奥日光旅行記(2014)1日目その2
2014年7月27日(日曜日)
14時20分、「優雅なホテルライフ」の予定はどこかへ吹っ飛び、戦場ヶ原を歩き始めた。
車道からほんの少し土の道が続き、10分も歩かないうちに木道が始まった。迷いようもない。
案内図を見たところ、泉門池までの往復が1時間、泉門池から戦場ヶ原経由赤沼までが1時間、泉門池から湯滝までが1時間半弱という感じで、赤沼を目指して歩き始める。
バスからも見えていたとおり、この時期の戦場ヶ原はホサキシモツケが大量に咲いていて、ピンクのお花畑になっている。
綺麗だ。そして、可愛いピンク色である。
また、アザミの花がこんなに色鮮やかに咲いているところを見られたのは今回が初めてのような気がする。
ワタスゲやクリンソウは終わっているものの、このピンクのお花畑は一見の価値がある。
「時々水がたまる湿原」という説明板があった。
戦場ヶ原がどんどん「湿原ではなくなって」草原化しているという話をどこかで聞いた記憶がある。それと関係あるのだろうか。
奥に見えている山は男体山で、明智平の展望台では雲に覆われて見えなかった男体山が、ここではスッキリと全容を見せている。気持ちがいい。
木々のないところを歩いていると、日射しが流石に暑い。再び傘を取り出し、日傘代わりに差した。
男体山の噴火によって川がせき止められて湖ができ、その後、男体山の噴出物によって湖が埋められてそこに泥炭などが積み重なってできたのが、戦場ヶ原の湿原だ。
説明板に「男体山は戦場ヶ原の産みの親」と書かれているのを読んで、なるほどねと思う。
どうして夏休みに入ったこの時期に小学生の団体とぶつかるんだろう? 林間学校って夏休み中にやったっけ? 等々と思いつつ、小学生の団体とすれ違う。
半分面白がって大きな声で挨拶してくれる。
戦場ヶ原に入ってから約30分後、珍しくコースタイムどおりに泉門池に到着した。
標識などもも見つけられず、場所としても時間としても周りの様子からも多分ここが泉門池だろうと見当を付ける。
何とも気持ちのいい場所で、母はベンチに座って休憩していた。
ほぼ平坦な木道が結構足に来る。
お花が綺麗と言っては立ち止まり、男体山が綺麗に見えると言っては立ち止まり、歩いたり止まったりで一生懸命歩いている訳ではないのに不思議である。
特に16時近くなって、赤沼まで0.5kmという標識を見てから後の500mが本当に辛かった。我ながら情けない体力&筋力である。
ホサキシモツケが群生している場所で、三脚を立てて大きなレンズをつけたカメラをセットしている方々がいらした。お聞きしてみたら、花の蜜を吸いに来るノビタキを狙っているそうだ。
そうしてへたっているときに見た、戦場ヶ原の名前の由来を書いた看板には思わず笑ってしまった。
曰く「むかしむかし、中禅寺湖をめぐって男体山の神と上州赤城山の神が、へびとむかでをひきつれて戦ったという伝説から、戦場ヶ原という名がつけられました。」そうだ。
へびとむかでである。
何だか、もの凄く牧歌的な戦だったような気がする。
そんな看板に心和みつつがんばって歩き、16時5分過ぎに無事に赤沼に到着した。
お手洗いを済ませ、ちょうどよく19分に来た日光駅行きのバスに乗り込む。このグッドタイミングがへたった我々にはとても有り難い。
中禅寺金谷ホテル前のバス停でバスを降り、この坂がきつい! と思いながら「フロントへの近道」と書かれた坂を上る。
露天風呂につながっている渡り廊下横の扉からホテルの中に入り、廊下を突っ切ってフロントに到着した。
16時半くらいである。
夕食は17時50分からか19時半過ぎかどちらかですという説明で、ゆっくり温泉に浸かってからにしようと19時半過ぎでお願いする。
預けた荷物はすでにお部屋に運ばれていた。2階のデラックスツインである。手前にソファセットがあって、なかなか座り心地がいい。
お部屋にはベランダがついていて、外に出ることができる。
涼しい。
こんなに涼しいならと、予めつけておいてくださった冷房は切り、ベランダのドアを開けて網戸にした。
この並んでいる柱を見て、うちの母は「全部一本柱よ。凄い。」と感嘆の声を上げていた。
私はこの柱を見て、何故か伊勢神宮の式年遷宮を思い浮かべた。我ながら妙な連想である。
2階の中央に宿泊客が自由に使えるラウンジがあって、コーヒーや紅茶も用意されていた。
お部屋にもお茶セットがあったけれど、折角だからラウンジに行ってみる。
アイスコーヒーじゃなくてホットコーヒーが欲しくなる気温、というのが嬉しい。
日光駅からの送迎の際、そ最近は最高気温が27度くらいになるから、一雨来て涼しくなるといいと送迎バスの運転手さんが言い、「最高気温27度なんて涼しいですね!」と返して苦笑されたことを思い出した。
窓が開けてあって、扇風機が回っていて、それで快適なんて天国のようだ。目の前には緑の木々が見え、その奥でキラキラ光っているのは中禅寺湖の水面である。
贅沢だ。
優雅なホテルライフをがんばって寛ぎ、そろそろ空いた頃だろうと17時半過ぎに温泉に向かった。
温泉には浴衣とスリッパで行っても良いのが有り難い。
案の定、温泉は空いていて、誰もいない。
グリーンが濃い、綺麗な色の温泉である。露天風呂の方が、少しだけ色が濃いような気がする。
貸切状態の露天風呂につかりながら、足をマッサージする。足の裏とふくらはぎにキテいるような気がする。ちゃんとマッサージしておかないと明日はきっと筋肉痛だろう。念入りにさすっておく。
温泉用のバスタオルと浴用タオルが一人に2枚ずつ用意されていたのも嬉しい。さらに、お部屋についているバス用にもタオルが用意され、至れり尽くせりである。
温泉を1時間以上も楽しみ、お部屋に戻って休憩した。
山に囲まれているのに日が長いなぁと思っていたら、19時前、夕焼け雲が見えた。明日もお天気は良さそうである。
お部屋に置いてあった紙に今日明日の天気予報が書かれていて、今日の最高気温は25度、日の入りは18時52分と書かれていた。
明日の天気予報は「晴れ、昼過ぎからくもり、所により雨」で、最高気温が20度。びっくりである。
19時半前にフロントからお電話をいただき、ダイニングルーム「みずなら」に行った。
早めの夕食をいただいた方が多いのか、ちらほらテーブルが埋まっているといったところだ。
メニューは2種類から選べるようになっていて、虹鱒のソテー 中禅寺金谷風をメインにしたコースと、本日のディナーコースである。
中禅寺金谷ホテルに来たら鱒でしょう! と思っていたら、母が「ディナーコースの方がいい。」と力説し、二人ともディナーコースをお願いした。
鱒をメインにしたコースは、鱒のメインディッシュと前菜が2種類用意され、ディナーコースとお皿の数は同じだ。
母は生ビール、私は赤ワインをいただいて、いよいよディナーの始まりである。
本日のオードブルは、ポークのムース、だったような気がする。説明してもらったのにすぐに忘れてしまった。柔らかい優しい味である。
スープはコンソメとポタージュから選ぶことができて、私が選んだコンソメにはタピオカが入っていた。かなりしっかりした味のコンソメスープにタピオカの優しい食感が楽しい。
母が選んだポタージュはアスパラガスで、濃厚な味がしているのにサラリしているという不思議なポタージュだった。母は「カロリーが・・・。」と言う。ポタージュとコンソメではどちらのカロリーが高いのだろう。
オードブルをいただいている頃はまだちょっとだけ明るさが残っていた。お魚が供された20時頃には流石にすっかり真っ暗になっている。
お魚は、太刀魚のチーズ焼き プロヴァンス風 かりかりじゃがいも添えである。
すり下ろしたチーズを衣に混ぜた感じで、ほのかに香っている。
お魚用のナイフで下に敷かれた青梗菜を切るのは難しく、母と二人して四苦八苦した。
お肉料理は2種類から選ぶことができた。
母は、栃木霧降高原牛フィレ肉のポワレ ソースボルドレーズ、私は、蝦夷鹿のロース肉のポワレ マスタード風味のソースである。
スープのときと同じく、一口ずつ交換する。
お昼に食べたステーキと比べてはいけないのだろうけれど、こちらの方が当然のことながらさらに柔らかく、そして「牛!」という味がする。
逆に鹿は、もっと臭みというか癖があるのかと思ったら、そんなことは全くない。マスタード風味のソースのお味でいただいているくらいの感じだ。
美味しい。
デザートはバニラアイスクリームとフルーツ、桃のムースである。
母も私もコーヒーをいただく。
1時間半かけてゆっくり頂いたディナーに大満足だった。
ホテルのショップは17時に閉まっているので、そちらは明日の朝覗くことにして、大人しくお部屋に戻った。
母は大抵、このまま寝てしまうけれど、私はもう1回温泉に入るのが定番である
ゆっくり食休みしてから22時頃に行った温泉はまたもや貸切状態だった。手足をゆっくりと伸ばす。
露天風呂につかって空を見上げたら、普段は絶対に見られない数の星が光っていて驚く。
ぼーっと空を見上げていたら、流れ星を見られた。嬉しい。
1時間弱、貸切状態の温泉を満喫し、23時過ぎに就寝した。
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