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2014.10.13

北斗星旅行記1日目その1

2014年10月3日(金曜日)


 旭川空港から旭山動物園に直行するバスは、この時期、1日一便しかなく、その出発は10時である。
 10時のバスに乗るためには、9時30分に旭川空港に到着するJAL便に乗るしかなく、そのJAL便は7時50分に羽田空港を離陸する。バスでの移動になるので、搭乗口には15分前くらいには到着したい。
 そこから逆算すると、我が家の最寄りのバス停から出る始発バスに乗っても間に合わない。順調に行けばギリギリで間に合うけれど、ミラコロを持って行くつもりだからいざというときに走れない。それが不安だ。


 そんな訳で、4時半に起床し、準備を確認したところで電話してタクシーに迎えに来てもらった。
 前日夜に電話したら、予約は受け付けていないので当日電話してください、配車までは大体15分くらいを見てください、という話だった。
 5分くらいでタクシーは到着し、乗ろうと思っていた1本前の電車に乗ることができた。
 そして、電車に乗ってからsuicaを忘れたことに気がついた。これでは、乗り換えのとき精算が必要になる。ギリギリにしなくて良かったと胸をなで下ろした。


羽田空港のラウンジ 羽田空港には6時40分くらいに到着できた。
 Webチェックインを済ませてあったので、そのままセキュリティチェックに向かう。ミラコロのポケットに空っぽの携帯マグを突っ込んでおいたら、係の方に「水筒を持っていますか?」「中を開けて見せてください」と言われた。国内線の場合、持ち込みは可能だけどチェックはされるのね、と学習する。
 朝食代わりにフルーチェを食べただけだったので、エアポートラウンジに向かった。
 早朝だけは簡単なパンが用意されると聞いていたので、朝ごはん代わりにいただいた。北海道仕様でヒートテックなど着て暑かったので、牛乳とアイスコーヒーでアイスカフェオレを作って飲む。美味しい。


 飛行機の中では飲み物サービスのとき以外瀑睡し、旭川の気温は9度だという機長アナウンスで目が覚めた。
 9度って、真冬の感覚である。
 しかも、9時25分に到着すると、午前中はもつのではないかという私の期待に反してすでに雨が降り始めていた。寒さ倍増である。
 荷物からレインパンツとウィンドブレーカを引っ張り出して着込み、ロビーの券売機で旭山動物園行きのバスチケットを購入した。


 10時発の旭山動物園行きのバスの乗客は10人くらいだった。所要35分の予定が、ノンストップで快調に走ったおかげか、10分ほど早く到着した。
 かなり本格的に雨が降っている。バス停から旭山動物園の正門まで道路を渡ってすぐなのが有り難い。チケットを購入し、入口すぐそばのコインロッカーにミラコロを預けた。
 傘の貸出もあったけれど、バス停からここまでの間に折りたたみ傘を広げていたので、そのまま使うことにする。


手乗り鴨フラミンゴ 入口で「もぐもぐタイム」のスケジュールを確認したところ、ホームページ記載のとおりの予定らしい。
 10時45分から始まるペンギンのもぐもぐタイムに間に合うようにぶらぶら歩き始める。入って右手すぐにフラミンゴがいる。フラミンゴといえば行川アイランドだよなぁと思い出す。ピンクが鮮やかだ。


 金網で覆われた大きなケージのようなところが「ととりの村」で、その名のとおり鳥たちがいるらしい。
 水槽に水を張っているスタッフの方がいて、「何をしているんですか?」と尋ねたら、親からはぐれてしまった鴨がいたのでスタッフで保護し、もう親元には戻せないので人に慣れさせる訓練をし、来園者に説明をするときに活躍して貰うことになったというお話だった。
 「撫でても大丈夫?」と聞いたら「怒ると思います。」という返事だったので写真だけ撮らせていただき、ペンギン館に向かう。


ペンギン 雨の平日の午前中である。そんなに人もいるまいと思っていたらとんでもない。ペンギン館の前は、すでに黒山の人だかりとなっていた。びっくりである。
 途中、放送で「お時間に余裕のある方は午後の回を・・・」と言っていたから、動物園は午前中の来園者が多いのかも知れない。
 隙間から見ようとしたり、後方にある踏み台に乗ったりしたけれど、雨で傘を差している人が多いのでなかなか上手く見えない。
 建物内に入ると、屋外の様子は判らないけれどペンギンは見られるし、放送も聞こえるのでそのままそこで見学した。


泳ぐペンギン ペンギンは、海が荒れ、餌が減っていて、あと50年くらいで野生のものは絶滅してしまうだろうと言われているそうだ。そんなこととは知らなかった。
 旭山動物園には4種類のペンギンがいて、その中で一番大きいペンギンが「王様ペンギン」である。よく名前を聞く「皇帝ペンギン」とは別のペンギンで、皇帝ペンギンよりちょっと小さい。
 日本の動物園で多く飼育されているフンボルトペンギンは、実は、ペルーなどにいるペンギンである。地球のちょうど裏側だから日本と気候が似ていて、そのためにフンボルトペンギンは日本で飼育しやすいという。
 ペンギンといえば南極のイメージだけど、実際はそうではないらしい。
 そういえば、ガラパゴス諸島に行った方から、赤道直下のガラパゴスにもペンギンがいたというお話を聞いたばかりだなぁと思い出した。


羽が生え替わる 中に、もこもこした羽(というか、毛に見える)を生やしたペンギンがいて、病気? と思っていたら、ちょうど外にも同じようなペンギンがいたらしく、スタッフの方の説明があった。
 このペンギンは、ちょうど羽が生え替わる時期に当たっているという。
 ペンギンの羽には防水性があって身体を守っているけれど、1年くらいでその防水性能が落ちてしまうので、年に1回生え替わるという。
 生え替わっている最中のペンギンは羽による防水機能がないため水中に入ることができず、水中に入れないので餌を獲ることもできず、生え替わりが終わるまで地上で何も食べずに過ごす。
 何だか壮絶だ。


 説明が終わった後もペンギンの餌やりは続きますというアナウンスを聞きつつ、この調子では11時からのホッキョクグマのもぐもぐタイムも混雑するに違いないと、早めにホッキョクグマ館に向かった。
 すでに長蛇の列となっていた。
 アナウンスによると、ホッキョクグマのもぐもぐタイムは3回に分けて行い、今並んでいる人は2回目にギリギリ入れるか、3回目になるかといった辺りらしい。
 屋根のあるところに並べたのでそのまま待つことにした。持参した携帯マグのコーヒーの温かさが有り難い。
 何とか11時10分開始のもぐもぐタイム2回目に滑り込むことができた。


ホッキョクグマホッキョクグマ


 動物園でホッキョクグマに与えている餌はニシンなどのお魚だけれど、野生のホッキョクグマの餌は主にアザラシだそうだ。そう聞くと、何だかホッキョクグマの獰猛さが突然生々しく迫ってくる感じがする。
 ホッキョクグマの顔が長いのは、息継ぎしやすくするため、体型が全体として下ぶくれなのは、泳ぐためである。


 ホッキョクグマは相当ゆっくりにしか泳ぐことができない一方で、ホッキョクグマの餌であるところのアザラシは相当に素早く、ホッキョクグマが海中で捕まえることはほぼできない。アザラシが息継ぎのために陸地というか氷上に上がって来たところを待ち伏せして、それでようやくホッキョクグマは餌にありつくことができる。
 地球温暖化で氷が溶けてきているので、ホッキョクグマの餌場は減少している。こちらも種の保存の危機が迫っている。


ホッキョクグマホッキョクグマ もぐもぐタイムに出てきていたホッキョクグマも行ったり来たり泳ぎ、外にいたこちらのホッキョクグマも左右に行ったり来たりを繰り返し、ときどき遠吠えのようなポーズを取っていた。
 やはり自然そのものの環境ではないから、ストレスがたまっているのかしらと思う。
 でも、見飽きない。
 うろうろする様子をずっと眺めていた。


アムールトラアムールトラ アザラシのもぐもぐタイムは11時30分からで、少しだけ時間の余裕がある。
 別に無理して特等席で見なくてもいいかしらと思い、先にもうじゅう館に行った。
 とはいうものの、やっぱりココロはもぐもぐタイムに飛んでいたらしい。もうじゅう館には、ライオン、クロヒョウ、アムールヒョウ、ユキヒョウなどもいたらしいのに、私はヒグマとこのアムールトラしか見ていない。
 ライオンたちはどこにいたのだろう?
 アムールトラは「流石、猫科の動物」という感じで、何だか仕草が可愛らしかった。雌かどうかは判らないけれど、顔も美人さんだと思う。


 


泳ぐアザラシ餌を貰うアザラシ


チューブを泳ぐアザラシ アザラシのもぐもぐタイムも大混雑で、地上にはとても居場所がなく、屋内から見学し、説明を聞いた。
 スタッフの方は「餌をもらうためにほとんど皆、上に上がっているのであまり泳がないかも知れません。」と言っていたけれど、チューブを泳ぐアザラシも見られて満足である。
 アザラシの毛並みは、毛が生え替わってもずっと一生変わらない。そして、一体一体全て異なる毛並み(模様)になっている。もっとも、スタッフの方も毛並みで個体識別をしている訳ではなくて、顔で見分けていると言う。
 「みなさんも、1日、ここでアザラシを観察していたら見分けが付くようになります。」と言われた。
 しかし、残念ながら、1日アザラシを見ている時間はない。


 13時のバスで旭川駅に向かいたかったので、あと1時間半しかないのに、まだ正門に近い一角しか見ていない。
 この後はもう本当に駆け足で回った。
 旭山動物園は展示に工夫が凝らされていて、説明などもかなり丁寧に張り出してあったりするので、じっくり読んだら相当楽しそうだけれど、仕方がない。
 半日では全然時間が足らなかった。


オオカミエゾシカ


 もうじゅう館の隣に、オオカミの森とエゾシカの森がある。
 オオカミは木の下にうずくまって丸くなっていた。といっても、別に特に雨が苦手とか雨が嫌いという訳ではないらしい。
 お隣のエゾシカの森にいるエゾシカは、逆にいかにも「雨がイヤなんです」という風情で、屋根のあるところからなかなか出てこようとせず、夫婦でうずくまっていた。雨が小やみになると立派な角を持つ雄がその辺を歩き始める。
 雌を誘いに戻っても、雌の方はやけにつれない感じで、結局屋根のある場所にとっとと戻っていたのが可笑しい。


テナガザルチンパンジー タンチョウヅル、シマフクロウと北海道ならではという感じのする鳥を眺めた後、レッサーパンダを経て、チンパンジーの森に到達した。
 チンパンジーは外に出ていなかった。なかなか楽しそうな遊び道具が揃っていたのに残念である。しかし、子供のチンパンジーもいて、親にじゃれかかっているのが可愛い。


 もの凄い叫び声が気になって、オランウータンではなくテナガザルを見に行った。旭山動物園の中で一番ウルサかったのは、このテナガザルだと思う。ホエザルみたいな感じだ。
 テナガザルだけあって、長い手足を活かして色々な「ワザ」を見せてくれるのが楽しい。いかにもアクロバットな動きを楽しんだ。


 ちょうどこの辺りで12時になり、東門に近かったので、モグモグテラスにお昼を食べに行こうかと一瞬迷って見上げると、その東門までは相当な急坂だった。
 しかも、その急坂を上って行く人が結構いる。正にお昼どきだし、この急坂を上がって行ってもの凄く混雑していたらきっとショックに違いない。混雑していたら時間を取られそうだと考え直し、モグモグテラスはパスした。
 そして、お昼ごはんをどうしようと考えながら歩いていて、すぐ隣にいたはずのカピバラを見逃したのが心残りである。


 くもざる・かぴばら館からキリンやカバがいる辺りまでは、妙に裏道っぽい坂を下って行く。
 こども牧場などはあるものの、こちら側はあまり動物がいない。これならさる山経由で少し戻る感じでかば館やきりん舎に行った方が良かったかも知れない。
 どちらにしても、お天気さえ良ければ,下りの気持ちいい散歩道だと思う。


キリン キリンはどこだろう、場所が移ったとどこかの看板にあったけど道を間違えたか? と思った頃、きりんの顔が目に入った。
 キリンの首ではなくキリンの顔が目に入るのは、きりん舎が道路よりも深く掘られているからだ。もちろん、きりんと同じ高さの地面から見上げることもできる。
 キリンの顔が近い。
 その代わり足が見えていないので、その背の高さは実感できず、何だか不思議な感じがする。


カバ お隣にあるかば館に入ると、水槽の中でかばがのんびり寝そべったり、ちょっと歩くような泳ぐような動作をしたりしていた。
 それにしてもデカイ。
 普段はあんまり気にしてないというか、意識していないけれど、カバって本当に大きい動物だ。
 身体の大きさに比較して随分と足が短く、そして華奢に感じられるのは、水中で過ごす時間が多いからかも知れない。


スープカレー キリンとカバを見た後は、西門を経由して、正門近くまで戻った。
 12時30分発のバスで旭川駅まで戻っても良かったけれど、何だかそれも慌ただしいし、お土産も見たかったので、旭山動物園くらぶ正門shopでスープカレーを注文し、お隣の無料休憩所でお昼ごはんにいただく。
 休憩所は暖房も効いて暖かかった。そして、空いているのも有難い。


 食べ始めてすぐ、突然、雨が強くなった。ザーザー降りと言ってもいいくらいの雨である。
 少し離れたところで昼食をされていたご夫婦が「せっかく遠くから来たのにね。」とおっしゃってくださり、「でも、屋根のある場所にいるときで良かったです。」とお返事する。
 本当に、外を歩いているときだったら、かなり大変だったと思う。
 コーヒーも飲んでゆっくり温まった。


 雨足が弱くなったのを見計らって休憩所を出た。
 正門近くの売店でいくつかお土産を買い、13時のバスに間に合うようにロッカーからミラコロを出してバス停に向かう。バスが時間どおりに来るのが有り難い。
 道路も空いていて、旭川駅まで30分くらいで到着した。
 駅のコインロッカーにミラコロを預け、郵便局があったので、動物園で購入した絵はがきを出そうと切手を買う。切手も、持って来ようと思っていたのに忘れてしまったものの一つだ。


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