那須旅行記1日目
2013年11月17日(日曜日)
今回の旅の目的は「温泉」と「藤城清治美術館」である。
昨日の母と妹との協議で、1日目の昼食後に妹一家と合流することになり、ホテルの東京事務所に電話して那須塩原駅からホテルまでの送迎を予約した。
のんびりと9時過ぎに家を出て、大宮から東北新幹線「なすの」に乗った。えきねっとの15%割引に間に合ったので指定席にした。自由席でも十分座れそうな様子である。
大宮駅から那須塩原駅までは45分ほどで、あっと言う間に到着した。
電話で予約した際、「西口に出ていただければ、大きくホテルの名前を書いたバスが停まっています。」と言われたとおり、何台かホテルの送迎バスと思しき大型バスが待ち構えていた。
本日の宿であるホテルサンバレー那須のバスも停まっている。がらがらかと思いきや、年配のグループがいくつかいらして、総勢10人といったところだ。お天気のよさに気をよくしてバスに揺られていると、妹から母にメールが入った。とっくに那須に到着し、南ヶ丘牧場で遊んでいるという。12時半くらいにホテル到着予定だとメールを返した。
予定どおり、バスは12時25分にホテルに到着した。
ホテルサンバレー那須はいくつもの棟がある大きなホテルで、本館、フォレストヴィラと停まって、オリエンタルガーデン館でチェックインする私たちが最後になった。
ちょうど、妹一家も車で到着し、一緒にチェックインする。もっとも、部屋に入れるのは14時半からで、やけにややこしいホテル施設や部屋の場所を説明してもらい、夕食と朝食の時間を確認して荷物を預ける。
和室を予約していたところ「今日は余裕があるので。」と2部屋とも和洋室にアップグレードしてもらえた。ラッキーである。
2歳9ヶ月の甥っ子に「フィットに乗ってもいいよ。」と言ってもらい(笑)、母と私も妹一家の車に乗り込み、お昼ごはんを食べに出かけた。出発したのは13時近かったと思う。
甥っ子に「何が食べたい?」と聞くと「うどん!」という元気のいいお返事で、うどん屋を探して車を走らせる。蕎麦屋は大体うどんも出すけれど、観光地の「こだわりの蕎麦!」みたいなお店だと逆にうどんがメニューにないこともありそうだ。
山ぼうしといううどん専門店に入った。
那須高原の野菜をたくさん載せたサラダうどんがお勧めのお店だけれど、4人(プラス甥っ子)はどちらかというと温かいうどんが食べたい気分だ。舞茸天ぷらうどんを二つ、若鶏の天ぷらうどんを二つ、甥っ子には分けてあげることにして、那須高原の牛乳を別に頼む。美味しそうだ。
私が甥っ子にごはんを食べさせたことはないのに、何故か甥っ子はレストランに入って私がいると「隣に行きたい。」と言う。「来てもいいけど、ごはんは食べさせてあげられないよー。」などと言っているうちに牛乳が届いた。ストローを差した牛乳くらいは流石に簡単なので、膝の上に乗せて飲ませる。ベンチ式の席で、甥っ子には少々座高が足りない。
そうこうしているうちに、うどんもやってきた。
うどん自体も太くて腰があり美味しい。それ以上に、天ぷらが美味しい。特に若鶏の天ぷらは身が柔らかくサクサクに揚がっていて、普段、お肉を食べない甥っ子が一口といえど食べたのだからその美味しさが判ろうというものだ。
ここのところ胃が痛くて食事を控えめにしていたのに、そんなことも忘れて私も完食した。旺盛な食欲を見せた甥っ子に分ければよかったのに、我ながらマヌケである。
もう那須高原の紅葉は完全に終わってしまったかと思っていたら、道々、完全に葉の落ちた木もありつつ、綺麗なグラデーションが鮮やかな木もところどころにあって満足である。
このお店の前にも1本、綺麗なもみじの木があった。
甥っ子の写真を撮ろうとしたら、「いやぁだ!」と後ろを向かれてしまった。残念だ。
お腹もいっぱいになったところで、藤城清治美術館に向かった。本日の宿であるホテルサンバレー那須から徒歩5分と近い。
第一駐車場は満車で、第二駐車場に案内される。その第二駐車場も3〜4台分しか空いていない。その人気ぶりに驚く。
入口からちょっとした散歩道のようになっていて、小川や紅葉した木々を楽しめるようになっている。ネコの置物もあって、甥っ子もそのネコと一緒だと機嫌よくカメラに収まってくれる。
美術館に向かう途中にあった小さな教会に立ち寄った。
ステンドグラスに藤城清治の影絵をはめ込んであり、光が差し込んでステンドグラスの模様が床と椅子に落ちている。レンガと木目が基調になった暖かい感じの建物だ。
しばらくのんびりぼーっと座っていたいところだけれど、甥っ子がダッシュで出て行っては追いかけない訳にいかない。
小さい子のお父さんお母さんは大変よねー、妹も義弟もよく辛抱強く相手をしているなぁとしみじみする。
しみじみしただけで妹一家を置き去りに美術館に向かい、4人分のチケットを購入した。栃木県民の方や89歳以上の方(恐らく、藤城清治氏の年齢以上の方という趣旨だと思う)は割引がある。一人1500円、2歳児の甥っ子は無料である。
受付の女性に「同じ道を帰ってくることになりますので。」と言われて、美術館の中に入った。
結構な混雑ぶりで、動線が複雑で通路が狭いこともあって、遠くからゆっくり眺めることがほとんどできない。ちょっと残念である。
その代わり、藤城清治氏直筆の説明文があったり、床や天井に影絵が映し出されていたり、2階にアトリエが再現されていたり、あちこちに楽しい工夫がある。
ケロヨンが藤城清治のデザインだということも初めて知った。
レースに出ていたという車もあった。甥っ子が興味津々だったので「触っちゃだめだよ。」と声をかける。しげしげと周りを回って見つつも、触ろうとはしないのはかなりエライと思う。何しろ、2歳児である。
展示されている影絵のいくつかは「原画がなくなってしまったので」写真等を元に復元したという作品だった。それだけ気に入っている作品だったのだろうなと思う。
代表作が展示されている一方、新作も展示されている。
東日本大震災後にスケッチに行き、その様子を影絵に仕上げている。防護服(で名前は良かっただろうか)を着てスケッチをしている写真も展示されていた。
藤城清治の影絵といえば、メルヘンというかほんわかした、柔らかくて色鮮やかな作品が多い。しかし、被災地を描いた影絵は、柔らかな色の中にも、線の鋭い作品である。こういう形で伝えられて行くことは重要だと思う。
そして、風景の中に必ず小人がいたのがとても印象的だった。
この美術館の白眉は、一番奥の展示室にある。
手前に水を張ってフローティングキャンドルを浮かべ、鏡を利用してずーっと奥の方まで影絵が連続しているかのように見せた作品が3点、飾られている。
横幅6mという藤城清治作品の中で最大サイズだという影絵は、この美術館のオープンに合わせて製作された作品だ。美術館のオープンに間に合わなかったので、オープン予定日はプレオープンとし、この作品が完成して展示された日を正式オープンとしたそうだ。
遊園地のようで観覧車やメリーゴーランドがあり、木々が燃えている不思議な影絵だ。
その他の2点は、大曲の花火と、紅葉の京都の清水寺の風景を描いたもので、やはり奥の方までずーっと続いている様子は圧巻だった。
結構、急いだつもりだったけれど、甥っ子には長すぎる時間だったらしい。
妹一家は先に出て、母と私はミュージアムショップに行き、甥っ子へのプレゼントに「銀河鉄道の夜」の絵本を買った。「セロ弾きのゴーシュ」よりも、銀河鉄道の夜の方が挿絵が幻想的で綺麗だと思う。
その他、母と絵はがきを2枚ずつ購入して美術館を出たら、目の前にまだ甥っ子たちがいた。
待っていてくれたというよりは、なかなか先に進めなかったようだ。
藤城清治美術館から車でホテルに戻り、鍵を受け取ってお部屋に入る。しかし、これが遠い。ホテル内で万歩計を付けていたら相当の歩数を稼げた筈である。
チェックインしたオリエンタルガーデンのフロントから、通路でつながったガーデンスィートという別館まで、何回か道を間違えたくらい複雑で遠い。
その代わり、その一角には我々しか宿泊していなかったようで、甥っ子に同行している身としては有難い。何故か階段や坂が好きな甥っ子は、「案内してください。」などとおだてると率先して歩いてくれる。
15時半くらいにお部屋に到着すると、甥っ子が「おばあちゃん達の部屋に行く。」と騒ぎ、早速、座椅子に座って一人前にホテルの案内などを見ているのが可笑しい。
お茶を淹れようとしていると、妹たちもこちらの部屋にやってきた。珍しく「紅茶がいい。」と言うので、はいはいと用意をしていると、ホテルの方がケーキを届けてくれた。
サプライズで妹が私のバースデーケーキを用意してくれていたのだ。
びっくり!
ベリーのたくさん載った生クリームのケーキなんて本当に久しぶりだ。
甥っ子が大興奮でチョコレートのプレートや上に載ったベリー類を食べようとするのを妹たちが大騒ぎして押しとどめ、素早くろうそく(5本だったのは何故?)を立てて、甥っ子主導でハッピーバースデーの歌を歌ってもらった。
もちろん、ろうそくの火を消すのも、甥っ子と私の共同作業である。
甥っ子が待ちきれずにケーキに手を出し、上に並べられたベリー類は恐らくほぼ全て甥っ子のお腹に入ったと思う。そんなに食べたいのかと可笑しい。
なかなか美味しいケーキだった。
サプライズをありがとう!
夕食を17時半に指定されていたので、ケーキをいただいたばかりではあるけれど、「今から行こう!」という話になった。
妹一家よりも母と私の方が準備が早いのは当たり前である。「本館の大浴場に行くよ。」と妹に声をかけ、母と先乗りした。
浴衣に着替え、ホテルの人に教えてもらったとおりの道を通ろうとすると、その道筋にある教会で結婚式が行われていたようで、新郎新婦が記念写真を撮っている。着飾った方々がちらほら集まっている場所を突っ切る温泉旅館の浴衣姿の二人・・・。申し訳ない限りだ。
本館にある「湯遊天国」は、内風呂と露天風呂があり、泉質も3種類(硫黄泉、マグネシウム泉、弱アルカリ泉)ある。岩風呂の作りになっている湯船が多く、なかなか贅沢な感じである。
内風呂のフルーツ風呂の人気が高く、大混雑だ。
脱衣場も結構混雑していたけれど、中に入ってしまえば、湯船がたくさんあるし余裕がある。
ここは日帰り入浴も可能だし、水着着用のアクアヴィーナスとも繋がっている、夕食前ということもあって、一番混雑する時間帯だったのかも知れない。
よもぎサウナにちょっとだけ入ってみたものの、やっぱりサウナが苦手な私はすぐに出てしまった。あともう一つか二つあったサウナ以外、全ての種類の湯船に浸かったと思う。
硫黄泉は白く濁っていて、一番「温泉だなぁ」という感じがする。硫黄泉に長く浸かっていると、次の日も、下手をするとさらにその次の日も自分から硫黄の匂いがしているような気がするのが困ったところである。
寝湯のジャグジーも気持ちよかったし、フルーツ風呂に入って、みんながずっと浸かっていた理由が判った。かなり温めなのだ。りんごとオレンジとレモンが浮かんでいた。
「あつめ」とか「ぬるめ」の表示はもうちょっと正確だといいと思う。
お湯を次々とハシゴしたせいか、露天風呂などかなり空気が冷たくてひんやりしていたのに、久しぶりに立ちくらみを起こしかけた。そこまでするなんて阿呆である。
30分くらいであがり、母が「外で待ってるから。」と言うので急いで身支度をして出ると、母の姿がない。待ちくたびれて先に帰ったのかしら? とゆっくり戻り、先ほど新郎新婦が写真撮影をしていた辺りでライトアップをしていたので写真を撮ったりもしたけれど、それでも姿を現さない。
部屋まで戻ったのかと思ったけれど、鍵を持っているのは私だし、部屋の前にもいない。妹たちの部屋で休んでいるのかと聞いてみたけれどいない。
あまりにも複雑な構造だから迷子になったのか? しかも、そろそろ夕食の時間である。
慌てて探しに行ったら、義弟が追いかけて来てくれた。
何と母は、建物間を巡る送迎バスに乗り、その送迎バスがぐるっと一周したために戻るのに時間がかかったのだと言う。本人が「楽だったわよ〜。」とのんきにしているのを見て脱力してしまった。
何はともあれ、夕食である。
甥っ子が張り切って先頭を歩いて行くので「案内してねー。」と言うと、「こちらへどうぞ〜。」などと身振り付きで教えてくれる。階段もある通路で後ろを振り返りながらやってくれるので、危なっかしいことこの上ない。
チェックインしたフロントの反対側にあるレストラン万里に到着した。夕食は中華をメインにしたビュッフェである。
甥っ子を入れて5人いるので、子供用の椅子が用意され、円テーブルに案内された。
温泉を散々堪能したおかげで、私のお腹はしっかり空いている。
張り切ってお料理を取りに行く。義弟はアルコールは飲まないし、妹はお腹に赤ちゃんがいるので、一人で飲んでも仕方がないとアルコール抜きの健全なテーブルである。
できるだけたくさんの種類を少しずつ取る。
結構、美味しい。
唯一「那須鶏」だけはブランドというか、種類が明示してあって、そのスープもから揚げもなかなかジューシーで美味しい。
デザートまでしっかりいただいた。
お腹いっぱい食べ過ぎて、緑豆のお汁粉とごまだんごを食べられなかったのが心残りだ。
甥っ子は和食好きの偏食で、なかなか食べられるものがなかったようだ。
結局、ごはん(チャーハン等ではなく、本当に白いごはんだけ!)をお茶碗に半分くらいと、あとはひたすらパイナップルを食べていた。
お父さんと入った温泉でもかなりはしゃいでいたそうで、ごはんも食べて満腹になればあとは寝るだけだ。甥っ子は、18時半前に妹に抱っこされて寝入ってしまった。寝入ってしまった後、物凄い汗をかいていたのがちょっと可哀想だった。
18時半過ぎに部屋の前で「解散」となった。
和室で寝転んで母と二人テレビを見ていると何だかすーすーする。「寒いよね。」と言いあってエアコンの設定温度をどんどん上げていったら、30度に設定してもまだ寒い。
お手洗いに行って戻ったときに気がついたことには、この部屋は相当に暑い。寒く感じるのは床上数cmだけだ。
小さい床置きのセラミックファンヒーターがあった理由がようやく判った。
和洋室の両方にほぼ同じ大きさのテレビが設置してある。
20時からは、母は和室で、私は洋室でそれぞれテレビを見る。那須まで来て何をやっているのかという感じである。母は大河ドラマ「八重の桜」、私は「劇的! ビフォーアフター」である。
貧乏性の私は、このホテルにはいくつも温泉施設があるのに、温泉に1ヶ所1回しか入らないなんて考えられない。
「湯遊天国」は一旦外に出ないと行けず寒そうなので、オリエンタルガーデンの湯処ひのきに行った。
21時過ぎだから空いているかと思ったら、意外と人がいた。
名前のとおり内湯も露天風呂も全てひのきの浴槽だ。岩風呂の野趣な感じもいいけれど、すべすべとして痛くなく、香りも良くて手足が伸ばせる檜風呂もいいものだ。湯船は5〜6個もあり、、全て硫黄泉である。
後半は三つある露天風呂のうち一つを独占し、貸切風呂のような感じでのんびりゆっくりした。
部屋に戻ってもまだ22時過ぎだった。母は「寝ちゃってる。」と言いつつ、テレビを見ていたらしい。
「明日の朝、温泉に行く?」「6時に起きて行くとみんな重なって混雑しているかも。」等々と協議し、部屋にあった目覚まし時計を5時50分にセットする。
最初はエアコンも2時間後に切れるようセットするつもりだった。しかし、母が「朝方、寒いんじゃない?」と言う。
濡れたタオルをかけたタオルかけを持ち込み、コップにお湯を汲んでテーブルに置き、マスクを装着して乾燥対策を整え、エアコンは20度でかけっぱなしにした。
-> 那須旅行記2日目
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