北斗星旅行記2日目その1
2014年10月4日(土曜日)
6時半くらいに目が覚めた。朝食を8時にお願いしてあったので、ちょっと早い。
寝る直前にビールを飲んだのがいけなかったのか、2時間おきくらいに目が覚めてしまい、何だかぼんやりしている。
せっかくなので、もう一度薔薇風呂を堪能することにした。相変わらず貸切状態である。
明るいところで見ると入浴剤の色がかなり濃いことが判る。昨晩よく見えなかった分、特に露天風呂の緑色には驚いた。
薔薇風呂の写真がソフトフォーカス風なのは、狙った訳ではなくて湯気のためだ。
7時半前に部屋に戻り、大体の荷造りを終えてから朝食をいただいた。
和朝食で、昨日「予告」があったとおり、ふわふわの卵焼きがある。マヨネーズと鰹節がかかっていて、見た目はお好み焼きっぽい。せっかく「味の濃い」卵というお話だったし、ちょっと勿体ないなぁと思う。
焼き魚はほっけである。居酒屋で出てくるほっけは開いてあってその分薄いというイメージだけれど、肉厚のほっけに驚いた。違う魚みたいである。
朝食を食べ終わる頃に宿の方が何故かみなさんいなくなってしまった。宿のプランで紅葉を見に行く予定で、出発時間を確認したいところだけれど、聞く相手がいない。
先にチェックアウトの準備をしてしまおうと部屋に戻る。
お天気は、ちょっと晴れ間が見えたりするものの基本的にどんよりした曇り空で、降らないで欲しいなぁ、無理かなぁ、という感じだ。
9時半くらいにチェックアウトし、そのまま、昨日迎えに来ていただいた車で黒岳ロープウエイに向かった。おじさん曰く「テレビが綺麗だ綺麗だって言っているから、黒岳に行ってみよう。」ということだ。時期によって行き先を変えているのだと思う。
もっとも、今年の紅葉は例年よりも1週間ほど早くて、黒岳周辺の紅葉はほぼ終盤らしい。
この辺りが北限だという田んぼの中の道を走ったり、しばらく「とにかくひたすら真っ直ぐ」な道を車は走って行く。「車の運転はほとんどしないけれど、こういう道なら私にも運転できるかなぁ。」と呟くと、「こういう道こそ危ないんだ。」というお話だった。
居眠り運転の元だし、集中力を保つのが難しいらしい。
その他諸々、ちょうど昨晩お世話になった3組のうち1組が親子連れだったこともあって子育て論があったり、政治論になったり、宿のご主人は一家言ありかつそれを開陳することが好きな方らしい。
しばらく走ると今度は山越えという感じの道になってきて、それに伴って標高も上がり、紅葉もちらほら見え始めた。
しかし、それと同時にお天気がどんどん崩れだし、山の上の方が雲というか霧というか、真っ白に覆われ始めている様子に若干不安を覚える。
できれば雨は降らないで欲しいなぁと思っているうちに、降り出した。やはり、天気予報は正確である。
宿から走ること1時間、10時半くらいにロープウエー乗り場に着いたときには本格的な雨になっていた。
標高が上がって寒くなっていたこともあり、荷物からレインパンツを引っ張り出して上から履き、フリースの上からウィンドブレーカーを着込んで雨と寒さ対策を万全にすると、おじさんが貸してくれた傘を持って車を飛び出した。
「ここで待っているからゆっくり行ってらっしゃい。」と言っていただいて、「どれくらいで戻って来ればいいですか?」と尋ねると、今日は北斗星で帰るという話をしてあったので12時くらいまでは大丈夫だよ、というお返事だった。
流石にこのお天気ではお客さんも少ないけれど、全くいない訳ではない。
上の方を見上げると真っ白だけれど、ロープウエーから見下ろす紅葉は今が盛りのようだ。
人が少ない分、ロープウエーの箱の中をどこに動くのも楽勝だったので、右を見たり左を見たり、前方を見上げたり後方を見下ろしたり、窓ガラスが邪魔だよ、雨の水滴が邪魔だよと思いつつ、黄葉を楽しむ。
ロープウエーからの眺めを楽しんで到着した5合目は、真っ白だった。
どれくらい真っ白かというと、これくらい真っ白である。
周りの景色なんて、本当に何一つ見えない。晴れていたら黒岳や赤岳、流星の滝や銀河の滝なども見えるらしいけれど、ただいま現在は視界ゼロだ。
5合目まで上がって来ると、もう木々はほとんど葉を落としていて、紅葉は終わっている。
晴れていても紅葉は見られなかったのだからと思い、こういうのがイソップ童話で学んだ「合理化」という奴だなと思う。
そして、寒い。
黒岳駅にあった温度計は6度を指していた。もうほとんど真冬である。
さらに上の方を目指すリフトが動いていて、二人くらい果敢に上を目指す方がいらしたけれど、雨の中、屋根もないリフトは辛すぎるし、何も見えないことはほぼ確実だったのでパスする。
途中にあった資料館に入ってみると、そこには「さるのこしかけ」などのキノコがケースの中に並べられ、美しい写真の数々が壁に飾られていた。
黒岳駅に戻り、あまりにも寒く手が冷たかったので自動販売機のココアを買って飲む。
温かさが嬉しい。
11時20分発のロープウエーで下に降りた。
この後、旭川駅まで送っていただいた。
帰り道になって晴れた空が恨めしい。もう少し粘っていたら日が射していたのかしら? などと考え、いやあの真っ白な状態から日が射すとはとても考えられないと思い直す。
今回の旅は、久々に雨女の面目躍如、ほとんど雨を追いかけて旅をしているような感じになっている。
旭山動物園でスープカレーを食べたのでお昼には旭川ラーメンでしょうか、と言ったところ、駅に向かう途中あさひかわラーメン村に寄ってくださった。しかし、どのお店も大行列だ。
おじさん曰く「観光客が多いんだよね。」という話だ。ご自身はここに食べに来ることはまずないらしい。
どれだけ待つか判らないし、だったら札幌まで行って、札幌駅の駅ビルにラーメン村があるからそこで食べたらどうかというお勧めだった。札幌らーめん共和国という場所があるらしい。
13時13分発のオホーツク4号もあるけれど、それよりは12時55分発のスーパーカムイ22号の方が車体が新しいから綺麗だし揺れないよと、車を飛ばしてくださる。
旭川駅に到着したのはギリギリで、お礼もそこそこにダッシュしてホームを目指したけれど、如何せん、ミラコロを引きずっているのでスピードが出ない。
ギリギリのところで間に合わなかった。
13時13分発のオホーツク4号に乗るか、1時間待って次のスーパーカムイに乗るか迷う。オホーツク4号に乗ると札幌に到着するのは14時45分で、それではお腹が空きすぎる。
旭川駅周辺は雨も降っていないようだし、駅の近くにあるラーメン屋さんか、大雪地ビール館に行ってお昼ごはんを食べようと駅から出て少し歩いたところで、再び雨が降り出した。
普通にボストンバッグを持っているのなら傘を差して歩いてしまうけれど、雨の中ミラコロを転がしながら歩くのは面倒である。またまた予定変更だ。笑えるほど雨に祟られている。
駅中に戻り、旭川観光物産情報センターの中にある軽食コーナーで旭川ラーメンをいただいた。
券売機方式で、どうしてわざわざ「チャーシュー」のボタンがあるのだろうと思ったら、「旭川ラーメン」にはネギとメンマしか具が入っていなかった。
大雪地ビールもあったので、そのサイズ小と旭川ラーメンのしょうゆでお昼ごはんにする。
合わせて700円だった。
食後、みどりの窓口に行って、旭川発、札幌から北斗星に乗るのでその経路で東京都区内までの乗車券と、札幌までの自由席特急券を購入した。
駅構内にある郵便局に行ってハガキを出す。観光情報センターで聞いたら、郵便局が閉まっていたら駅にポストはないので、一番近いポストはここから見えるローソンだよ、という説明だった。郵便局が開いていてくれて助かった。
13時55分発のスーパーカムイ24号は意外と混んでいて、始発の旭川駅ですでに2席並びでの空席はないくらいだった。そして、途中駅で乗車する方も多く、割と早い内に満席になったと思う。
窓の外を眺めていると、青空が見え、日も射してきているのが恨めしい。どうも私が乗り物に乗ると太陽が顔を出すことになっているようだ。
旭川駅で購入した、スノークリスタルのプリンをおやつに食べる。ちょっと懐かしい感じのプリンで美味しい。
札幌には15時20分に到着した。北斗星の発車まであと2時間弱である。
とりあえず改札を出ようとしたら何故か引っかかった。経路まで告げて切符を買ったのに! と窓口に行くと、旭川方面から札幌を経由して千歳方面に行く場合、札幌の少し手前の部分が経路として重なっており、その分をオマケしてくれている、札幌で途中下車したい場合はそのオマケが適用されないので料金がかかる、という話だった。
納得したけれど、判りにくい。
夕食は食堂車を予約してあるので調達する必要はない。
雨が降っているので、「ちょっと観光」というのも面倒臭い。
くどいようだけれど、お天気さえ良かったらJRタワー展望室に上ろうかと考えていたけれど、今行ってもほとんど何も見えないに違いない。
展望室の入口フロアに札幌スタイルショップという、”札幌発の地域ブランド「札幌スタイル」認証製品を取り扱うオフィシャルショップ”に行ってみたら、なかなかいい感じの品揃えだったけれど思っていたよりも小さいコーナーだった。
ここでお土産を揃える、という感じではなさそうだ。
そのまま駅ビルを渡り歩いていたら、根室花まるという回転寿司のお店が工事中なことに気がついた。ここでお昼ごはんを食べようという計画もあって、目指して来ていたらショックだったろうなぁと思う。
なかなか思うようには行かないものである。しかし、我ながら色々とギリギリでクリアしているよなぁとも思う。
大丸を出てそろそろホームに向かおうと歩いていたら、I.T.'S.インターナショナルの期間限定ショップが出ていて、何故かフラフラと吸い寄せられた。
ミラコロを転がして、札幌のデパートで何をやっているのかと思いつつ、いい感じのVネックの薄手のセーターを購入した。
明日の朝食は食堂車に行くことも考えたけれど、せっかくだからロイヤルの客室を堪能しようではないかと思い直し、駅構内のベーカリーショップで朝食用のパンを購入する。
何だかもの凄い荷物になって北斗星がやってくるホームに上がった。
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