ハイダ・グアイ旅行記1日目
2013年6月13日(木曜日)
旅行社から送られて来た日程表には13時30分集合と書かれていた。
16時出発のエアカナダ4便を利用するから、かなり余裕を持った設定である。ギリギリで間に合うように行くつもりだったけれど、添乗員さんからの事前の電話で「席指定をするなら、(集合時刻よりも)もう少し早めの方がいい。」と言われ、さらに1時間くらい早く成田空港に行った。
空港宅配で頼んだ荷物をピックアップして多少の入れ替えをし、集合場所として指定された場所(カウンター等ではなく、本当に通路の一点を指定されていた)へ行ったら、誰もいない。
早く来るよう指示したのに、自分で「ここにいます」と言った場所にいないなんて酷い! と思いつつ周辺をうろうろしていたら、20分くらいしてやっと添乗員さんに会うことができた。
ツアーメンバー9人が集まったところで一通りの説明を受け、エアカナダのチェックインカウンターが開くまで一度解散となった。
ここで初めてツアーメンバー全員が顔を合わせた。関西の女性4人のグループ、長野の男性二人組、一人参加が私を含めて3人(男性一人、女性二人)という構成である。
事前の電話で「年配の方が多いです、驚かないでください。」と言われていて、言われていたって驚いた。どう見てもうちの母よりもさらに年配だろうという方ばかりである。
その同じ電話で「ボートの乗り降りは基本的に wet landing になるので、ガイドさんの膝を借りるなどしてよじ登っていただきます。」と言われていたから驚きは倍加しようというものだ。大丈夫なんだろうか。
個人チェックインの際、念のため通路側席の希望を伝えたところ、「今日は満席なので変更は難しいです。」と言っていたカウンターの女性が端末を叩き、「通路側でお席が取れています。」と言った。席指定のために早く来た方がいいという添乗員さんの発言はやはり方便で、単に早くメンバーを集めたかっただけだなと確信した。
ツアーメンバーのうち7人は関東在住ではなく、新幹線や国内線の都合でかなり早い時間に成田空港に到着していたらしい。恐らくそちらとのバランスを取ろうという意図だったと推測する。それならそうと正直に言ってくれた方がいいのにと思う。
チェックインのとき、私の荷物は16kgだった。ボートツアーでは荷物を厳選せざるを得ないのでかなり絞ったつもりなのに、それでも重い。しかし、結構しっかりしたハイキングシューズも荷物に入っているから、私にしては上出来だ。
カナダ国内線のボーディングパスとクレームタグを添乗員さんに回収され、13時55分に解散した。次の集合はバンクーバー到着後である。
海外旅行保険はカード付帯のもので行こうと思いつつ最後まで「追加が必要か?」と迷い、やはり必要なかろうと結論した。ゾディアックのボートが揺れるだろうから酔い止め代わりに生姜のチューブでも買おうかと思いつつ、それも面倒臭くなってパスし、14時15分に出国した。
流石にこの中途半端な季節ではセキュリティチェックも出国審査もガラガラである。
お昼ごはんを食べていなかったので、プライオリティパスを利用してKALラウンジに入り、おにぎりと赤いきつねとお茶をいただいた。前回利用したときは大混雑で落ち着かなかったラウンジも今日はガラガラで、のんびり寛いだ。
成田空港第1ターミナルで出国後にプライオリティパスで使えるラウンジはもう一つユナイテッド航空のものがあり、そちらの方が広くて快適そうだ。ネットで見たところ、食べ物はKALラウンジの方が充実しているようだ。
成田空港の第1ターミナルビルは改装が終わったようで、前回来たときとは雲泥の差である。通路も広くなり、お店もかなり充実している。これなら早めに来てウィンドウショッピングも楽しいかも知れないと思う。
新しいターミナルビルをきょろきょろしながら移動したら、ラウンジから47番ゲートまで10分くらいかかった。早めの行動が良さそうだ。
エアカナダ4便は16時発予定のところ、30分くらい遅れて離陸した。
17時40分くらいに機内食が出た。
鶏の照り焼き丼、春雨サラダ、ロールパン、チョコケーキというメニューである。お酒を飲んで寝てしまおうと白ワインをお願いしたら、何故かおまけでもう1本くれた。そんなに呑み助に見えたということか、複雑な気分である。
もちろん、複雑な気分は気分として、白ワインは有り難くいただく。
飛行機が苦手で、機内でちゃんと眠れた例しがない。白ワインの力を借りても眠気は全くやってこず、映画を見たり、空港で買った本を読んだりして過ごした。
今回の飛行機は2-4-2という並びの席で(2-3-2だったかも知れない)、私は窓際席のお隣の通路側席だった。
お隣は、日本人の若いお嬢さんである。その彼女が席を立ったときに、窓から朝焼けが見えたので写真を撮った。カナダ時間で2時半過ぎ、到着までまだ7時間もある。
先は長い。機内で眠るためだけに睡眠薬を処方して貰おうかと毎回迷うくらい、私は飛行機で眠れない。
カナダ時間の7時くらいに、機内が明るくなり、朝食が配られた。
ロールパン、オムレツ、フルーツというメニューにコーヒーをもらう。周りを見ていると、「クリームが欲しい」と言うとポーションのものがもらえ、「ミルクが欲しい」と言うと牛乳をカップに入れてもらえるようだ。エアカナダ、芸が細かいぞと思う。
お隣のお嬢さんにも先ほどのフライトアテンダントさんがワインの小瓶をくれたけれど、彼女はグレープフルーツジュースが飲みたかったそうで、「どうしてジュースをくれないんだろう・・・。」と嘆いている。
このワインは液体物ですがカナダに持ち込めますか? と聞かれ、液体物のチェックは出国のときだけだよと思って話を聞いたら、彼女は2度目の海外だそうだ。しかも、今回は海外「旅行」ではなく、8月一杯バンクーバーでホームステイしつつ語学学校に通い、9月からトロントに行くという。
トロントはフランス語圏なのでは? と聞くと「そうですね。」と笑っている。
私から見るとかなり大胆なことをしているのに、スーツケース二つに収めた荷物の多くはシャンプーとリンスだと言っていたり、「飛行機が遅れたから迎えに来てくれている筈のホストファミリーと会えないかも。」と心配したり、入国審査で使われる英会話集を真剣な顔で眺めていたりする。
何だか愉快な気分になって、入国するまで適当な日本人団体ツアーの後ろにくっついて行けば大丈夫! とアドバイスした。
9時25分にバンクーバー空港に到着した。私たちはそのまま国内線に乗り継いでサンドスピットに向かう。
バンクーバーで乗り継ぎするときは、預けたスーツケースをピックアップして預け直す必要がある。添乗員さんに一声かけ、機内で飲みきれなかったワインの小瓶をスーツケースに放り込んだ。折角だからボートツアーに持って行こうという心算である。
そこから再度セキュリティチェックを抜ける。男性はベルトを外させられていたし、前に来たときよりも厳しくなっている印象だ。
「両替したい方はここでどうぞ。」と案内され、セキュリティチェックを抜けたところにあった銀行でカナダドルのトラベラーズチェック200ドル分を現金に換えた。ボートツアーメインの今回のカナダ旅行でそれほどお金を使う予定はないけれど、カナダドルのトラベラーズチェックを後生大事に持っていても仕方がない。
10時40分に解散となり、gate25に12時15分再集合と告げられた。1時間半あるし、今日の昼食はツアーについていないから、ここでごはんを食べておいた方がいいだろう。
バンクーバー空港ではプラザプレミアラウンジがプライオリティパスで使えることを事前に調べてあった。ラウンジの場所が分からずインフォメーションで尋ねると「long walk」と言われ、案内通り歩いて行き着くまでに10分くらいかかった。
ここのラウンジは狭いけれど、ホットミールも食べられるし、落ち着く空間である。
ハムとチーズのホットサンド、チキンヌードルスープ、カフェラテにオレンジジュースをいただいた。
13時発エアカナダ8504便でサンドスピットに向かった。
歩いて乗ったし、可動式の棚が置かれていてそこに持ち込めない荷物は置いて行ってねという感じだし、50人乗りくらいのこの国内線はお気軽な感じである。
しかし、驚いたことに満席だ。
飲み物を聞かれて、「お隣と同じ。」と言ってみたら、そのお隣のおばさまが目を丸くして「これはclam tomatoよ。」とおっしゃる。???という顔をしていたらしく、親切にも一口飲ませてくれた。塩と出汁で味を付けたような、スープのようなジュースだった。
飲み物をきっかけにこのお隣のカナダ人女性とちょこっとお話ししたら、カナダ中部のウイニーペグ(と聞こえたけど違うかも)という街から来た11人グループで、ハイダ・グアイのボートツアーに行くとおっしゃる。私たち日本人グループも同じよと言うと、明日からの天気予報はずっと晴れか曇りだと教えてくれた。雨の予報が出ていないと聞いてほっとする。
「クィーンシャーロット島以外にどこに行くの?」と聞かれて、「クィーンシャーロット島だけよ。」と答えたら目を丸くして、呆れたように首を振っていた。割とよくある会話で、割とよくあるリアクションである。
1時間くらいで、サンドスピットに到着した。
もちろん、ここでも歩いて空港の建物まで移動する。高曇りで、今すぐ雨が落ちそうという感じでないのが有り難い。
しかし、寒い。
タンクトップにノースリーブのワンピース、長袖シャツにフリース、スパッツという格好で、凍えるほどではないにせよ、早く建物に入りたくて小走りになった。
サンドスピットの空港にはインフォメーションがあって、ツアーの面々は皆してそこに吸い込まれた。
地図も置かれているし、売店も兼ねていて絵はがきなども売っている。ハイダの意匠をモチーフにしたペンダントがあってかなり惹かれた。帰りまで迷おうと決める。
添乗員さんが後で切手を買って来てくれると言ってくださり、今回、友人の住所録を持って来なかったのについ絵はがきを買って切手をお願いした。
インフォメーション前には今後1週間の天気予報が張り出されていて、カナダ人のおばさまのおっしゃった通り、ずっと晴れの予報だった。嬉しい。
本日の宿である「The inn at Sandspit」は、空港ビルを出た目の前にあった。15時40分にはホテルの部屋に入ることができてほっとする。バスタブもあるし、湯沸かしポットもあるし、快適なホテルである。
スーパーマーケットに行く人は17時集合にしましょうと言われている。とりあえず、お湯を沸かしてお茶を飲んだ。水道水が飲めますが、お腹に自信がない人はミネラルウォーターを買ってくださいと添乗員さんに言われている。自信のある私は「沸騰させるし」と水道水を使う。全く問題ないようだ。硬水なのか緑茶向きではないようで、美味しいお茶を入れるのは難しい。
集合時刻より少し早めに部屋を出て、ホテルの売店を覗いた。もう閉店していたところを、ホテルのオーナーのミシェルさんが無理矢理に自動ドアを開けて入れてくれる。親切だ。
ハイダのデザインが描かれたぬりえと、ハミングバードの物語(民話っぽい感じ)が書かれた本を買う。おじさんが「値段が判らないんだよな」とぶつぶつ言いながらPCで探している。「値段が判らないんだったら無料ね!」と言ってみると、「それはいいアイデアだけど、ここは僕の店じゃないんだよ。」と言われ、やっと判明したお値段26ドルを支払った。
17時に全員が集まった。途中、何故ここにあるのか判らない(しかし、名産ではあるのだろう)、サーモンのオブジェを見学してから、スーパーマーケットに向かう。
買い出しといっても、自炊するわけではなくごはんがきちんと用意されるボートツアーだから、添乗員さん曰く「ビールを買っていただくくらいですね。」とのことだ。私は、機内でもらったワインで十分かなとも思ったし、ビールが6缶セットでしか売っていなかったので購入を見送る。おじさま方は結構大量に買っていらしたようだ。
このスーパーマーケットには日本酒も売っていたらしい。
何も買わないのもつまらない気がして、非常食代わりにハーシーのチョコレートを買った。
スーパーへの往復の途中、海に沈む夕陽を見ることはできなかったけれど、海辺に咲いていた赤い花がやけに鮮やかである。
今日のお天気があまり良くなくても、明日以降のお天気さえよければいい。サンドスピットでも「夕焼けの翌日は晴れ」という日本古来の(?)天気予報が使えるのかしらなどと思いつつ、海を眺める。
この色鮮やかなお花は、海辺だけでなく、近くの民家の庭にも結構咲いていたから、この辺りではポピュラーなお花なのかも知れない。
ホテルに戻って、18時から夕食をいただいた。
ちゃんとメニューカードが作ってあり、恐らく私たち用に用意してくれたと思われる日本酒がサービスで付いた。至れり尽くせりだ。
そして、何といってもお料理が美味しい。
前菜はビーツのスープ、メインは3種類から選べて、サーモンのグリル、オヒョウのグリル、ビーフステーキ(100オンス)の中から、オヒョウって食べたことがないからチャレンジ! とオヒョウのグリルを選んだ。
ビーツのスープはポタージュよりもさらに濃い感じで、ほとんどすり下ろしたままのようだ。オヒョウのグリルは見た目どおりのさっぱり味で、付け合わせのライスや野菜も美味しい。
これに、チョコ・ブリュレのデザートとコーヒーなどの飲み物が付く。飲み物として緑茶も選ぶことができた。完璧である。
お食事しながら自己紹介タイムがあり、みなさん、やはり「強者」な迫力溢れる方々で、微妙に一触即発な雰囲気も漂い、油断ならない感じである。
食後、添乗員さんが買って来てくれた切手を貰い(日本までのはがきの切手代は1枚1.85ドルだった)、20時前に部屋に戻った。
今日は長い1日だったし、明日にはもう3泊4日のボートツアーに出発である。
スーツケースは置いて小さなバッグに荷物を詰めて行かなくてはならない。
ボートツアー2泊目のローズハーバーにシャワーがあることは知っているけれど、この寒さでは使うかどうかかなり微妙なところだ。
ゆっくりお風呂に浸かり、お茶を飲みつつ絵はがきを書き、流石に22時くらいに眠くなって就寝した。
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