ハイダ・グアイ旅行記5日目その2
2013年6月17日(月曜日)
ハイダ族の「女系」という考え方についてさらにこんがらがってきたところで、ウォッチマンの家をお借りしてランチタイムとなった。
お昼ごはんをいただいた13時過ぎには雨も止んで晴れ上がったけれど、この日は寒かったこともあって屋内でいただけるようお願いしたようだ。
エリン曰く「今日は朝が遅かったので軽い昼食」だそうだ。
たくさんの種類のお茶を用意してくれていて、自分が選ぶために説明して貰うついでに周りの方々にも配っていたら、添乗員さんに「働かないでください!」と悲鳴を上げられてしまった。申し訳ないとは思うけれど、性分&ボートツアー初日の夜のインパクトが未だに尾を引いているので仕方がない。
エリンが、隅っこのテーブルを借りて記念スタンプを押し、エンボスを押していたので、私もやらせてもらった。ここまで私が気がつかなかっただけで、ウォッチマンのいる島々でエリンは全員分のスタンプを押してくれていたらしい。
スタンプ帳はガイドブックを兼ねていて、ボートツアー終了後に全員に配られた。読めばかなり面白そうだけれど、如何せん英語なので、私がいつ読もうという気になるかはかなり疑問である。未だに手を付けていない。
昼食後、レイヴンちゃんに手を差し伸べたら、素直に抱っこされてくれた。可愛い。
嬉しくなって抱っこしたまま外を歩いたり、写真を撮ってもらったりしていたら、レイヴンちゃん一家との写真撮影大会が始まった。
ちょうどそこに、カヌーでやってきた青年二人組が現れ、その様子を見て苦笑していた。「一緒に入る?」と聞いたら笑って首を振る。お一人は日本語が話せるらしかった。
メアリーさんは彼らを案内するために歩き出したし、私たちもそろそろ出発の時間である。
来るときは海沿いを、戻るときは1本奥の家を見渡せる高い場所の道を歩いた。
珍しく添乗員さんが通訳に四苦八苦していて、「切り妻屋根って?」とおっしゃる。電子辞書があまり親切ではなかったらしい。「赤毛のアンのおうちみたいな屋根だって。」と、私としては「ビジュアルイメージまで伝えきった完璧な説明だ!」というつもりで言ったのに、どうやら今回のツアーメンバーの誰にも響かなかったらしい。
男の子も、ある一定以上の年齢の方も、「赤毛のアン」は読まない(あるいは、子供の頃に読まなかった)のだと気がついた。ある意味、カルチャーショックである。
帰り道もガイドをしてもらいながら歩き、カヌーで来ていた青年二人を見送って、15時近くにタヌー島を出発した。
タヌー島見学の間はほとんど雨に降られることもなく、陽も射してきた中を歩けてラッキーだった。
島を離れた後で、タヌー島にビル・リードが埋葬されていた筈なのに彼のお墓に詣でられなかったことに気がついた。事前に調べていたのに、すっかり忘れていた。
今でも残念に思っていることの一つである。
ルイーズ・ナロウと呼ばれる細い水路(島と島の間)は、細いだけではなく水深が浅かったようで、エリンは海図を見ながらゆっくり慎重にボートを進めていた。エリンは、ルイーズ・ナロウを抜けたら1時間半くらいでモレスビー・キャンプに戻れるでしょうと言う。
ルイーズ・ナロウを抜けたところで、エリン曰く「Crazy! But cool!」な光景が目に入った。
遠目ではっきりとは判らなかったけれど、ヘリが崖の中腹にある集積所から下の岸辺まで木材を吊り下げてピストンで移動させているらしい。
皆でしばし見つめる。残念ながらこの辺りからまた雨脚が強くなってきたためほどほどで出発し、20分くらいでモレズビーキャンプに到着した。16時半くらいのことだ。
私たちは荷物をボートに残したまま、行きにレインコートを借りて着込んだ倉庫まで戻った。エリンがボートをトラックにつないで回ってきてくれるのを待つ。雨脚がどんどん強くなり、見学中ではなくて良かったとほっとする。
借りたレインコートを整理して元の場所に戻し、ボートから荷物を降ろして車に移し、車に弱い方には前の方の席に乗っていただいて、エリンの運転で再びホテルに向かった。その途中、熊が車の前を走って横切るのを見てびっくりした。
18時過ぎ、イン・アット・サンドスピットに到着した。
「今まで会ったお客さんの中で、みなさんが一番タフで元気だった。」というコメントに笑いつつ、皆でエリンとハグしてお別れした。
「夕食の前にシャワーを浴びたい!」とワガママを言って、夕食は19時15分開始にしてもらった。とにかく冷えていて、風邪をひきそうだ。
人心地ついてレストランに行くと「ちょっと先にこっちへ。」と呼ばれた。何かと思ったら、この日がお誕生日という方がいらして、みなで寄せ書きのカードをプレゼントしましょうという添乗員さんの企画だった。いつの間にか、このツアー中に全員で撮った記念写真までプリントアウトしてある。
前菜はサラダかスープを選べますと言われたのに、スープを頼んだ方が「サラダも食べたい!」と言ったか、サラダを頼んだ方が「スープも飲みたい!」と言ったか、とにかく無邪気にリクエストしたところ、シェフが「あるだけなら。」と言って出してくれた。結局、ほとんどのメンバーが両方食べたと思う。
このサラダに載っていた鮪が燻製っぽくて、「何だか鮪っぽくないね。」「お肉っぽいね。」「ツナサラダじゃないんじゃない?」などという話になった。皆して、お料理の説明を通訳してくれた添乗員さんを疑いの眼で見始めると、添乗員さんが焦って「ツナって言いましたよね?!」と何故か私に向かって確認してくる。
「添乗員さんはツナって言っていたね。」と素で返したら、どうやら「お店の人がツナって説明していましたよね?」という趣旨の確認だったらしい。
すぐに訳してもらえると判っているのに英語を聞き取ろうって努力はしないよ、そもそも聞き取ろうと身構えて集中しなくちゃ全く聞き取りなんてできないんだよと思いつつ、「だから、添乗員さんがツナって言ってたのは聞いたよ。」と冗談半分に答えるとツアーメンバーも笑い出し、ついに添乗員さんがウエイトレスのお姉さんを呼んで「これ、本当にツナ? 100%間違いなくツナ?」と大袈裟に確認してウエイトレスさんからも大笑いされていた。
今回のディナーのメインディッシュはサーモン、銀ダラ、牛ステーキから選ぶことができた。私は銀ダラをお願いした
素材も新鮮だし、ここのレストランのお料理は美味しい。
景気よくアルコールを飲んでいるツアーメンバーはどんどんできあがってきて、私のグラスには左右から缶ビールを注がれ、お店のお姉さんに目を丸くされてしまった。
エリンが食事の途中で再度現れ,何かと思ったら忘れ物を届けてくれたらしい。まだレインウエアを着ていて、ボートツアーの後始末が終わっていなかったのだろう。何だか申し訳ない気持ちになったけれど、何ぶん、酔っ払いなのですぐに忘れてしまった。重ねて申し訳ない。
お食事が終わったところで、ホワイトチョコのバースデーケーキが運ばれてきて、プレゼントが渡された。
喜んでくださったのが何よりだ。
「甘い物は苦手。」とおっしゃって80代の男性から私のところにケーキが一切れ回ってきて、これは断るわけにはいかないでしょうとこのサイズのケーキを2切れ平らげた。自分で言うのも何だけれど、我ながらなかなか男前である。
このメンバーで近々に国内旅行をしましょうという話まで持ち上がり、2時間以上かけた賑やかで楽しい夕食となった。
この後、2次会が行われ、添乗員さんと二人でお招きいただいた。最終日(最後のディナーがある日)はどうしても慌ただしくなってしまうので、その1日前にこうして飲み会をするのがお二方の習慣だそうだ。日付が変わった辺りまで「飲み」が続いた。
なかなか人には言えないコアなお話が多くて面白かったけれど、だいぶアルコールが入っていたのでかなり眠くて辛かったのも本当である。
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