2015年度末に北海道新感線が開通するのと同時に北斗星が引退するのではないかという話は前から聞いていて、そうなる前に1回は乗ってみたいものだと思っていた。
思い返すと、私が寝台車に乗ったのは、学生のとき、2回だけである。
1回は、友人を訪ねて北海道に行ったとき、帰りに青森から乗ったあけぼのだ。このときは既に北斗星が走り始めていたけれど、とてもではないけど切符が取れるような状況ではなく、相談した駅員さんから青森からの寝台利用をを勧められた記憶がある。
もう1回は、友人と九州旅行をした際に、帰りに延岡から乗った。この名前が思い出せない。当時、延岡から乗車できる寝台特急が2つあって、はやぶさと富士だったように思う。そのどちらかに乗ったのだ。
いずれにしても学生時代なので、B寝台だったに違いない。
そして「眠れなかった」という記憶はない。
元々は夏に北海道に行こうとしたのだけれど仕事の関係で断念し、だったら「北斗星に乗る」ことだけをメインに据え、季節に拘らず、上りの北斗星にチャレンジすれば何とかなるのではなかろうかと思い立った。
北斗星は上りよりも下りの方が断然人気が高いと聞いていたからだ。
どうして下りの方が人気が高いのか、あちこちのサイトを覗いてみたところ、「これから北海道旅行に行くぞ」という時に乗車した方がテンションが上がるというのと、明るい時間に森駅から苫小牧駅までの海沿いを走る景色を楽しめるというのが理由がメインのように思われる。
しかし、私の過去の2回の寝台特急乗車経験は両方とも「旅行の帰り」である。
そして、「現地での時間の使い方」を考えると、上りで利用した方が有効だと思う。
というような理由で、上りの北斗星の寝台券確保にチャレンジすることにした。
夏の旅行を計画した際にJR北海道の会員になったのだけれど、今回よくよく調べてみたら、JR北海道の会員になっても寝台特急の発売前予約はできないようだ。
JR北海道プラザでの手配も考えたのだけれど、こちらはツアーとセットでなければ予約は受け付けておらず、そのツアーは私にとってはちょっと使いづらい。
朝一番で駅に行って「今日の10時に端末を叩いてください」とお願いするのがベスト、あとはとりあえずB寝台等を押さえておいて、根気よくキャンセル待ちを狙うと意外と取れる」という趣旨の作戦を授けてくださっているサイトが結構あった。
これで行こうと思ったのだけれど、何となく気後れがして(何故かこういうときだけ小心になる私である)朝一番で頼むことができず、発売開始の10時少し前に新宿駅の窓口に並んで「これをお願いすることができますか?」と1ヶ月後の北斗星上りを示したところ、「設備の希望はありますか」という普通のお返事で、「いい方から順番に」と答えたところ笑われてしまった。
そして、「それならロイヤルですね。あと少しなので、情報を入力しておいて10時ジャストにやってみますので、お待ちください」と言われ、後ろに並んでいる方ごめんなさいと思いながら待つこと約2分、窓口のお兄さんにあっさりと「取れました」と言われ、驚きのあまり喜ぶのを忘れてしまった。
ぽかんとしている私に、窓口のお兄さんは呆れた風情だったけれど、さくさくと寝台特急券を発券してくれた。
1編成にロイヤルは4室しかない。
これは、もの凄く運が良かったということなのか、窓口のお兄さんが実は超絶スペシャリストだったということなのか、実は北斗星の人気は言われているほどではないということなのか、全くよく判らない。
しかし、嬉しい。
北斗星乗車、決まりである。
「乗車券も同時に購入しますか?」と聞かれたのだけれど、北海道に行くことは決めてあったものの、このときはまだ小樽方面に行くか旭川方面に行くか決めかねていたので、乗車券は後で購入することにした。