三春旅行記1日目その1
2014年4月20日(日曜日)
1週間くらい前から天気予報に一喜一憂し、しかし最近雨女の称号を返上したし、何とかなるだろうと思っていた。
お天気もだけれど、さらに気になるのは三春の滝桜の開花状況で、火曜日辺りに咲いてすぐに満開になったもの、少し寒くなったこともあって満開が続いているらしい。それならば、お天気が少し悪いくらいの方が、道が空いていていいのじゃないかと思っていた。
上野駅8時34分発の新幹線なすのに途中乗車してツアーに合流する。
毎回、上野駅までの運賃精算と入場券の購入に時間がかかるので、この日も8時過ぎに上野に着くように家を出た。
少し余裕があるつもりでおやつを買おうと構内のお店を冷やかし、シレトコドーナツを購入した。一口サイズの焼きドーナツがプラスチックのカップに入っていて、食べやすそうだ。
入場券を購入して、長い長いエスカレーターで地下深くにもぐり、発車時刻ぎりぎりに新幹線ホームに到着した。
指定された6号車に乗車して席に着くと、添乗員さんがすぐにやってきた。母の旅行保険証書を手渡してもらい、今日のお昼のお弁当の確認、明日のお昼もお弁当になるようでその注文の確認、それから「この辺りの車両は全て団体客のようなので、郡山到着前に必ずお手洗いを済ませて置いてください。」と念を押された。
もっとも、前後の車両の団体の方々は、どうやら郡山のひとつ手前の新白河で降りたようだった。お手洗いはそれほど待たずに済んだのが有り難い。
10時過ぎ、郡山駅で観光バスに乗り換える。結構な台数が駅前に停まっていた上、バスガイドさん曰く「ここに残っている観光バスの2倍以上の台数がもう出発して行きました。」という話だった。
もちろん、みな、目指すは三春の滝桜だろう。
我々も急いで出発である。バスは満席だ。
ガイドさんは福島の方で、福島弁を織り交ぜながらガイドしてくれる。年配のガイドさんは流石に話題が豊富で、次々と「地元の話」が出てくる。
これから向かう三春の滝桜は、日本三大桜の一つである。
あと二つは、岐阜の淡墨桜と山梨の神代桜だ。私はまだどれも見たことがない。今回が初めての「日本三大桜」との邂逅である。
三春の滝桜は、推定樹齢1000年超だ。ソメイヨシノなどの人工的に作られた品種は大体樹命が60年くらいと言われているらしい。三春の滝桜は原種であるエドヒガン系のシダレザクラで、交配品種ではないため、樹齢1000年超に至っても元気だ。
もっとも、数年前の雪で正面に枝垂れていた枝が折れてしまい、元の姿に戻るまで7〜8年かかるという。そして、この「折れてしまった枝」は、許可をもらい、接ぎ木をしている。
現在は天然記念物に指定されていて、枝を折ったりひこばえを取ったりすることは禁じられている。それまでは株分けのようなことが結構盛んに行われていたという。道々、そうした「三春の滝桜の子供」であるという桜も何本か見ることができた。
三春は、桜と桃と梅が一斉に咲く、三つの春が同時に来るから「三春」という名前になったと、NHKの大河ドラマ「独眼竜正宗」で知った。現在は、道中、桃や梅ももちろんありつつ、何といっても桜の木が本当にあちこちに植えられている。
そういった地元の桜を車窓から眺めるのも楽しい。
駐車場まであと1kmという一本道に入ってしまうと流石に渋滞に捕まり、遅々として進まなくなった。
その間に、ガイドさんから、日本の桜はヒマラヤが原産であること、「桜のお花見」は平安時代から行われていたこと、福島の野菜などは全て収穫・出荷・袋詰めの3回の放射能検査が行われて少しでも数値が出れば動かないので、逆に市場に出回っている福島産の生鮮食品は日本で一番安全であることなどのお話を聞く。
今日は、滝桜のすぐそばにあるお宮(祠)のお祭りの日に当たっていて、だからより混雑しているのかも知れないという。
渋滞がなければ郡山駅から所要30分のところ、今回、我々は運転手さんの地の利を活かした機転により、駅から1時間で三春の滝桜駐車場に到着した。
1時間後に集合と案内があった後、まず集合写真を撮った。
集合写真と、雪の中で咲いている滝桜の写真とをセットにして1200円である。
「うーん、雪の中の写真だけ欲しい。」などと言って我々は購入しなかったけれど、ツアーの方々は結構お買い求めになっていたようだ。
バックが青空でないのが何とも惜しい、満開の桜である。
「ベニシダレザクラ」という名前や、写真で見ていたイメージよりも、お花の色が薄く感じられるのは、どうやら樹齢も関係しているらしい。やはり若い木の方が、花びらの色が濃いという。この写真でも、自分の目で見た滝桜よりも随分ピンクが濃く写っているなぁという印象である。
三春の滝桜は、高さが13.5m、幹回りが8.1m、根回りが11.3mである。しかし、枝が東西25m、南北に20m張っているから、近くで見ても「幹が太い」という印象は受けない。
とにかく「うわぁ!」という感じだ。
根元は保護のために近づけなくなっているものの、ソメイヨシノが立ち並ぶ崖を背負った三春の滝桜の周りを一周することができる。
少し離れたところにそのソメイヨシノをバックにした三春の滝桜を見られるポイントがあるらしい。しかし、今回は残念ながら行くことができなかった。
その分、色々な方向から三春の滝桜を堪能する。
1時間はあっという間だった。
色々な方向から三春の滝桜を見られて満足だ。
帰ろうと元来た道に向かったら、我々が到着したときよりもさらに一段と混雑が激しくなっていて驚いた。今日はこれからどれだけのお客さんを迎えるのだろう。
駐車場までの道に「さくらソフトクリーム」のお店があって、常に人が並んでいる。かなり気になったけれど、ダウンコートまで着込んでいる気候だし、集合時間も迫っていたので、残念ながら見送った。
残念ながらといえば、三春の滝桜のライトアップも見てみたかったなぁと思う。母も「この近くで泊まるとしたらどこになるのかしら。」などとブツブツ呟いていた。
お昼どきも過ぎ、バスに乗り込んで移動の間にお昼ごはんのお弁当を食べる。
2種類から選ぶことができて、母も私も福豆屋の「福島牛 牛めし」というお弁当を選んだ。パックのお茶もついて1090円だ。
用意よく携帯マグにほうじ茶を作って持参していたので、そちらと一緒にいただいた。やはり温かいものが嬉しい。
胃痛があるので、ごはんを少なめにおかず中心に食べる。お弁当のおかずは、ごはんが欲しくなる味付けだなぁと思う。
今回利用したクラブツーリズムが三春町と組んで滝桜の保護に一役買っているそうで、詳細は不明ながら、バス車内で説明があり、さらに三春のお店のおやつが配られた。
「花詩 さくら湖」は、チェリーを入れたフルーツあんをバターケーキに入れたお菓子で、なかなか美味しい。製造元等々をチェックすれば良かったと思う。
東北自動車道の国見サービスエリアでトイレ休憩を取り、バスは宮城県に入って、白石川一目千本桜を目指す。
東北自動車道からは、太平洋まで見渡すことができる場所もあり、瓦礫等を見ることはなかった。しかし、まだまだ復興の途中という状況なのがよく判る。ガイドさんも、丁寧に説明してくれる。
田植えの準備がされている田と、すっかり乾ききっている田とがあり、少しずつ土を入れ替えて、稲作ができるようにしているというお話だった。
震災後に建てられたというショッピングモールが本当にぽつんという感じであったりもする。
宮城県大河原町の白石川河川敷公園で開催されている桜まつり会場に14時過ぎに到着した。
白石川河川敷公園では、ソメイヨシノの樹命を何とか100年に伸ばせないかと様々な試みが行われている。
全長8kmにわたり、川の両岸に1200本のソメイヨシノが植えられている。お天気が良ければ、雪を頂いた蔵王連峰をバックに桜を「一目千本」と見渡せる場所である。
しかし、時期からすると少しく遅かったらしい。桜はかなり散ってしまっていた。
そして、お天気も曇りがちで、うっすらと蔵王連峰が見える、ような気がする、といった感じだ。
桜まつり会場を川に沿って少しだけ歩き、川風がちょっと冷たかったので、早めに近くのセブンイレブンの駐車場に停められたバスに戻った。
-> 三春旅行記1日目その2
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 「母とヨーロッパへ行く」を読む(2025.01.12)
「*201404三春の始末」カテゴリの記事
- 三春旅行記の入口を作る(2014.04.29)
- 三春旅行記2日目(2014.04.29)
- 三春旅行記1日目その2(2014.04.26)
- 三春旅行記1日目その1(2014.04.26)
- 無事、帰宅する(三春)(2014.04.21)
コメント