2012年5月3日(木曜日)
日帰り旅行と単なる「お出かけ」とどこで区別をつけるのか、考えてみたら微妙な感じもありつつ、今回のひたちなか行きは、私の中では「日帰り旅行」に属する。何といっても、特急電車に乗ったのは大きい。
職場の友人3人と出かけた。このメンバーで出かけるのは初めてである。住んでいる場所もバラバラで、待ち合わせは特急フレッシュひたち号の中になった。
勝田駅に9時37分に到着した。意外と近い。
当初の予定では、このまま国営ひたち海浜公園に行き、ネモフィラを堪能してから那珂湊に移動しておさかな市場でお昼ごはんのつもりだった。
しかし、この日は1日雨の予報だ。そして、午前中の方が強い雨が降るという。雨宿りをする場所もないままネモフィラの丘に佇んでいるのは辛かろうと、まずはアクアワールド大洗水族館に向かった。
アクアワールドに行くには水戸から鹿島臨海鉄道に乗るという方法もあるけれど、私のワガママにより、ひたちなか海浜鉄道で那珂湊まで行った。駅からのバスは時間が合わず、タクシーで移動した。4人いればタクシー利用も気軽である。
JR勝田駅の1番線がひたち海浜鉄道の乗り場である。改札なしで行けてしまう。ただし、ひたち海浜鉄道ではSUICAは使えない。しかし、一旦改札を出て券売機で切符を購入するときにはSUICAも使える。複雑だ。
切符を購入する際、一つ手前の中根駅までは190円なのに、那珂湊駅までの料金がいきなり350円に跳ね上がる運賃表を目にして、何となく釈然としない思いを味わった。
実際に乗車してみたところ、確かに駅間はそれまでよりも長かったような気がする。それにしても倍近い金額になるほどではないように思えた。
那珂湊駅で水族館の入園券を購入すると1割引になる。割引入場券を購入してからタクシーに乗り、10時前にアクアワールド大洗水族館に到着した。
そして、驚いた。
まだ10時前なのに、もの凄い人出である。やはりみな、考えることは同じらしい。特に小さい子供を連れたファミリー層が目立つ。館内はフラッシュ禁止の箇所はいくつかあるものの基本的に撮影OKで、子供たちが普通にカメラ(ゲームをやらない私の勝手な推測によるとゲーム機にカメラ機能が付いているのじゃないかと思う)を構え、写真をバシバシ撮っている。親御さん達はビデオを構えている。
私の子供の頃とは時代が違うのだなとしみじみした。
館内は九つのゾーンに分かれている。私たちも順路に沿って見て行くことにした。
照明を抑え気味にしてあるし、うっかりすると連れを見失ってしまうような混雑振りである。そして、写真を撮るのもなかなか難しい。
何枚か撮った中で、とりあえず一番格好良く撮れていたのが、くらげの写真だった。
クラゲの一部が七色に光っているように見えるのはカメラのせいではなく、実物がこのように光を発している。意外に心惹かれる眺めだった。
この水族館はかなり規模も大きいし、魚もたくさんの種類がいる。
バックヤードを一部見られるようになっていたり、バックヤード見学のツアーがあったり、餌付けの様子を見せてくれたり(この日はあまりにも混雑しているので混乱防止のために中止というアナウンスが入った)、定番のアシカやイルカのショーもあるし、最近の水族館は楽しいなと思う。
水族館に来たのは一体何年振りだろう。
ラッコの暮らす深い水槽を上の階と下の階と両方から見られるようにしてあり、水中での様子と岩上での様子を両方見せてくれたりもする。
銀色の小魚が群れをなして泳いでいるところに、同じ水槽にいるエイやサメが突っ込んで行き、モーゼの十戒さながらで群れが二つに割れる様子を見ることもできた。
マンボウの水槽もなかなか楽しかった。
真正面から見たマンボウほどマヌケな感じの動物はなかなかいない。
大きい水槽にかなり大きなマンボウが何頭もいる(と書いてしまったけれど、果たしてマンボウはどう数えるのだろう)。壁に激突しないように壁の内側にネットが張られているのに、せっかくの心遣いもどこへやらで、この2頭は決してキスをしている訳ではなく、お互いに好き勝手な方向に泳ぎ、見事に衝突していた。
たっぷり2時間、アクアワールドを満喫した。
アクアワールドは本当に海際に建てられていて、外に出ればすぐに潮の匂いがするし、この日は窓から荒れに荒れた太平洋を見ることができた。
天気が良かったら、青い海と青い空、とても気持ちのいい眺めを楽しめそうだ。
雨が降っていたのでパスしてしまったけれど、カピパラなどは屋外にいたらしい。いつかまた、出来れば天気の良い日に来てみたい。
タクシー乗り場はあってもタクシーは待っていなかったので電話で呼び(携帯電話を持たない私にはできない仕事である)、那珂湊おさかな市場(那珂湊おさかな市場加盟)・那珂湊おさかな市場(ひたちなか市観光協会加盟)に向かった。
実際に市場内を歩いている分には全く意識しなかったけれど、帰ってきてから調べたところ、どうやら市場内の店舗は「どこに加盟しているか」で二つに分かれているらしい。
それぞれ好きなものを好きなだけ食べましょうと(差配してくれた方の気配りが見事である)ヤマサ水産の回転寿司のお店に入った。
かなり混雑している。回転寿司の台が3台くらい回っていそうな広い店内だけれど、名前を書いたのは何番目だっただろうか。
12時ジャストくらいと、休日のお昼にしては少し早めに到着したこともあって、さほど待たずにカウンターに4人並んで座ることができた。しかも、お寿司がスタートする地点に非常に近い好立地である。


席に着くまでに見えた、たくさんの方が注文していたあら汁が大きくて美味しそうだったので、こちらは店員さんに頼む。お茶とがりはセルフサービスで、いざ、回転寿司にチャレンジだ。
どうして「チャレンジ」なのかといえば、記憶の限り、回転寿司2回目の私には、ペース配分やら選び方やら満腹がどのくらいか等々の基礎知識が備わっていないからである。
そして、こちらの回転寿司はネタが大きい。
食べたいものを食べたいように食べたら、4皿半でお腹いっぱいになった。
どうして回転寿司は一皿に二つ乗ってくるのだろう。本当に恨めしい。
私が食べた4皿半は、焼きサーモン、鰹、ぼたん海老(すでにお腹が苦しくなってきていたので、これはシェアした)、活タコ、金時鯛である。
本当に美味しかった。満足である。また来たい。
食べた後、市場をぶらぶらした。金目鯛の開き等々がとても美味しそうだ。
この後ひたち海浜公園に行くし、自分はお腹が一杯だしでお買物をしなかったのは惜しかった。
那珂湊駅までのんびり戻ったらちょうど阿字ヶ浦行きの電車が出たところで、再びタクシーに乗り込んで国営ひたち海浜公園に向かった。
どれくらい走ったか、この辺りはとにかく道が広くて真っ直ぐである。元飛行場を公園にしたり工場を誘致したりしたそうで、さらにドでかいアウトレットモールが進出してきている。
元飛行場だということも知らなかった私はびっくりである。
14時前に到着し、タクシーの運転手さんから「サイクリングがいいよ。」というアドバイスをいただいた。今は雨は降っていないとはいえ、いつ降り出すか判らないような空模様である。
今回のお出かけは旅行会社で日帰り旅行を購入しており、往復の特急と入園券、そして園内を一周するシーサイドトレインという乗り物の1日乗車券が付いている。折角だしシーサイドトレインに乗ることに決めて、まず「みはらしの丘」を目指した。
この時期にひたち海浜公園に来る目的といえばネモフィラである。
シーサイドトレインは、雨のせいか「1週50分くらいかかります」というアナウンスが入ったけれど、実際はそんなにかかっていなかったと思う。ビニルのカーテンが下げられた窓越し、園内の様子に目をこらし、園内の案内に耳を傾け、みはらしの丘まで移動した。
結論からいうと、感想は、「晴れていたら綺麗だったろうな。」に尽きる。
確かに現在ネモフィラは満開である。
しかし、こうしたお花の常として、雨に打たれれば萎んでしまう。そして、さらに当然のことながら、お花は開いているときが一番綺麗だし、ネモフィラの場合、青も濃い。
どれだけがんばっても「薄いブルーがかった緑の丘」にしか見えない。
不思議なことに、私たちがこのみはらしの丘を散策している間は、雨はほとんど落ちて来なかった。のんびり人の少ないところでみはらしの丘を散策でき、却って良かったようにも思う。
タクシーの運転手さんには「相当にきついよ。」と言われ、前にここに来たことのある職場の方は「疲れて上らなかった。」と言う、由来のよく判らない鐘が丘の上に立った。
こういうものがあれば、鳴らす。当然のことである。代わる代わる鐘の音を園内に響かせた。
国営ひたち海浜公園、ネモフィラといえば、私の中では「青い空、青い海、青いお花」の3拍子揃った写真のイメージが強かった。それが、どうも記憶違いだったらしく、この丘を歩いても、この三つの青が揃う場所を見つけられなかった。
みはらしの丘からゲートに戻る途中、たまごの森にチューリップが咲いていた。
綺麗である。
一輪一輪を見ればこちらも雨に打たれていて頭を重たげにしている。しかし、全体を見渡すとカラフルな絨毯のように広がっている。
この辺りを歩いている頃から再び雨が降り出し、足もとが土で滑りやすく水たまりもあったけれど、この綺麗さの前にはそんなことはとりあえず棚上げである。
思わぬ写真タイムとなった。
15時51分発のバスで勝田駅まで戻り、電車までの僅かな時間を利用して、サザコーヒーの駅前店でコーヒーを飲んだ。
雨に打たれて随分と冷えていたようだ。温かいカプチーノがとても美味しい。イッタラのムーミンシリーズのマグカップで出してくれたのも嬉しかった。
雰囲気もよく、コーヒーも美味しく、また行きたいと思わせるお店だ。
勝田駅の改札を抜けたところに小さなお土産物屋さんが展開されていた。そこで売られていた「吉原殿中」というお菓子を私以外の3人はよく知っているらしい。説明してもらっても、どういうお菓子なのか今ひとつピンと来ない。何だか気になって、本日唯一のお土産として5本入りを購入する。
18時46分発のフレッシュひたちで家路についた。
行きも帰りもフレッシュひたちの車内がめちゃくちゃ空いていた。
また同じ行程で、できればネモフィラの季節の晴れた日に旅してみたい。