台湾旅行記1日目
2013年10月19日(土曜日)
ご一緒するお姉さんとは、8時50分羽田空港国際線ターミナル集合の約束だ。改札を抜けてターミナルビルに入ったところでばったり会えた。空港税等々3000円強を支払い、eチケットの控えを貰えば手続は終了である。
お姉さんは私と同じくらいの大きさのキャリーケースを持っていて、機内持込みにすると言う。持たせてもらうと、確かに中味は空っぽなんじゃないかというくらい軽い。そこからさらに必要ないものをコインロッカーに預けていて、毎度のことながら、自分の荷造りの手際の悪さにクラクラする。
私は羽田の国際線ターミナルが初めてで、江戸小路にも連れて行ってもらった。思っていたよりも狭くて、この時間では全てのお店が開店している訳ではなく、人も少なくて閑散としている。
早々にセキュリティチェックを抜け、出国審査を終えた。
お姉さんはカフェで小さなケーキとコーヒーを頼んで朝ごはんにしていた。私もアイスコーヒーでお相伴する。
エバー航空059便は、定刻(10:50)どおりに出発した。
私たちが乗った飛行機は「キティジェット」だ。
外観に大きくキティちゃんが描いてあるのはもちろん、機内はクッションやヘッドレストのカバーもキティ柄、お手洗いにある化粧水等のアメニティもキティのボトル入り、トイレットペーパーもキティ柄だ。キャビンアテンダントさん達ががつけているエプロンにもキティがつき、このエプロンは機内販売もされている。
キティ・ファンではないけれど、意外と気分が上がった。
キティ柄のついたコロンは、メロンの香りで、なかなか爽やかだった。
日本と台湾の時差は1時間である。
台湾時間の12時少し前、機内食が配られた。チキンかビーフか選べてチキンにしたところ、鶏のから揚げのあんかけ丼のような感じだった。
ピンク色をした素麺は紫蘇の香りがしてなかなか美味しい。キティの絵のかまぼこが載っている。紙コップ、お箸の袋、スプーンにもキティが付いている。
朝早くにパンとコーヒーで軽く食べただけだったし、ほぼ完食した。
13時30分くらいに台北の松山空港に到着した。羽田発着の便は全て、台北では松山発着になるようだ。両方で街から近い空港を利用できるのは大きなメリットである。
私が預けた荷物が出てくるのが意外と遅くて、これなら機内持ち込みにしてしまえば良かったかなと思う。
きっと私達の他にも寄せ集めのツアーの人がいて、一まとめにして送迎されるんだろうと思っていたら、出迎えのリョウさんよると私達だけの送迎だった。ちょっと驚く。
「手数料は取らない。」と言うリョウさんに10000円を2900台湾ドルに両替してもらい(1元=3.45円)、圓山大飯店に送ってもらった。空港からホテルまで20分くらいだ。道も渋滞していなかったし、ホテルは滑走路に下りた飛行機からも見えたくらいで近い。
私が2回目、お姉さんはもう何回も台湾に来ているので、「水道水は飲めません。」くらいの注意で話が済んでしまう。
その他、マッサージ店の紹介があり、「送迎付きでどこにでも迎えに来てくれるから、夜、出先に迎えに来てもらってホテルに送ってもらえばよい。」と利用法を伝授された。
「猫空に行きたい。」と言ってみると、「天気によってはゴンドラが止まってしまう、それは誰にも判らないことだ。」とあまり気乗りしない様子である。
しかし、今日から3日間の天気予報的には今日が一番「大丈夫そう」であることは間違いないらしい。それだけ情報を聞ければよしとする。
リョウさんは、ホテルのチェックイン手続きをし、携帯電話が海外でも使えるようにしてあるかと尋ね(持っていない私には何のことやらである)、お姉さんがyesと答えると、自分の携帯番号を教えてくれて「夜中でもOKだよ。」と言って帰って行った。
圓山大飯店では改装工事をしており、7〜9階は閉鎖されている。そのためもあってか、お部屋は3階だった。ちょっと低いけれど、そもそも圓山大飯店は高台に建っているので眺めはいい。
部屋に荷物を置き、ホテルのコンシェルジェのお姉さんに、明日の昼、故宮博物院にある故宮晶華というレストランでの国宝宴を予約してくれるようにお願いする。日本語と英語のちゃんぽんで、故宮晶華のHPの国宝宴のページをプリントアウトしたものを示したら笑顔になった。通じたらしい。
朝一番で行って見学後にお昼を食べ、満足していたらそのまま次に向かうし、まだ見たかったら再入場すればいいと思っていたら、同じことを考える人が多いのか、昼の予約はいっぱいで夜なら可能だと言う。
博物院が閉館となる18時30分からで予約してもらった。
明日の準備もでき、猫空に向かった。まだ14時過ぎだ。
ホテルから20分おきに最寄の圓山駅までシャトルバスが出ている。これを利用してMRTの駅に行き、悠々カードにチャージした。やり方が今ひとつよく判らなくてマゴマゴする。券売機の近くにあった悠々カードのマークのある機械にカードをかざし、お金を入れればいいようだ。何かの本に猫空のゴンドラは180元とあった記憶があり、とりあえず500元をチャージした。
MRTの料金は安い。最低料金が20元だったような気がする。約70円である。
猫空までは、2回乗り換えてまずMRT動物園駅まで行く。乗り換え時間を含めて30分以上乗って35元だった。やっぱり安い。
忠孝復興駅で乗り換えた後はずっと地上(高架)を走る。「郊外」という感じの窓外の景色だ。大学があったり、団地(らしきもの)があったり、緑の中を走ったりする。
終点の動物園駅で降りると、人の流れはそのままゴンドラ乗り場に向かっている。
週末だし、台北在住の人にも手ごろなお出かけスポットになっているのだろう。
ゴンドラ乗り場に行くと、水晶車と名付けられた、床が透明になっているゴンドラに乗りたい人は別に並ばねばならず、椅子に座って待っている人が20人くらいいる。二人してちょっと迷った後、時間優先で普通のゴンドラ乗り場に向かった。
エスカレータで上がって行くと、普通のゴンドラ乗り場もディズニーランドのような行列になっていて、一方の「床が透明」なゴンドラの方はある程度人がはけてから呼んでいるらしくほとんど行列していない。もしかしたら、待ち時間はほとんど変わらなかったかも知れない。
悠々カードをかざして改札を通過し、乗り場に入る。ホテルを出発してから1時間というところだ。
やってきたゴンドラの外側に水滴がついているのを見て「上は降りだしたか?」と思いつつ乗り込む。1台に6〜8人を乗せているようだ。そういえば、入口のところに「一人の人は早く乗れます」列も用意されていた。相当に効率はいい。
ゴンドラは緑の中を進み、なかなか気持ちがいい。
振り返ると、台北の町並みも見える。残念ながら、今日は霞んでいる。
目の前のかごが「補修用」という本当に単なる「かご」で、ゆらゆら揺れているのを見ているとかなりコワい。あれには乗れない・・・と思う。
終点の猫空までの間に二つの乗降可能な駅がある。その途中駅で待っている人もいたけれど、途中下車する人はほとんどいないし、出発駅の動物園駅で効率よく詰め込んでいるので、なかなか乗れない。途中から乗ろうというのはかなり無謀な試みといえると思う。
床が透明になっていない方に乗ったにもかかわらず、このゴンドラは怖い。かなり、コワい。
乗車時間25分とまず相当に長いし、山と山との繋ぎ方が大胆だ。
山肌に沿って急激なアップダウンをするのも怖いし、山頂同士を長くつないで物凄い高さのところを行くのも怖い。ゴンドラで味わう怖さフルコースという感じである。これだけで、相当のアトラクションだと思う。
これだけ楽しんで片道50元(約175円)は激安である。休日に若者や家族連れが次々にやってくるのも納得だ。
このゴンドラだけ延々往復していても良かったくらいだけれど、猫空駅では帰りのゴンドラを待つ人が長い行列を作っていた。
「猫空」は茶畑地帯であり、茶芸館が点在する「お茶の里」である。
ゴンドラを降りた通路の右手にインフォメーションがあり、そこに地図も置かれている。散策する前に寄れば良かったけれど行きには気付かず、ガイドブックにも猫空の地図は載っておらず、どこに何があるのか判らないまま適当に歩き始めた。
賑やかな通りを選ぶ。駅の近くには屋台が並び、人で溢れている。
そちらに行くと、「台北市鉄観音・包種茶研発推廣中心」という道案内があり、そこに行ってみることにした。腹ごなし兼お散歩である。
ゆるやかな傾斜の道は、歩道が整備されている訳ではないものの、それほど車が多いということもなく歩きやすい。
整備されてる? されてない? といった感じの茶畑や、眺めのいい場所に並んだ茶芸館、美味しそうなスイーツを出すお店や、お茶の里である猫空で果敢にコーヒーを供しているお店などが並んでいて、そぞろ歩きもなかなか楽しい。
どれくらい歩けば台北市鉄観音・包種茶研発推廣中心に辿り着くのか判らなくて少し不安になる。人を満載したマイクロバス(猫空を巡回しているバスだと思われる)がびゅんびゅん走っていればなおさらだ。
遊歩道も整備されているけれど、雨の降りそうな夕方にはちょっとチャレンジはできない。次は1日かけるつもりで来てもいいなと思う。
のんびり20分くらい歩いて、台北市鉄観音・包種茶研発推廣中心に到着した。16時半過ぎの市の施設は、17時の閉館に向けて準備万端という感じである。
流石にお茶の里にある「茶研発推廣中心」だけあって、大きなマグカップが用意され、蛇口から烏龍茶が飲み放題になっている。お茶を収穫してからの作業に必要な道具が展示され、 美加茶園というお茶屋さんがテーブルを出して出店している。テラスに出てみると、微妙に不ぞろいなお茶畑を見ることができる。
どうしてもわざわざ行くほどの場所ではないけれど、行ってみても悪くない、という感じだ。
飲み放題烏龍茶の片付けが始まったのを潮に、私たちも引き返した。
来る途中で気になっていた、天恩宮というお寺の隣にあるお土産物屋さんに立ち寄る。地元の方々も次々に吸い込まれている。干し梅やパイナップルケーキ、ゼリーなど、様々なお茶請けがばら売りされている。
妹に「パイナップルケーキをお土産に買ってきて。」と言われたのを思い出し、パイナップルケーキ等々を300元分買い求めた。これで、家へのお土産は完了である。
お土産物屋を出ると、雨が降っていた。
もう扉が閉められてしまったお寺の前で少し雨宿りしたけれど、どうも止む気配がなく、傘を差して歩き始めた。目的の茶芸館までそれほど距離はない筈である。
行きがけにはガラガラだった茶芸館も、段々賑わってきている。流石に夕日は無理だけれど、台北の街の夜景を見ようという人が増えてきているのだろう。
ゴンドラの猫空駅近くにある縁続縁茶芸という茶芸館に行った。猫空の茶芸館は24時間営業のところも多い。
通りがかりに見たところ、ゴンドラ待ちの人がかなりまだ並んでいる。雨が降り出したから早めに退散という人も多いらしい。
縁続縁茶芸は建物の2階にあって、入口で「お茶か? 食事か?」と聞かれた。ここで「食事」と答えると、茶葉料理を供する3階に案内されるようだ。私たちは「お茶」と答え、2階の夜景の見える窓際の席に案内された。
席に向かう途中に池があり、池の中に配置された飛び石を伝って行った。風情だ。
席は個室風かつ板敷きの座敷風で、内装は全体的に古民家風だった。なかなか趣がある。
メニューに日本語で注意事項のようなものが書いてある。人数が5人以下の場合は席料が発生しますとか、ミニマムチャージがありますとか、3時間までですとか、そういう内容だ。
割と愛想のないお店の女の子にお勧めのお茶を聞くと鉄観音烏龍茶だと言う。お茶請けをお盆一杯に並べて持って来てくれたものの、特に説明するでもなく持って帰られてしまい、結局頼んだのはお茶だけだ。
お店の人が間違えたらしく、私たちの席に、烏龍茶セットとは別に、ごはんセットが運ばれてきた。もちろん苦笑いしたお店の女の子がすぐに持って行ってしまう。しかし、そのとき見たごはんセットがかなり美味しそうで、ここでごはんを食べることにした。18時過ぎといい時間である。
もう一度メニューをもらい、ついでに「お茶の飲み方を教えて。」と頼むと、はいはいと二つ返事で教えてくれた。愛想はないけれど、頼めばちゃんと答えてくれるらしい。さっさと教えてもらえばよかった。
急須や茶壷をぐらぐら沸かしている熱湯で温め、茶葉を急須に入れてお湯を注ぐ。1杯目のお湯は、茶葉についている埃等を洗い、すぐに流してしまう。
もう一度。急須に熱湯を満たし、割と時間をおかずに茶壷に移す。
茶壷から聞香杯に注ぎ、すぐに丈の低いお茶碗に入れ替える。聞香杯の香りをかぐと、焙煎しているかのような香ばしい香りがする。
これで、ワンセットだ。
お茶をいただきながら(そして、窓外に広がる台北の街の夜景など写真を撮りながら)待っていると、注文した食事が運ばれてきた。
愛想のないお店の女の子曰く「セットメニュー」は、ごはん、スープ、前菜3種盛り、メイン、烏龍茶のゼリーである。お姉さんは、牛肉の煮込みを選び、私は鶏肉のレモングラス焼きを選んだ。
鶏肉のレモングラス焼きは、外側はぱりぱり、お肉はジューシーでなかなか美味しい。レモングラスの香りや味よりもピリ辛が際立っている。辛い!
牛肉の煮込みは、甘いようなアニス独特の香りがして、お肉の塊がゴロゴロ入っている。どちらも美味しい。
サッパリ系のお茶のゼリーまで、美味しくいただいた。
流石に3時間とまで行かずとも、かなり長居してしまったようだ。
お茶を頼むと、75g入りのお茶を持ってきてくれて、余った分は持ち帰ることができる。それで350元だから、台北市内よりもお安いのではなかろうか。
この鉄観音は「焙煎したのか?」と思ったくらい香ばしい、ちょっと強い感じの烏龍茶で美味しい。
トータル1000元ちょっとだった。カードが使えたら、お茶をいくつか買っていたのに残念だ。レジの後ろにお茶の缶というか箱が並んでいたから、購入もできたように思う。
19時過ぎ、ゴンドラ待ちの列はなくなっており、すんなり乗ることができた。
しかも、来るときに見送った、底が透明になっているゴンドラである。もうすでに真っ暗になっているし、ゴンドラの中には灯りがついているので、下はほとんど何も見えない。道路の上を通るときに、街灯があれば目を凝らして道路を確認できるという感じだ。
底が透明になっているゴンドラを指定して乗れるのは17時までで、それも納得である。
ゴンドラから見えた夜景も、ほぼ満月だったお月様も、とても綺麗だった。
動物園駅まで降りてくると、MRT駅とは反対の方に池があり、看板によるとどうやら噴水のショーを15分ごとに行っているらしい。あと数分だったので、正面の席に陣取って開始を待った。
案内のアナウンスが入り、音楽とともに、噴水のショーが始まった。
水も豊富、電気も豊富ということよね〜、というせちがらい感想が浮かぶ。
5分くらいの噴水ショーはなかなか楽しかった。
雨に降られないのは今日くらいかも知れないし、明日の夜は超豪華ディナーなのでその後で食べ歩きは無理だろうと、士林夜市に向かった。
士林夜市に向かう車内で「永楽帝」の話になり、いつの時代の皇帝だったっけ?という話から始まって何故か日本に話が飛び、百人一首に女性天皇の歌が入っているはずだけどそれは誰だっけ? 天智天皇? それは男だよ、推古天皇の歌は入っていないし・・・と話していたら、うっかり乗り換え駅を過ぎて松山空港まで行ってしまった。
かなり行き過ぎである。
松山空港駅から引き返し、2回乗り換えて、剣潭駅まで行けばその目の前が夜市である。
独特のアニスの匂いが濃く流れている。腸詰もフルーツも美味しそうだ。しかし、今ひとつ胃腸に自信が持てないし、すでにお腹はいっぱいで諦める。
喉が渇いていたので、私は健康茶(60元)、お姉さんはフルーツのスムージーのようなものを買い、飲み飲み歩く。
晴れ女のお姉さんが「強気に持ってこなかった!」と言う折りたたみ傘を買っていた。お店で働いていた男の子がなかなか可愛く、「これ。」と指差すと全部開いてくれて親切だった。あのお店はきっと彼で相当に売り上げているに違いない。
凄い人混みのなかをぶらぶら歩くのはなかなか難しい。
物凄い勢いで食べ物の屋台を引っ張っている人がいて、「何???」と思わず言ったら、お姉さんにあっさり「きっと警察が来たんだよ。」と言われて納得した。なるほど。
1時間近くもうろうろしたのに何も買わなかった私もかなりマヌケである。
そぞろ歩きは結構疲れるし、ホテルはここから近い。タクシーでさくっとホテルに戻った。
ホテルに戻ったら23時近かった。
リョウさんがホテルのライトアップもきれいですよ教えてくれたけれど、流石にもう終わっている。門のライトアップはまだ続いていたので、テラスに出て写真を撮る。
テレビで天気予報を探すけれど「日本の天気予報(NHKが見られた)」か「台湾の今の天気」しか見つからない。
1時過ぎに就寝した。
-> 台湾旅行記2日目その1
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