« 河津旅行記1日目その2 | トップページ | 河津旅行記の入口を作る »

2013.02.25

河津旅行記2日目

2013年2月18日(月曜日)


 5時くらいに目が覚めた。何となく寒い。伊豆とは思えない寒さだ。
 6時30分にかけていた目覚ましで起き出し、お茶を一杯飲んでから温泉に向かった。初めて温泉で他の方とお会いした。入れ替わりになったので、やっぱり温泉は独占状態である。
 結構な雨降りで、屋根なしの露天風呂は辛い。流石の私も内湯のみであがった。
 朝風呂はやっぱり気持ちがいい。


朝食 8時から朝食である。昨日の夕食はお座敷で、朝はテーブル席である。
 朝から豪華だ。昨夜食べ切れなかったキンメダイの煮付けを出していただいてぱくぱく食べる。鯵の開きとスクランブルエッグとソーセージとで迷ったけれど、ここは魚尽くしで行くべきだろうと鰺から先にいただいた。
 ごはんをお代わりして食べ、部屋に戻ってから、昨夜のデザートに出たみかんまで食べた。
 家にいるとトースト1〜2枚しか食べないのに、何故か旅先だと朝からたくさんごはんを食べられる。


 雨は普通に降り続き、激しくなることもない代わりに、止みそうになることもない。空は明るいけれど、雲が流れていて、雨雲は常にそこにあるという感じだ。
 この天気なので、当初予定どおり、稲取のつるし雛を見ようと相談がまとまった。ちょうど、もう一組の方が宿を出られるところで、そのご夫婦は今日は熱川に泊まるとおっしゃっていた。
 駅まで歩き、9時43分発の普通電車に乗って二駅行けば伊豆稲取である。雨も降っているので、コインロッカーに荷物を預ける。
 伊豆稲取駅の改札口横に地図が置いてあり、歩いて10分くらいという、メイン会場の一つである「むかい庵」に向かった。


つるし雛つるし雛 黒っぽい民芸調の建物で、それほど広くはない。「2箇所共通券なら100円引きになります。」と案内があり、もう1箇所のメイン会場も行くつもりだったので共通券を購入する。
 入口を開けたらそこはつるし雛の世界である。
 稲取では、いわゆるお雛様と一緒につるし雛も飾るようだ。畳にお雛様(建物に入っていたり、お内裏様とお雛様だけだったり、こちらも風情ある趣のものが多い)が置かれ、その周りを囲むようにつるし雛が飾られている。


 お雛様が女の子の節句のものだからか、紐や一番上のつるし雛をつるす部分が赤いからか、とにかく赤いというイメージがガンっとやってくる。
 その赤いイメージを突破してひとつひとつのつるされているものを見て行くと、それぞれ可愛い。


 テープで解説が流されていて、赤い目のうさぎには魔よけの力があるとか、沢山吊されていたさるぼぼには厄が「去る」という意味があるとか、三番叟はお祝いごとにつきものであるとか、座布団は座布団の周りで赤ちゃんが這って遊ぶことを願っているとか、色々いわれがあるようだ。
 テープが自認しているように「語呂合わせ」なものも多い。お節と一緒で、願いと祈りが込められていることは間違いない。


つるし雛つるし雛


男の子 むかい庵の中の一角だけ、「赤くない」場所があった。
 元々、つるし雛はその名のとおり女の子のお節句のものだけれど、最近は男の子のお節句用に作ることもあるようだ。ただしこちらは伝統がないので、吊されているのは鯉のぼりだったり、兜だったり、あまりバリエーションがない。逆にそれが質実剛健な感じを醸し出している。


 ふと気がつくと母が切符売り場兼売店のお姉さんと話している。お土産用に、つるし雛の飾りをモチーフにしたストラップ等々が販売されていて、自分用のを選んでいたらしい。あなたにも買ってあげるとおっしゃる。
 どれにしようか迷っていたら、「黄色い布を使ったほおずきはなかなか入って来ないんですよ。」「ほおずきは婦人病に効くということで女性のお守りになりました。」「こちらなど金糸も入っていて綺麗ですよ。」と二人がかりでお勧めされ、ほおずきのものを選んだ。


河津桜 つるし雛まつり期間中の土日月祝日には、まつり会場を巡る無料バスが運行されている。10時30分にむかい庵を出るバスに乗り(乗客は母と私の二人だった)、運転手さんに「徳造丸」や「なぶらとと」というお店に昨日は長蛇の列ができていたというお話を聞いたり、稲取のキンメダイの煮付けはやはり他とはひと味違うのだと強力に宣伝されたりしつつ、「文化公園 雛のやかた」に移動した。
 庭に河津よりも開花が進んでいる桜の木があったので、傘を差しつつ写真を撮る。
 花弁が開いてもピンクが濃くて綺麗だ。


もものつるし雛 中に入ると、むかい庵よりこちらの方がやや広いかな、というくらいの広さだった。
 まず、どどん! と目に入ってくるのは、ひたすら桃だけを集めたつるし雛だ。
 他のつるし雛よりも何重も密度濃くつるしてあって、とにかく凄い迫力である。こう、のしかかられているような圧迫感すら感じてしまう。
 これは絶対に家に飾られてあった形ではないに違いない。


鯛の鯛 あと面白いと思ったのは、「鯛の鯛」で作られたつるし雛(?)である。
 鯛の骨にはこうした「鯛の形」になっているものがあって、「鯛の鯛」などと呼ばれている。その「鯛の鯛」を使ってつるし雛を作っている。
 自然のものだし、重さのバランスを取るのが相当に難しいのではなかろうか。
 鯛の鯛で作ったつるし雛は壊れやすいようで、ガラスケースの中に展示されていた。


つるし雛つるし雛 こちらの会場に飾られていたつるし雛は、年を経ているものが多いように感じた。
 つるし飾りは、元々、7歳だったりお嫁入りだったり、節目節目でどんど焼きでおたきあげをしてしまうため、古いものはほとんど残っていない。だから、年代を経て残っているものは相当に貴重だ。
 色褪せているところが逆に落ち着きを醸し出していて、こういうのもいいなぁ、大切にされてきたんだろうなぁ、と思う。
 母のお友達が作ってくださったつるし雛が我が家にも二つあって、ずっと大切にしていけたらなぁと思う。母は、売店で売られていたキットやつるし雛を見て「一体、おいくらのものをいただいてしまったのか・・・。」と青くなっていた。


 一通り見終わると11時前だった。
 さて、これからどうしよう、あれだけ強力にお勧めされたし稲取でキンメダイを食べるべきだろうかと母と話したけれど、何しろ朝8時にたっぷりの朝食をいただいて、お腹が空いていない。
 お土産を買うならやっぱり熱海駅前がいいよねという話になり、交通整理をしていたおじさんに聞くと駅までは歩いて15分ほどだというし、11時29分に熱海行きの普通電車があることを確認し、上り坂をえっちらおっちら戻った。お天気が良ければ気持ち良く歩ける距離だと思う。
 上りの伊豆急は割と混んでいたけれど、何とか母と並んで座れた。伊豆急では、待ち合わせの際に車内保温のために1両につき一つを除いてドアを閉める。その「開けておく」方のドアの横に座ってしまい、やけに寒い思いをした。


 13時前に熱海駅に到着し、まだお腹が空いていなかったのでお土産を見て回った。
 アルパカのショールにもの凄く心惹かれたけれど、いきなり旅先で買うのに30000円超はかなり勇気のいる決断で、結局、買うところまで踏み切れなかった。いつか再び熱海に行くときのために課題として取っておこうと思う。
 饅頭総本山 源楽では試食にお饅頭を丸ごと1個渡してくれて、お腹が空いていない筈なのに二人してぺろりと平らげた。
 稲取で食べなかった分、徳造丸でキンメダイの干物などを購入する。


 熱海駅前にアンテナショップのようなものができていて、「ATAMI COLLECTION A-PLUS」として熱海の名品をピックアップしているらしい。
 その中から、甥っ子へのお土産にひらきパイを選び、我が家へのお土産に橙マーマレードを選んだ。


20130218_134748 熱海駅前だけとはいえウロウロ歩いてお腹もちょっとは空いてきた。アーケード入口近くにある成木屋というお蕎麦屋さんに入って、母は山菜そば、私は鴨南蛮そばをいただいた。
 お腹が空いていない、空いていないと言いながら、つるつると食べられる。
 普通に美味しいおそばだったけれど、お汁がちょっとしょっぱかったのが惜しかった。


 丁度いい時間の快速アクティーがなく、新幹線で帰ることにした。
 普通に券売機で買ってしまってから、熱海温泉ホテル旅館協同組合や熱海市観光協会で売られている熱海温泉割引切符を購入すれば、通常3570円のところ3150円で新幹線自由席に乗れたことに気がついた。
 金券ショップで購入したこの熱海温泉割引切符で来たというのに、私としたことがうっかりしてしまった。


駅弁 夕食は買って帰ろうと母が言う。
 最後に買い込んだお土産がずしりと肩に食い込み、こんな重いものをぶら下げて東京駅をうろつきたくないと強力に主張し、熱海駅で炙り金目鯛と小鯵押寿司(1300円)を購入した。


 東京駅に着いたら、何という寒さだろう。
 やはり伊豆は暖かい。
 母と二人「寒い寒い」と言いながら、16時半くらいに無事に帰宅した。


 河津旅行記1日目その2 <-

|

« 河津旅行記1日目その2 | トップページ | 河津旅行記の入口を作る »

旅行・地域」カテゴリの記事

*201302河津の始末」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 河津旅行記2日目:

« 河津旅行記1日目その2 | トップページ | 河津旅行記の入口を作る »