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2015.01.29

香港&クルーズ旅行記2日目その2

2014年8月17日(日曜日)


出航後7分経過 15時、スーパースターヴァーゴは出航した。  流石に紙テープで涙の別れが展開されるとは思っていなかったけれど、大きく汽笛が鳴らされるとか、それなりの情緒を期待していたら、もの凄く静かに出航して驚いた。
 クルーズ船は、ぐるっと回って向きを変え、香港島と九龍島との間を抜けて行く。
 最上階13階のデッキには結構たくさんの人が集まって、みんな写真を撮りまくっていた。
 8月の香港だからお天気をだいぶ心配していたので、青空が嬉しい。
 暑いけれど、クルーズ船は見た目よりスピードが出ているようで風が気持ちいい。


 最終日のガラ・ディナーは完全予約制だ。
 予約場所はリド劇場で、バルコニークラスの乗客は15時45分から予約が開始される。少し早めに行こうと15時半前に行ったら、すでにそこは長蛇の列だった。びっくりだ。私がもらった札は41番である。
 劇場に入ると、前方に四つのレストランの予約係がスタンバイしている。無料レストランのベラビスタ、有料レストランのノーブルハウス(中華)、侍(日本料理)とあと一つが思い出せない。インド料理だったか、イタリアンだったか、どっちだったろう。


リド劇場 5番きざみで番号が呼ばれ、呼ばれた人はお目当てのレストランの予約をするという流れである。
 客席で待っている間、レストランのお兄さんが「ワインをボトルでキープしない?」と勧誘に来たけれど、「私、一人だから飲みきれないわ。」とお断りする。キープすればどのレストランでも飲めるそうで、それなら3泊でワイン1本くらい空けられるけれど、1種類の飲み物しか飲めないのはつまらない。
 意外なことに、一番最初に予約が一杯になったのは日本料理のお店「侍」だった。
 そして、私の本当に一人前で有料レストランが全て満席になってしまった。ショックである。出足が本当にあと一歩、遅かったらしい。
 ベラビスタの予約(二回転するうち、早い時間帯)をお願いした。


 うろうろ歩きまわったのと、全く話せない英語を聞き取ろうと(それがたとえ数字だけであったとしても!)緊張していたせいで、何だか疲れてしまった。
 お部屋に戻り、ベッドに寝転んで休憩だ。
 寝転ぶと、エンジンの振動なのか、船自体の揺れなのか、とにかく「安定したところにいない」感じがする。
 明日の三亜でエクスカーションを申し込むかどうかまだ迷っていたので、お部屋のテレビで観光案内を眺めた。


 まだ迷いつつエクスカーション申込みのカウンターがあるグランド・ピアッツァに行く途中、パラッツィオ・イタリアンの入口にスタッフがいることに気がついた。
 ダイニングクレジットも1900ドルとたっぷりあることだし、だったら、ガラ・ディナー以外の2回の夕食は有料レストランでいただいてしまおうと、今日の夕食の予約ができるかどうか聞いてみる。最初は「今日は満席だけど、明日の夜なら」と言われたけれど、「そこを何とか!」と粘ったら、「遅くなってもいい?」と言われ、20時からの予約を受け付けてもらえた。
 無理を言って申し訳ない。


 何となく一安心してグランド・ピアッツァのソファで休憩していると、今度はチャイナドレスのお姉さんに捕まった。
 彼女はノーブルハウスのスタッフで、今度はあちらから夕食の予約の売り込みである。「一人なんだけど。」とか「スモールポーションってある?」とか「日本語のメニューが見たい。」などとワガママを言うと、半分呆れつつもリクエストに応えてくれる。
 話しているうちに、一人用の超豪華メニューがあることが判り、「高い!」と言うと、「そんなにダイニングクレジットがあるなら問題ないわ!」と言われてしまい、おっしゃるとおりと明日の夕食の予約をお願いした。


アイスクリーム これで夕食の予定が固まった。やりとりしているうちに三亜で出かけるのが面倒臭くなり、エクスカーションは申し込まないことに決める。
 一息入れたくなり、プールサイドにあるアイスクリームバーに行った。
 ハーバーシティ内にあるホテルも、スーパースターヴァーゴも、アイスクリームはメーヴェンピックが入っている。香港での流行りなんだろうか。
 キャラメルとかティラミスとか美味しそうなフレーバーがあって迷い、ストロベリーを注文した。


 昼食は無料のビュッフェレストランでいただいたので、ここで初めて「支払い」をした。
 お会計を頼むと、アクセスカードを求められる。ケースから出して渡すと伝票と一緒に戻って来て、サインして終了である。クレジットカードと使い方はほぼ同じだ。
 それにしても、このアイスクリームが40香港ドル(600円弱)もするなんて高いと思う。


タオルのウサギ アイスクリームを食べたせいか、日が落ちてきたためか、少し涼しくなってきた。
 夕日を眺めようとお部屋に戻ると、バスタオルでウサギが作られてベッドの上に置かれてあった。ちょっと嬉しい。
 バルコニーの椅子に陣取る。しかし、椅子に座ってしまうと手すりが邪魔で、手すりにもたれて立っている時間の方が長かったと思う。
 見渡す限り海と空しかないところに沈む夕日なんてなかなか見る機会がない。水平線ぎりぎりのところに雲がかかっていて、海に沈むところを最後まで見られなかったのが残念だ。


日の沈んだ後 日が沈んだ後のピンクの夕焼けも綺麗だった。
 何の船なのか、手前に見えている船がシルエットになってなかなか格好いい。
 本当に真っ暗になった19時半くらいまで、サンセット・ショーを堪能した。
 そして、暗くなった後も、漁をしている船なのか、明かりが点々と灯っているのが見えて、それはそれで格好良かった。上手く写真に撮れなかったのが残念である。


 夕食を予約したパラッツィオ・イタリアンというレストランにはドレスコードが(一応)ある。
 何故「一応」なのかというと、船内新聞の記述と船内放送によると、ドレスコードは「10歳以上の男性は襟付きのシャツ、長ズボン、つま先の覆われた靴にしてください」という内容で、女性については一切指定がなかったからだ。
 それでも一応、スパンコールのついた黒いカーディガンを羽織り、スポーツサンダルからバレエシューズに履き替えて、私としては「ドレスコードに気を使ったつもり」で出かけた。


パラッツィオ・イタリアン 予約の20時に行ってみると「あと10分くらい待って」と言われ、船内をぶらりと一周して、20時15分くらいにイタリアンレストランの「パラッツィオ・イタリアン」に入った。
 入ってみると、年配の日本人のカップルが一組いるだけで、本当に私のためだけに営業を延長しましたという風情だ。申し訳ないと同時に有り難い。


 20時も回っているし、美味しそうだったけれどコースでは重すぎる。
 日本語メニューを持ってきてもらい、アラカルトでスープとメインを頼んだ。
 ウエイターのお兄さんは「前菜は?」「サラダは?」と聞いてくれたけれど、多分、食べきれない。
 グラスワインの赤をお願いしたら、やっぱりここでも「ボトルにしたら?」と言われる。「一人じゃ飲みきれないから。」といつもの理由でパスさせてもらった。それに、数量限定と書かれたグラスワイン(カルヴィニ ソーヴェニヨンだった気がする)も飲んでみたい。


スープ 赤ワインを、トマトのフォカッチャと一緒にいただく。フォカッチャはサービスで、バルサミコ、チリとマヨネーズのソース(と説明されたパプリカっぽい香りがして辛くないソース)、オリーブオイルが付いていて、どれと合わせても美味しい。
 そして、茸とセロリのクリームスープがサーブされた。
 私はキノコのセロリも苦手なのにどうしてこのスープを選んでしまったのだろう。今さらながら謎だ。
 こってりぼってりとしたスープでなかなか美味しい。途中で、1mくらいありそうな黒胡椒の入れ物をもってウエイターのお兄さんが登場し、「いかがですか?」と言うのでお願いした。たっぷりめに入れてもらうと、味の印象が変わった。


 メインには、ラム肉のガーリックソース 野菜添えを選んだ。
 この野菜が、ポテトにキノコ、パプリカとなすとズッキーニと彩り豊かだ。
 こってりしたお料理に見えたけれど、意外とさっぱりしている。美味しい。
 食べにくいのがラムチョップの難点だけれど、他にお客さんもいないことだし、多少カチャカチャ音がしても許されるだろう。


チョコムース お腹がいっぱいになったけれど、デザートは別腹である。ドルチェもいただきたいしコーヒーも飲みたい。
 ダークチョコレートムースとコーヒーをオーダーした。
 このダークチョコレートムースが、濃くて美味しい。これだけ濃いチョコレートだったら、この華奢なグラスに入っていることも納得できる。


 コーヒーに付いてきたチョコレートは、こっそりお持ち帰りすることにした。今思うと、別にこっそりしなくても、ウエイターのお兄さんに頼めば包んでもらえたような気がする。
 1時間半近くかけ、美味しい夕食をゆっくりいただいて満足である。
 ウエイターさんも、適度に放置し、適度に構ってくれて居心地が良かった。感謝である。


 22時からのマジックショーの開演20分前だったので、そのままリド劇場に向かった。
 劇場に行く途中、日本レストラン「侍」の前を通ったときに、その向かい側の壁に「NO CAMERA」という張り紙が出ている理由が判明した。プロカメラマンが撮った写真が並べて飾られていて、もちろん買うこともできる。
 乗船時にマスコットとともに撮った写真は、キーホルダーとセットで145ドルである。2000円って高い! とケチケチ精神が発揮され、結局買わなかった。


開演前 ザ・リドでの本日の出し物は、マジックショー「Dream with Vincent Vignaud」だ。
 客席の後ろ1/3くらいは空いている。20時からの回と2回上演なので、1回目を観た人が多かったのかも知れない。
 生でマジックショーを見るのは初めてだ。わくわくする。


 こうしたショーなどでは必ず英語と広東語の両方で前説があるらしい。お笑いコンビみたいな二人組が出てきて、まず最初に英語で、次に広東語で色々としゃべくっている。
 マジックショー自体の進行はすべて英語で、「全く何も判らない」ということはなかった。英語ができるということではなく、これが広東語オンリーだったら何一つ判らないままだったろうという意味である。


ポスター写真 マジックショーは、ダンスシーンも交えた大掛かりなマジック(マジシャンが入った箱を切っちゃったり、火のついた剣を差し込んだり、一瞬でアシスタントのお姉さんと入れ替わったり)と、観客を一人ステージに上げてコント風に進めるマジックとが交互に行われた。緩急の付いた構成である。
 定番といえば定番のマジックが多いけれど、いや、楽しい。
 後者の、アクロバティックではないマジックの方も、テーブルマジックのような「話術が命」みたいなものではなく、露出度の高い服のお姉さんと男性のお客さんの腕を組ませて「Where is wife?」と笑いを取るくらいで、私の語学力でも全く問題なく楽しめた。


 マジックのアシスタントを務めたお姉さまたちはみな美人でスタイルがよくて露出度の高いお洋服をお召しになっている。目の保養だわ、と喜べる感じの美しさだ。
 背景を画像で変えるなど、演出が全体的に華やかだ。大掛かりなマジックも結構たくさんある。種を見破ってやろうとじーっと凝視しても、なかなか判るものではない。
 かなり真剣にマジックを楽しんだ。満足である。


 1時間のマジックショーが終わると、最初の前説の二人が登場して、このまま有料のオトナの世界のショーになだれこもうじゃないかと宣伝し始めた。
 流石にそうしたショーを愛でる趣味はない。客席の後ろからぐるりと回り込む形で退散する。
 客席をざっと眺めたところ、そのまま残った人も結構いたようだ。23時はオトナの時間ということだろう。
 もちろん、この時間にカジノも開いているし、グランド・ピアッツァではイージーリスニングが流されてバータイムになっていた。
 船内のこうした催しは、2時までぎっしり詰まっている。


 お部屋に戻ると、明日の「STAR NAVIGATER」が届いていた。もちろん、日本語版である。
 シャワーを浴び、洗濯し、シャワー室内に洗濯紐を張って洗濯物を干す。
 お部屋にシャンプーはあるけどリンスはない。ドライヤーはついていて、でも持ち運びはできないので、ドレッサーの椅子を持ってきてそこに座り、STAR NAVIGATERを読みながら髪を乾かした。
 ベッドに横になると、それまではほとんど感じていなかった船の揺れやエンジンの振動が感じられ、「地震?」という感じで最初は慣れなかった。
 とはいうものの、船にそんなに強い方ではない私でも、今回のツアーで船酔いを心配したことは一回もなかった。


 クルーズ初日は終了である。
 0時半、就寝した。


 本日の歩数計 18154歩


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