだろうか。


 朝食は朝食会場に赴く。「用意ができました。」という電話に呼ばれて向かうと、結構たくさんの人がお食事をされていて驚いた。
 赤ちゃんもいる。
 昨日からこちら、館内もお部屋もとても静かで、こんなにたくさんの人が泊まっているとは思わなかった。きっと防音がいいのだろう。


朝食 ごはんやおかずはすでにテーブルにセットされている。
 柳屋の朝食のポイントは「お漬物のバイキング」だ。日本各地のお漬物が10種類以上並んでいて、好きなだけいただくことができる。
 納豆やサラダも用意されている。
 お味噌汁も、月替わりの蜆のお味噌汁とほうとうがあり、その他、蕎麦粥なども大きな鉄鍋で並んでいる。少し離れたテーブルに生卵が置かれていて、かなり惹かれたけれどごはんを2膳食べたくなってしまうので自粛する。
 牛乳とぶどうジュースもある。
 和食と洋食と両方が用意されているときは洋食を選んでしまう私だけれど、こういう和食バイキングも楽しい。
 たくさんいただいた。


 母は意外とせっかちである。
 朝食後、のんびりぼんやり、デッキのテーブルでタオルや手ぬぐいを乾かしていた都合もあって(お庭の景観を著しく損ねていたら申し訳ない)だらだらしていたら、母はあっという間にお出かけモードになっている。
 9時半くらいにチェックアウトした。


 併せて、フロントのお姉さんにお勧めのぶどう狩りをお聞きしたら、宿と提携しているというぶどう園を教えてくださった。しかし、何となく説明がおかしい。話をしているうちに、お姉さんは車移動が前提で紹介してくれたことが判った。
 改めて「バスと電車とタクシーで移動するとして、お勧めのぶどう園はありますか?」とお聞きすると、「早川園」というぶどう園を紹介してくださった。20分後くらいに来るバスがぶどう園に近いかいテラスに直行するという。


 女将さんを始めとする方々がわざわざ外に出て見送ってくださる中、宿を後にし、バス停に向かった。
 お天気がよければ、大体30分くらいで登れるという湯村山に登って富士山を眺めたいところだけれど、富士山があるだろう辺りはもくもくとした入道雲が湧いていて、とても見えそうにない。
 バス停に行くと、お姉さんが教えてくれたバスがない。よくよく時刻表を見てみると「24年8月13日改正」と書いてある。きっと、従業員の方々も車通勤でバスはあまり利用しないのだろう。
 甲府駅に行くバスがすぐ来たので予定を変更し、駅に向かった。


 駅の観光案内所で「ぶどう狩りがしたい。」「ここから行きやすい、いいぶどう園を教えて欲しい。」と質問をしたところ、係のお姉さんが愛宕園を紹介してくださった。
 このぶどう園は、甲府駅から徒歩15分ほどだし(道順も教えてくれた)、15分歩くのが大変なら身延線で金手駅まで行けば徒歩3分くらいだという。
 お腹を空かせるためにも暑いけど歩いて行くかと思っていると、電話すればもし手すきだったらお迎えにも来てもらえますという。それは有難い。
 愛宕園のちらしをもらい、コインロッカーに大きな荷物を預け(昨日の反省に基づいて、ショルダーバッグをエコバッグに入れて、タオルなども入れて持ち歩くことにした)、準備万端である。


 それにしても暑かったので、ダメ元で電話を入れてみると、お迎えに来てくださるという。北口に出て指定された場所で「どうやったらお迎えが来たって判るんだろう。」と言い合いつつ待っていると、「愛宕園」の看板を掲げたおじさんがいらした。
 判りやすい。
 バンに乗せてもらって、ぶどう狩りに向かった。
 「今年のぶどうは甘いですよ。」「今は巨峰が旬ですよ。」と説明を受ける。昨日のタクシーの運転手さんの言葉を思い出して「デラウエアは?」と聞いたところ「そろそろ終わりだね。」という回答だ。


 11時前くらいに到着した愛宕園は、「金手園」というぶどう園のお隣だった。
 おじさんの運転するバンがいきなり「金手園」と書かれたところに入って行こうとするので驚く。すぐそのお隣にある「愛宕園」に車を入れるために切り返しをするためだと分かった。
 愛宕園は、金手駅を見下ろす丘というか坂の中腹にあって、ぶどう畑が見上げる限り広がっていた。
 この「見上げるような急坂」がポイントで、日当たりと水はけのよいことがぶどう栽培には必要らしい。


 駅の観光案内所でもらったちらしに入場料と試食が無料になるチケットが付いていて、そちらを利用して、用意されていたテーブルにつき、ぶどう5種類を試食させていただいた。
 すでに忘れているところが情けないけれど、ピオーネ、スマイル、ロザキの3つは確かで、あと、スマイルと似た見た目のぶどうと、グリーンでマスカットよりは小粒で緑が濃くて味がデラウエアに似ているぶどうと5種類あった。
 数粒ずつ食べて、これで結構、満足感がある。
 ここで食べ放題で食べるよりは、ぶどう狩りして送ってもらおうと母と相談が一致し、おじさんにぶどう畑に連れて行ってもらった。


 そして、ここでもぶどう園のおばさまに「母子なの?」と驚かれ、「姉妹かと思った。」と言われて母はご満悦、私はショックである。
 しつこいようだが、一体私はいくつに見られていたのだろう・・・。
 藤稔という品種が愛宕園の一番の「売り」のようだ。
 巨峰よりも粒が大きく、房が大きく、色も味も濃い。栽培しているところも少なく、希少品である。
 この「藤稔」も食べたいと母が言い、私がマスカット系のぶどうを好きなことを知っている母がそれもと言い、巨峰、スマイル、シャインマスカット、藤稔の4種類をお願いした。


 最初に行った畑は「巨峰」の畑である。まず一気に上の方まで行ってしまおうということだろう。
 巨峰は試食になかったので、おじさんが一粒ずつ取って味見させてくれた。意外とさっぱりしている。もっと濃厚なイメージがあったのでちょっと意外である。
 粒が揃っていて、傷んでいたり内側に育ちきっていない粒があったりしない房が良い房だそうだ。
 何だか楽しそうにしているので、ぶどうの収穫は母にお任せした。下の方を掴むのではなく手のひらで受け止めるように支えて切るのがポイントである。


スマイル藤稔


 巨峰とスマイルは2房ずつ、シャインマスカットと藤稔を1房ずつの6房を選んだ。
 母はもっと選びたそうだったけれど、妹母子がいるとはいえ、妹は食べるのが面倒くさい果物にはなかなか手を伸ばさないし、甥っ子はぶどうはまだ食べられないだろう。ぶどうは1週間くらいなら大丈夫というけれど、母と私の二人で6房1週間以内というのはなかなかハードルが高い。
 「うち、そんな大家族じゃないんだから!」と思い留まっていただいた。
 でも、次から次へと「これも!」とやりたくなる気持ちはよく判る。


 これだけたくさんのぶどうを持ち帰るのは大変なので、送ってもらうことにした。ぶどうが全部で7kg強(だったと思う)で4500円、箱代と送料を足して5600円だった。
 どうしてこんなことを細かく書いているかというと、この後、甲府駅前のスーパー店頭で売られていた藤稔が一房5000円で売られていて驚いたからだ。私達が選んだ藤稔よりも房は立派だったけれど、それにしても! とびっくりした。


 高台にある愛宕園からの見晴らしは美しい。
 甲府は山に囲まれた盆地に位置するので、どっちを見ても山が見える。
 富士山が見られたら嬉しいけれど、残念ながら、完全に雲に隠れてしまっている。
 山に囲まれた甲府の、南北それぞれの側から入道雲がもくもくと育ちつつあり、ぶどう園のおじさんは「この雲が上でぶつかると雨が降るんだよ。今日も夕立だな。」とおっしゃる。


 帰りもおじさんに甲府駅北口まで送っていただいた。
 その車中で、「甲府の美味しいもの」として奥藤というお店の鳥モツをお勧めしていただいた。
 宿の特別メニューにも載っていて気になっていたのでお聞きしたら、B-1グランプリで優勝してから一気に広まったメニューだそうだ。
 調べてみると、2010年9月に開催された厚木大会で、「みなさまの縁をとりもつ隊」の名前で優勝していた。
 おじさん曰く「優勝以来、あっちこっちで出すようになったが、やっぱり元祖じゃなくちゃ。」ということだ。


 このお話を教えてもらっていたとき、実は私はこの「鳥モツ」というのは持ち帰りだと思っていた。真空パックになった鳥モツが売られているイメージである。
 それで、調理法を尋ねたつもりで「どうやって食べるんですか?」「え? 箸で食べるんだろ。」というマヌケかつ微笑ましい会話をしてしまった。
 お店は甲府駅南口の駅前、すぐ判るところにあるという。今日のランチは決まりである。


 まだ11時半過ぎである。お昼ごはんを食べる前に、先ほどお迎えを待っているときに気になっていた、駅前広場にあるちょっといい感じの建物に近づいてみた。
 すると、そこは甲府市藤村記念館で、入館無料だという。藤村という字面を見て島崎藤村か? と安直に思ったらそうではなく、初代山梨県知事の藤村紫朗氏にちなんでそう呼ばれているらしい。
 元々は小学校として建てられた、藤村知事が積極的に推奨して「藤村式」と呼ばれるようになった擬洋風建築である。現在は、国の重要文化財の指定を受けている。


藤村記念館ベランダ 中に入ると、元々この建物が置かれていたという武田神社の模型があったり、ガイドブックなどが置かれた団欒スペースのような場所があったりする。
 写真展が開催されているという2階(下足禁止である)に上がると、日本全国の擬洋風建築(恐らく重要文化財等に指定されているもの)の写真が並べられていた。私は開智学校くらいしか知らなかったけれど、結構、あちこちに散らばっている。
 また、当時の教室の様子が再現されていて、小さな木の机に木の椅子が並んでいた。座ってみる。椅子が壊れなくて幸いである。
 特に「これ」といったものがある訳ではないのに、なかなか気持ちのよい空間だった。


藤村記念館外観 入口のところではいい香りがしていて、帰り際に立ち止まったら奥にいた人が出てきてくださった。売られていたのはバラのポプリで入浴用として販売しているという。
 お花の形を保ったものは1回分で200円、花びらにしたものは3回分でやはり200円、この藤村記念館の周りで咲いているバラの花から作ったそうだ。
 あまりにもいい香りをさせていたので、花びらのものを一つ買い求めた。


 人気店だというから早めの方ががいいだろう。
 甲府駅南口に出て、奥藤を探した。ぶどう園のおじさんの口ぶりだと「南口に出たらすぐ目の前にある」感じだったけれど、店が甲府駅の方を向いている訳ではなく、駅前ロータリーから駅を背にまっすぐ伸びる道に面していたので少し探した。
 「満席まであと一歩」という状況で滑り込めた。ラッキーである。
 メニューを検討し、蕎麦が2枚付いてくる清流生わさびそばを頼んでつゆを一つ追加してもらい、それと鳥モツ煮を一皿頼んだ。


鳥モツ煮 鳥モツ煮は、「モツ煮」というよりは、照り焼きという感じだ。
 甘辛く、ビールが欲しくなる味である。なかなか美味しい。私も母も臓物系はどちらかというと苦手だけれど、こちらはぺろりと美味しくいただいた。
 お蕎麦も美味しい。生わさびをするのに忙しく(多分、おろし金にはちゃんとサメ皮が張ってあったと思う)、写真を撮り忘れたのが痛恨事だ。
 お会計のとき、母に命じられてレジで売られていた「ばかうけ」も一緒に購入した。妹へのお土産である。


 13時29分甲府始発の特急かいじがあり、駅員さんに「自由席で十分座れます。」と太鼓判を押してもらってそちらで帰ることにした。電車の時間まではお土産探しである。
 お土産購入は、母の独壇場である。母の年代の女性が旅先でお土産にかける情熱というのはかなり凄いと思う。お土産を買うために来たんじゃないかと思うくらいだ。
 これだけは外せないだろう桔梗屋の信玄餅に「プレミアム」「吟造り」と銘打ったバージョンがあることを発見し、賞味期限短さをものともせず8個入りを購入していた。


 駅の北口と南口をうろうろしているときから母が気にしていたのが印傳のお財布である。
 印傳屋上原勇七というお店のもので、中でも紫色で大き目のお花が描かれたちょっと変わったデザインのお財布に心惹かれているらしい。
 確か母と旅行に行ったとき、指宿だったかで母がお財布を買うところを目撃している私は「またお財布?」と思ったけれど、持ってみると軽いし、なかなか使いやすそうである。
 母の誕生日プレゼントには少し早すぎだろうと心の中で思い定めた頃、母はさっさと自分で購入していた。


 冷凍で売られていた八ヶ岳高原生シュークリームを帰りの車内のおやつに購入し、雲に隠れて見えない富士山を探しつつ、甲府を後にした。
 17時くらいに家に帰りつくと知らせてあったせいか、母と二人、少し早めに家に帰ったときには妹母子は出かけていて家は空っぽだった。


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